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リバー・オブ・グラス

以前から気になる監督ではあったもの観る機会が無く、ようやく観れました。

『リバー・オブ・グラス』

リバー・オブ・グラス【Gucchi's Free School presents:秋の文化芸術週間 2020 ケリー・ライカート監督特集】 ‹  上映作品 ‹ 出町座


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「ウェンディ&ルーシー」のケリー・ライカート監督が1994年に発表した長編デビュー作。

南フロリダ郊外の平屋建ての家で暮らす30歳の主婦コージーは、退屈な毎日に不満を募らせていた。

空想癖のある彼女は、人のいい夫婦が大きなステーションワゴンでやって来て自分の子どもたちを引き取っていくこと、そして彼女自身は新しい人生を始めることを、延々と夢見ている。

コージーの父ライダーはマイアミ警察署の刑事だが、酒を飲みすぎて銃をどこかに置き忘れてしまい、見つかるまで停職を食らっている。ある日、地元のバーへ出かけたコージーは、うだつの上がらない男リーと出会い親しくなるが……。

少し間延びするような感覚はあったものの、これは時間が経つと良さを噛み締められる作品な気がしております。

実際観終わった後も友人と話していたんですが、そういったことでの気付きも多分にあって、かなり盛り上がりました。そしてもう一度観たくなるという好循環。

個人的な傾向としてはリンチとジャームッシュを足して2で割らない感じですかね。ツインピークスブルーベルベットのような、街で起きる、何でもないけど、どことなく不可思議な出来事の羅列であるとか、視点を変えて見てみると何が起きてるのかいまいち掴めなくなる感覚。そんな街と自分との内外での葛藤がオフビートな感じで進んでいく。実際には何も進んでいないことがわかるんですが、その辺のバランス感が作品内の色彩や音楽なんかとマッチして、画的に非常に心地良かったです。

この映画のある種面白いところがその『回り回って何も起きてない』というところかなと思う。

何かしたくて子供を置いて出ていくのに何もしない、ある種運命的な出会いにも何も起きない、プールに忍び込んで青春っぽいことをしてみてもやりきれない、強盗に押し入っても別件が起きて結局何も出来ず、単に親がいない時に自宅に侵入してみる、旅している感じでモーテルに泊まるものの金も払えずどこにも行けない。極め付けは、移動していたつもりが街周辺をウロウロしていただけという。

まぁラストシーンでちょっと衝撃的な展開にはなるんですが、とにかく何かをしたいと思ってもビジョンがない人間の生活はどこまでいっても変わらないということを突きつけられた気がする。

30歳付近のニートと人妻の逃避行という中で、結局人生ってそういうものだよね、そう思った時にちょっとした安堵感と開放感が訪れたのは本作の上手い仕掛けなのかも知れないと思ったりもしました。

他の作品も気になるものが多いので、観れれば観たいと思います。

ちなみにオルタナ好きであればエンディングの曲が刺さるはずなので是非チェックして欲しいです。


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友人と話しててもそこは共通していたものの、2人とも聞いたことがないというオチでしたが、その友人が見つけ出してくれましたので。感謝感謝。