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『女王陛下のお気に入り』:豪華絢爛な宮廷の舞台裏!魅力的な女性たちの激動のドラマ!

「『女王陛下のお気に入り』:豪華絢爛な宮廷の舞台裏!魅力的な女性たちの激動のドラマ!」

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「ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」で注目を集めるギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、18世紀イングランドの王室を舞台に、女王と彼女に仕える2人の女性の入り乱れる愛憎を描いた人間ドラマ。

2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で審査員グランプリを受賞し、女王アンを演じたオリビア・コールマンも女優賞を受賞。第91回アカデミー賞でも作品賞を含む9部門10ノミネートを受け、コールマンが主演女優賞を受賞している。

18世紀初頭、フランスとの戦争下にあるイングランド。女王アンの幼なじみレディ・サラは、病身で気まぐれな女王を動かし絶大な権力を握っていた。そんな中、没落した貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイルが宮廷に現れ、サラの働きかけもあり、アン女王の侍女として仕えることになる。サラはアビゲイル支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を狙っていた。戦争をめぐる政治的駆け引きが繰り広げられる中、女王のお気に入りになることでチャンスをつかもうとするアビゲイルだったが……。

出演はコールマンのほか、「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン、「ナイロビの蜂」のレイチェル・ワイズ、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のニコラス・ホルトほか。

今回はヨルゴス・ランティモス監督作品、「女王陛下のお気に入り

この作品は18世紀を舞台にしたお話ですね。

フランスと当時戦争していた時のイギリスを舞台にされた、何て言えばいいんですかね、女同士の争いというか覇権争いとでも言いますか。

注目すべきはまず衣装であったり美術であったりといった世界観。

映像として単純に美しく、好きな人にとってはハマるだろうし、逆にちょっとなと思う方にとってはいまいちなのかもしれないんですが、ヨルゴス・ランティモス監督作品の中では比較的見やすい作品に仕上がっているんじゃないでしょうか。

ではちょっとずつ本作の魅力を語るとして、まずその衣装。

これに関しては時代考証なんかを参考にしつつ、監督が思う、その世界観とのマッチングを考えているようで、意外に時代考証と異なる衣装選びなんかをしてるそうですねそれなので、実際とは違ってくる部分もあるみたいで。

とはいえ、その当時の豪華絢爛さみたいな部分はやっぱり全然出てるのでこの辺もまあ細かい部分まで見応えがありますし、主演のエマ・ストーンの衣装の雰囲気であったりカラーリング、この辺が変わっていくのも面白く、その変化っていうのも彼女自身の変化であったり彼女の境遇の変化だったり。

そうした表層上としての部分として、衣装に表れるというのも非常に面白い作りですよね。

それから美術。

これに関してはやはり衣装と同様、監督自身のこだわりの部分がかなり盛り込まれているようなんですが、面白いのは実際に当時使用されてたものと作り込まれたもののバランス感覚。

女王の部屋にあったものに関しては当時のものがそのまま使用されている部分もあるそうで、どこが史実で、どこが脚色なのかといったことを考えながら見るとまた面白さが変わってくるのかなと思います。

撮影に関しても面白かったですよね。

魚眼レンズだったり広角だったりっていうのを多用したりすると思うんですけど、なんとも言えない囚われ感というか、そういった空間掌握力がすごい上手いなと。

この宮廷内というか建物内部での出来事がどこかミニチュア的であって、そういう部分からあふれ出る、滑稽でもあり、ちょっと面白みもありといった雰囲気。その辺もなんかやっぱり変なんですよ。

カメラをパンした時に独特な間合いでパンしてくるので、それがまた変な印象を受けるというか、独特な空気感を纏うような、そういう効果も与えている気がします。広角レンズを使用するというのも同様な効果を感じますし。

クローズアップも効いてましたね。特に表情へのフォーカスが素晴らしい。

メインで出てくる女性3人(オリヴィア・コールマンエマ・ストーンレイチェル・ワイズ)ともかなり演技が上手く、表情で語るじゃないですけど、その空気感、雰囲気、そうしたことを表情一つで語ってしまうっていうところがこのクローズアップを使用することでより顕著に出ていましたね。

まるで観客の見ている心にダイレクトに響いてくるような。

映像効果と相まって非常に効果的だったなと思うのが暗闇の撮り方。

どうやらこれ、全て自然光で撮影していたみたいでして、要は照明を使ってないようなんですよ。暗いところはそれこそ、ろうそくなんかで火を灯している程度の光なので、暗さが際立つ。

暗がりの中で、みたいな様子が当時の時代感というかそういう部分を逆に感じられたり。

あと映画そのものが内包しているその内密さみたいな部分もその暗がりだったりそういうところから凄く発揮されてるなっていう気はするんですよね。

さっきも書いたんですけど、とにかく主演の女優たちの演技合戦が素晴らしいんですよ。

個人的にこうした女性のやり取りみたいなものは実生活の中でもかなり目にしていて、割と学生時代から女性が多い環境に身を置くことが多かったんですよね。

そんな中で日々行われるやり取りみたいなものは男性社会のそれとは違って、やっぱり女性には独特のテンポだったり空気感みたいなのがあって、その辺がこのタイトルにもある「女王陛下のお気に入り」、これ洋題だと「The favorite」となっているんですが、女同士のマウンティングっていうのは本当独特だなと。

それを見事に演じてるこの3人っていうのもやっぱりなんかそれぞれでやり方があったりそれぞれ考え方があったりと三者三様。

そういった駆け引きは男性ほど直接的な物言いだったり喧嘩みたいなやり取りでは無く、ドロドロしてるんですよ。

その時感じる感情によって左右される女性だからこその独特なやり取りに繋がってきてるんだろうなと思わされるわけです。

でも、これを表現するっていうのは非常に難しいと思うんですよね。そう考えると演者は見事なものなんですけど、それを組み込んでなお映画として落とし込む監督自身の裁量や手腕みたいなところはやっぱりこの風変わりな価値観を持った監督じゃないとできないのかなとは思います。

不穏だけど映画然とした映画体験を味わいたいならやっぱりこの監督はオススメかと。

中でもこの作品っていうのは比較的見やすい方なので、映像的にもサウンド的にも、優雅な映画体験をしたいなと思う方には是非おすすめです。

 

『アーセナルvsFCポルト』CLベスト16 2nd leg:ラヤの超絶セーブがもたらした奇跡

アーセナルvsFCポルト』CLベスト16 2nd leg:ラヤの超絶セーブがもたらした奇跡

Arsenal Scores, Stats and Highlights - ESPN

19分、セットプレーのやり取りおもろ

40分、ウーデの外してのワンプレーとそれをものにするサーモンのプレーよ

 

51分、サリバの処理の上手さ

56分、ライスのクロスええな

64分、ウーデの落ち着いたプレスバックさすが

73分、今日イチのセットプレーだったが

73分、マガリャン無双開催中

82分、ジェズス後ちょっとの際どさ

壮絶な試合になりましたね。

リーグ戦の感じを見ていると負けないかなと思ったんですが、ここまで苦しめられるとは。

ポルト強かった。

ホームゲームでボルテージも最高潮、あのLibraryと呼ばれたスタジアムの雰囲気は今は無き。

まず入りの前半なんですが、いまいちスイッチが入らなかったのか、いつものプレーと違い、なんか噛み合って無かったんですよね。

全体に言えることですが、特にCB間での連携とボール回しから感じたんですよね。

ただそれを払拭してくれたのは最後まで献身的に走り回ったキャプテン、ウーデ。からのトロサール。

それまでもウーデの鬼プレスであったり、相変わらずの魔法じみたプレーだったりも炸裂したものの、中々実らずだったんですよね。

それが遂に最高の形で、最高の舞台で決まるとは。

これ、何度見ても最高なんですが、ウーデのあのボールタッチ、見事過ぎません。そこからのニアに蹴りそうなところを、ここしかないという感じで蹴りこむトロサールの一撃。

どちらもお見事ですよ。

これが前半終了付近だったこともあり、後半からはエンジンかかるぞと思っていたんですが、案の定いつものアーセナルに戻り、距離感やビルドアップも良くなっていたんですよね。後半から。

実際ファイナルサードでのタッチも増えてますからね。

ただ、それでも追加点を決めれなかった。

もうこれはポルトの強さ、CLという経験、そうとしか言いようが無いですよ。

交代も切り辛い状況下で、ジェズスとチェンコを投入し、直後に惜しいシーンもありました。

あれはホント誤差でしたね。だけに決まってほしかった。

ウーデの幻のゴールもファールじゃないと思うんですけどね。あの感じは。

それ以降はホント押し込むものの決まらずっていう。

マルティネッリがいなかったのも大きかったんでしょうね。

攻撃が右偏重になっているのもそれが大きな要因でしょうし、相手もサカのケアに人を割いている印象でしたから。逆に言えばその穴を突いたトロサールの勝利なんですけどね。

そんな感じで試合は進み、正直PKになった時にはアーセナルの方が有利だろうなと思ったんですよ。なんせ得点源が複数あり、しかも年明けからの得点数を考えるとゴールへの感覚がある選手が多いわけでして。

それにしてもラヤのPK2セーブは驚きました。

完璧でしたからね。

なんにせよPKにしろ、勝ち切ったことにせよ、CLベスト8へ進んだことにせよ今いる選手の経験としては申し分ないことでしょう。

14年ぶりらしいですからね。ベスト8進出は。

いやぁ、燃えましたね。

そーいえば、ハヴァさんのデュエルも鬼でしたね。またしてもチームNo1ですし、何度も削られてましたよね。

よくあれで怪我しなかったなと。

ひょうひょうとしているから分かり辛いんですけど意外にタフでアグレッシブなんですよね。彼は。

では。

カルト映画制作秘話に迫るドキュメンタリー?と思ってしまうほどの完成度『ディザスター・アーティスト』

史上最大の駄作としてカルト的人気を集めた映画制作自体を映画にしてしまうという発想がまず興味深い。

「カルト映画制作秘話に迫るドキュメンタリー?と思ってしまうほどの完成度『ディザスター・アーティスト』」

映画「ディザスター・アーティスト」 - 専念寺ホームページ(神戸市)


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そんな感じで観始めたんですが、きっかけは好きな漫画家、魚豊さんのこの記事から。

brutus.jp

どんな映画なのかと思って観始めたんですが、これがまた面白いんですよ。たっだのドキュメンタリー作品に終始していない存在感。

まず映画内映画としての「ザ・ルーム」という作品が気になり過ぎる。史上最大のカルト作品ってどういう作品なのかと。

ジェームズフランコ監督作品ということもあって、より興味深かったんですけど、とにかく全てがメチャクチャな作品だなと。

もちろん、この映画自体がではなく、作中扱われている「ザ・ルーム」という映画そのものがなんですけどね。

映画ってあくまでも相対的な芸術物であって、観る人にその具体的な感想は委ねられてるじゃないですか。

でも、監督や脚本家には当然意図があるわけで、そうじゃないと普通は映画として成立しないと思うんですよ。

仮にその作品に物語的なプロットが見出せなかったり、観て感じることしかできない映画であったとしてもですよ。

なんですが、「ザ・ルーム」の制作にはその意図を全く感じないんですよ。

そんな映画あります?

制作過程を見ても、監督の振る舞いを見ても、監督の考えを読み取ろうとしてもなお、何も見えてこない。

ある意味凄いですよね。それを一つの作品にしちゃうってことが。

とまあこれだけだと本作自体もとんでもないドキュメンタリー作品になってしまうと思うんですが、それだけで終わらなせず面白く仕上がっているのは「ザ・ルーム」の監督であり、本作の主人公、トミーのぶっ飛んだ人柄もあるのかなと。

やっぱり普通な人が多いからこそ、風変わりな人は面白く感じられるし、興味が湧いてくるものじゃないですか。

そりゃ好き嫌いもありますよ。

でも、普通より変わっている方が絶対に面白いじゃないですか。日常でも。

そんな人柄をただただパッキングしたような作品が本作。

とはいえそれだけでも面白くなるわけでも無く、個人的には青春映画的な面白さもあると思うんですよね。

なんていうか初期衝動に任せて突っ走る感じといいますか、駆け抜けるカタルシスとぶっ飛び過ぎて笑えるコメディ要素もあるというか。

いちいち行動が斬新なのと、そういった諸々の切り取り方に無駄が無い。

だからこそテンポ良く見られて、飽きないんですよ。

そして、鑑賞後に爽やかさな後味が残るという。

特に最後のプレミアム試写の場面でのシークエンスなんて、なんかちょっと感動すらしちゃいましたもん。

関わる人の熱量、なんだかんだでトミー自身も映画であったり、役者であったり、友であったりといったものを必要としていた。

だからこそ最終的にはああいう結末を迎えるんだと。

その後カルト化したという「ザ・ルーム」を考えても、見えない映画の魅力があったからこそ、そうなれたんだろうなと。

トミーとグレッグ、その他含めた人間関係と映画というものの本質的な面白さ、そんな違った角度からの気付きに満ちた作品でした。

機会があれば「ザ・ルーム」自体も観てみたいところです。まあこれは映画館で観たいというのが心情ですが。

では。

【影のMVP】アーセナルの勝利を支えたホワイトの冷静沈着なプレー『アーセナルvsブレントフォード』

これは喜び狂いました。

「【影のMVP】アーセナルの勝利を支えたホワイトの冷静沈着なプレー『アーセナルvsブレントフォード』」Arsenal - Club details - Football - Eurosport

一時はどうなるかと思いましたが、今季のアーセナルはひと味もふた味も違う。そんな印象を植え付けた試合結果となりました。

試合終了後のアルテタの喜びようを見てもそうですけど、自分自身も狂喜乱舞で、メチャクチャ嬉しかった。

15分、ラムちゃん切り替え最高。フィードバッチリ

17分、サリバの読みとタックルの的確さ

29分、サリバの体当てるの上手っ

32分、ジョルジああいうパスの選択さすが

 

55分、こういうボールの処理はラムちゃん良いんだけどな

59分、サカからウーデのこの感じよ

前半は前半で押してましたけど、決定打というか、最後の押し込みが弱かったですよね。

そしてアディショナルでまさかの。

でも、後半のこの怒涛の追い上げと、チーム自体のブーストがメチャクチャ機能していましたよね。

ブレントフォードがブロックを中央に寄せ、かつ密集度を上げていたのでスペース的にかなり狭かった。それもあって、中々最後までボールを運びきれていなかったんですよね。

でも、後半はそれもガンガン崩しにかかってましたから。

最後は歓喜のハヴァコールですよ。

ハヴァさんはこのところ枠内シュートだと7/10らしいですからね。脅威の得点力ですよ。

中央での振る舞いに関しても板についてきた部分がありますし、何よりチームでのフィットネスが試合ごとに増している感じ。

嬉しい限りです。

その決勝点のアシストをしたホワイトもさすがでしたよ。

ウーデがかゆいところに手が届くというのは恐ろしいサッカーIQと技術ですが、ホワイトのサッカーIQも相当に高いと思うんですよね。改めて。

実際この試合でも2得点のアシストはホワイトですし、何よりサカ、ウーデとの連携が阿吽の呼吸。

この場面では、と思う時にそのポジションを取ってくれていたり、戻ってくれていたり。

そつなく高い水準でプレーできるというのはサッカーIQが高い証拠だと思うんですよね。

個人的に一番ツボなのはセットプレー時のやり合いですが、これも相手とのギリギリの駆け引きを出来ればこそああいった小賢しいことができるのかなと思いながら、いつもセットプレーのあれこれを期待して見ちゃいますし。

なんならホワイト追ってて、ボール見失うこともしばしば。それくらい最近のセットプレーはホワイト祭りですからね。

そして、この試合のハイライトは良くも悪くもラムちゃん

ラヤが出れなかった(規定により)こともあり、久々登場したラムちゃんに賛否両論あるかと思いますが、結果的には結果良し。

実際スタッツもそうですが、ミスはあったものの、枠内シュート2本という危機を救ってますからね。

トータルで考えればまあチャラかと。

そんなラムちゃんに対してのチームメイトの発言なんかを見ていても責めたり、避難したり等でなく、しっかりと受け止めるところは受け止めて認めている良さを感じるんですよね。

良いチーム状況じゃないとこうはなれないですよ。

これは成績が良いチームということもあるんでしょうけど、それ以上にチームの空気感や風土がそうさせているのかと。

そしていよいよCLポルト戦2ndlegが待っています。

この勢いのまま押し切りたい。

では。

【松田龍平×沖田修一】日常の観察から見えてくる機微に気付かせてくれる『0.5の男』

「【松田龍平×沖田修一】日常の観察から見えてくる機微に気付かせてくれる『0.5の男』」

連続ドラマW 0.5の男 | オリジナルドラマ | WOWOW


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主演・松田龍平、監督・沖田修一によるオリジナル脚本ドラマ!新時代の家族の姿を温かな目線で描くホームドラマがWOWOWに登場する。

自由気ままな生活を送る実家暮らしの40歳のひきこもり男が、家の建て替えをきっかけに妹家族との「2.5世帯住宅」に住むことに。2世帯にプラスされた“0.5の男”は、家族のゴタゴタに巻き込まれ、外の世界に放り出され、少しずつ新しい自分になっていく。

主人公・立花雅治役を演じる松田龍平は、“身近にこんな人がいるかもしれない”と思わせるほど演技が冴えわたる。共演は臼田あさ美、白鳥玉季、木場勝己西野七瀬風吹ジュン。監督と脚本を務めるのは、映画『南極料理人』(2009)、『横道世之介』(2013)、『さかなのこ』(2022)などを手掛けた沖田修一で、主演の松田龍平とのタッグは2016年公開の映画『モヒカン故郷に帰る』以来7年ぶりとなる。

80代の親世代が50代のひきこもりの子を抱える「8050問題」が顕在化する現代社会。その前夜に位置する主人公“0.5の男”は、果たしてどのような生きざまを見せるのか?笑って泣ける家族の物語が、繰り広げられる!

沖田監督のドラマとあって期待していたんですが、期待通りのゆるさとほっこり具合。テーマ設定は重くもなりがちながら、全くそれを感じさせないスッキリとした展開。

なんかこれが良いじゃなくて”これでも良い”って思わせてくれるところが沖田作品には詰まっていると思うんですよね。

現代の多様性って、言ってしまえばなんでも通ってしまうわけですし、逆に言えば雁字搦めでなにも出来なくなってしまうともいえる世の中。

その間を取ったような上手い具合の解決策みたいなものを丁度良い形で見せてくれるからなんだかホッとするんでしょう。

あと、やっぱり松田龍平は年々こういう役柄がハマってきてますよね。他の演者さんも全員良いんですが、特に松田龍平がハマり過ぎて。

個人的には「まほろ駅前多田便利軒」くらいからこういったテイストのゆるい役柄がハマってきた気がしているんですが。

本作は5話と観易い話数に収まっているというのも良いですよね。それでもしっかりと話を畳めていますし。

この作品、凄く良かったなと鑑賞後に思えた部分があって、”人間関係はちょっとのズレ”というところなんですよね。

険悪になるのも、仲良くなるのも、好きになるのも、嫌いになるのも。

結局それを突き詰めると本人の気持ち次第、振舞い次第的な部分が大きいとは思うんですが、心持ち一つで見える世界は変わってくる。

その辺の表現と広がりをコミカルに、それでいてほっこりと描いている本作というのは素晴らしいですよね。

ちょっと伊坂幸太郎的な仕掛けじみた面白さなんかもありつつ、毎話癒されました。

撮り方の面白さっていうのもあって、家の内部を撮る時に、時折横からの断面図のような形でフラットに撮るんですよ。

これがどこかアリの巣を見たりするような視点で、観察的。

人という生態そのものを俯瞰して見せられる生物的な視点があり、どこか感情の無い、観察的な視点で生活を見れるんですよね。

確かに人の生活って感情があるから関係性にも繋がっているわけで、その感情をまっさらにしたらそれはただの生態という事実になってしまう。

感情、そこがあるから面白いし血が通っているんだと思わせてくれるような気がして、なんかその見せ方も好きでしたね。

しかもそれが最後にある意味ネタバレされるわけですし。

とまあ色々あるようで何も無いような日常の観察。

肩の力を抜いて観るには最適な作品じゃないでしょうか。

では。

圧巻!アーセナル前半5得点で圧勝!キャプテンウーデ神懸かりのゲームメイク『アーセナルvsシェフィールドU』

ちょっと凄かったですね。

「圧巻!アーセナル前半5得点で圧勝!キャプテンウーデ神懸かりのゲームメイク『アーセナルvsシェフィールドU』」

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1分、ジョルジとサカのワンツー見事

10分、ウーデも相変わらず見えてる

14分、ハヴァさん粘りと体幹良いな、調子上がってるわ

18分、ガブの競り合いの速さと高さもだけど、呼応するようなサリバのポジショニン            グと対人もヤバい

35分、やっぱジョルジの縦パス最高

38分、サカのトラップ気持ちいいタッチだな

48分、十八番の抜き方、マルティ早っ

52分、あのスピードでのドリブルからあのパス出せるのは足首の柔らかさだなヴィエイラ、お帰り

53分、最近増えてるマルティのファーへのパス、狙いは毎回良いんだよな

57分、ハヴァさんゴール前でも安定の落ち着き、こういうプレー地味にゴール増の要因

67分、ライスのボールの受け方改めて上手い

 

あの感じでいくともう少し得点入るかと思ったんですが、終わってみればこの結果。

折角ならプレミア史上初の得点差まで見たかったところではありますが、まあ快勝は快勝なので。

特に特に前半は凄かったですよね。

この得点の集中度たるや。前半5得点て。

ポゼッションもエグいですし、シュート数が。

とはいえ、正直なところシェフィールドがチームとして機能してなかったですよね。

正確にはアーセナルの完成度が高過ぎたとも言えるのかもしれませんが、いずれにせよシェフィールドがグダグダだったことは否めません。

5-4-1で形成していた守備ブロックにしろ、ラインコントロールが全く機能していなかったですし、選手同士の距離感、意思疎通も後手後手でしたよね。

人数いてもプレス強度や寄せが甘く、パスに対する反応も全然付いていけてない印象。

逆にアーセナルのレベルがここまで上がったのかと改めて驚かされる試合展開となりました。

ちなみに5点差以上をつけてのアウェイゲーム3連勝は、イングランド史上初の快挙らしいですしね。

さあこのゲーム、一番の勝因はキャプテンウーデでしょう。

スタッツ以上に躍動していたというか正に心臓というのがふさわしいゲームメイキング、痒いところに手が届くポジショニング、カバーリングが光ました。

欲しいところに絶対いるっていうのはサッカーIQの高さですし、最近のウーデのフィールド支配力には毎度驚かされます。

それにこの感じはヤバいですよね。

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あとはハヴァさん。

地味ながら、得点に繋がるプレーが多くなっているなと思っていて、この試合でも1

ゴール1アシストながらそれ以上に貢献していた気がするんですよね。タイミングの取り方であったりもフィットしてきた気がするし。

最近だと両ウイングの突破が無くとも中央ないし、空中から崩せるというパターンに厚みが出てきたこともあり、攻撃力にバリエーションと強度が増えましたよね。

今回も得点者バラバラですし。

この試合では後半から交代選手も増えた中で、パーティとヴィエイラが久々に登場。

パーティに関しては投入後が若干不安定だったですし、フィジカルもなんかいつものパーティ感が無いといいますか。その後もどことなく引き気味活控えめなプレーが目立ちましたが、徐々に復調してくれればと。

ヴィエイラはフィジカルこそ落ちていなそうでしたが、連動性という意味でのフィッティングが弱そうだったので、こちらも試合勘を取り戻してもらえれば。

いずれにせよまずは試合に出ることで調子を上げていってほしいところです。

それにしてもマルティネッリは切り傷だったようですが、重症じゃないことを祈ります。あれはちょっと大怪我出てもおかしくないプレー多かったですからね。

では。

心の準備はできていますか?笑いと恐怖が交錯するホラーコメディ『ボーはおそれている』

「心の準備はできていますか?笑いと恐怖が交錯するホラーコメディ『ボーはおそれている』」

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「ミッドサマー」「ヘレディタリー 継承」の鬼才アリ・アスター監督と「ジョーカー」「ナポレオン」の名優ホアキン・フェニックスがタッグを組み、怪死した母のもとへ帰省しようとした男が奇想天外な旅に巻き込まれていく姿を描いたスリラー。

日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった。その後も奇妙で予想外な出来事が次々と起こり、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく。

共演は「プロデューサーズ」のネイサン・レイン、「ブリッジ・オブ・スパイ」のエイミー・ライアン、「コロンバス」のパーカー・ポージー、「ドライビング・MISS・デイジー」のパティ・ルポーン

マジで謎。

これがふさわしいとしか言いようの無い感覚。

「哀れなるものたち」もかなり不思議なテイストでしたが、これはその上をいく展開。だって、ストーリーラインが見えないんですよ。いや、正確には見えてるんですよ。ただの帰省なんだということは。

 

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けれども、なんだろうこの何もわからない感じ。

起きていることの辻褄が合わず、なんでそういうことになっているかが全く分からない。

家の鍵と荷物急に無くなるわ、変な裸の人に追われてるわ、風呂場に誰かいるわ、毒クモ出てくるわ、車に轢かれるわ、ペンキ飲んで死なれるわ、SEXして死ぬわ、刺されるわ。

もう挙げたらきりがないくらいわけのわからないオンパレード。

これが帰省なんですか。そう言いたくなるほどの帰省っぷり。

しかも上映時間が3時間越え。

でも、意外に観れてしまう不可思議さがあるんですよね。

何なんでしょうね。この感じは。

ラストの展開からエンドロールが流れて間の虚無感が全てを象徴しているような感覚がありましたね。マジでチーンってなってましたから。

そんな映画体験も、ある意味映画じゃないと出来ないじゃないですか。

だから良いんですよ。

監督のインタビューで述べられていたんですが、「ユダヤ人の恐れ」を表現したような部分があるらしいんですよね。

恐れがを視覚化し、不条理さを認知するとどうなるのか。

ただ、日本人にはその感覚はわからないわけなんですが、では楽しめないのかというとそういうわけでも無いかと。

個人的には”人生”というものを極端な角度から観るとこういうことになるんだろうなと思うわけです。

人はそれぞれが悩みだったり、恐れ、不条理といったマイナスの事柄を抱えながら、不確実な未来に向かってサバイブしていく。

それって本当にどういうことが起きるかわからないし、想像を越えるような出来事や結末を迎えることがあると思うんです。

それを理解して受け入れるのか、抗うのか、流されるのか。常に選択の繰り返しなのかなと。まあ、それがい意図してもしなくても起きるわけですが。要は心構えですよ。自分がどう思うかということの。

なので、この話はボーの視点から見たボーの世界。

世界をどう解釈し、どう見ているのかという視点で観ると、何が起きてもおかしくはないわけです。

その意味で、ボー自身、恐れに恐れつつも、恐れなしではいられないといった部分も多分にありそうで、じゃなければあんな世界観で生きていけないですからね。

物語自体は4部構成になっているようですが、その構成すら初見では全く理解できず、全てが夢のような狂った物語。

特にあのボーのアパート周辺の町の作り込みと雰囲気凄かったですよね。

観ているこっちも恐れてしまうほどのカオスさ。人が街を形成しているのか、街が人を形成するのか。

あんな街に住んでいることすら恐怖でしかないわけで。ただ、観ていて純粋に楽しめる街ではありましたけど。

あと、監督も本作はホラーというよりコメディだと言っていたんですが、確かに笑えるシーンも多いんですよ。

展開がぶっ飛んだ分、笑っていいのか微妙ながら、それでも絶対的に面白い。笑えない笑いとでも言いましょうか。シュールさがある感じですね。

これも世界の見え方の問題だと思っていて、静かにしてなきゃいけない場所で笑ってしまいそうになったり、畏まった席で笑いそうになったり、怖いんだけど笑えて来たり。

ダウンタウンがやっていた企画「笑ってはいけない」もそうじゃないですか。

そういった相反するからこそ変な笑いが起きるみたいな感じですよ。

極限まで研ぎ澄ますと全ては笑いに通じる的な。

ブラック過ぎる部分はあるかと思いますが、恐怖と笑いも紙一重なんじゃないかなと。

あくまでも当事者じゃなく観ている側としてはの話ですが。

そんな観ていることちら側を認識させてくれるラストの演出は、どこか壮大な「トゥルーマンショー」的でもあり、全て娯楽に転嫁されてしまうような世の中への風刺もあるのかなと思わされてたりもしました。

このラストの感じは割と好きで、水に浮かぶボートが映されたまま流れるエンドクレジットは良かったですね。

とにかく映画館で体験する以外の選択肢は無いですよ。これは。

では。