宇宙世紀を観た後でこそ知りたくなるあれやこれやを。
『深まる宇宙世紀の謎と興奮!”機動戦士ガンダム THE ORIGIN”が描くシャアの真実と闘いの物語』
これは観るタイミングを選ぶべき作品じゃないでしょうか。
というのもガンダムにおける宇宙世紀ものを観ているかどうかで見え方が相当変わってくるだろうなというな意味合い。この作品自体が”シャア生誕”というところにフォーカスしている側面もあるかとは思うんですが、そのシャアであったり、周りの登場人物だったりの見え方、感じ方がずいぶん変わってくるだろうなといった印象。
おぉ、この人物はこういう背景があったのか、であるとか、こうなったのはこのためだったのかといったことがわかる分、事前に知っておいた方が楽しめそうな情報盛り沢山。
意外に楽しめるのが、過剰過ぎる演出の数々。
オーバーリアクションに見えるようなシーンやアクション、発言などが多々あり、外連味たっぷりの演出が、笑えるというか、ガンダムと相性が良いというか。そんな感じで見れてしまうというのも個人的には結構観易い要素でしたね。
スターウォーズ同様、このオリジンの話がどこに繋がるのかといったガンダム世界の歴史、時系列をシームレスに体験でき、それがより物語への没入度を高めているというのもかなり惹きつけられるポイント。
シャア生誕と同時に、モビルスーツ生誕を描いているというのもあって、この開発秘話であったり、過程みたいなものが知れるのも中々興味深い。
概念としてロボットから、人が入り操作するマシンとしての転換。一見するとグレードダウンにも見える発想ともとれますが、説得力のある効果、効用があるからこそ、モビルスーツの必要性が増してくる。この辺の設定はさすがガンダムだなと改めて思いますし、細部にまで趣向が凝らされているなと思うわけですよ。
モビルスーツも中々魅力的な機体が多く、黒い三連星オルテガ機のMS-06R-1A 高機動型ザクIIであったり、シャア専用機だったり。オルテガ機はアックスを持った立ち姿や、それを使うシーンがメチャクチャカッコ良くて。
シャアがメインということもあるんでしょうが、シャアの乗っているMS-06S シャア専用ザクⅡのカッコ良さも際立つ際立つ。動きもそうですし、機体の存在感も含めたディティールが良い。
ザクがそもそもかなりハイスペックな機体だったということも、本作を観ることでより際立つというか。
大体の場合、地球連邦側の機体をメインとしたストーリーが多く、だからこそ量産機のザクが本来どういった立ち位置で作られ、ということも踏まえると魅力が増すんですよ。最初は量産機でなく、プロトタイプの傑作だったわけですから。
そういったガンダムの文字通りオリジン的魅力が詰まった作品なので、宇宙世紀をより知りたいと思った入口としては丁度いいんじゃないでしょうか。6作品でワンセットになっているシリーズですが、かなりサクッと観れてしまうので、宇宙世紀を観た後、物語的な背景を知りたいなと思ったらまず観てみるのもいいかもしれません。
では。