ホラーはコメディであるという確認。
『マリグナント 狂暴な悪夢』
やっぱりこの監督はこういうホラーの方が良い。
死霊館も面白いですが、ジェームズ・ワンはこういうジャンル不明のホラー表現ごった煮みたいなのが面白い。
途中まで、どうなるの?どうなるの?と思わされつつもテンポ良く進み、要所要所では笑わせてもくれるし魅せてくれる。
アクション要素も多分にあった気がするし、そのアクションも恐ろしいのに笑える。こんなバランスあるのかと思われるところこそ、ワン監督の真骨頂を感じてしまう。
終盤の展開に関しても怒涛の畳み込みで、全く飽きない111分。
ジャーロ系へのオマージュを感じさせつつ、確実にオリジナリティを付加してくるところはさすがです。
ホラーとネオンとこれ見よがしな音楽は実に相性が良いということも忘れてはいけません。これはもう単純な好みもありますが、映像表現として、ただただテンションが上がりがち。
プラスして、ギミック。あいつが本当にあいつで、ここは本当にここなのか、そうした色々な仕掛け満載で、何度も観ないと気づかないものもある気がする。それくらいうまい具合のバランスで作り込まれた作品だと思うし、強度があると思う。
美術的にも雑に放り込んでくる潔さを感じるし(古城であるとか病院)、人物的にも演出的にもそう。
怖い部分は怖がらせながら、完全に笑いに振ってくるところが普通に笑えて飽きさせない。
多くは語りませんが、あそこから急に落ちてくるシーンやジャイアントスイング宜しくな放り投げ、ある場所での覚醒からの無双モードなど。気楽に観れて面白い。
小難しいところは抜きにして、アトラクションのような感覚で楽しんでいたホラー原体験を見事に思い出させてくれました。
劇場の臨場感あるサウンドで観ること込みで楽しんでほしい作品かと思いますので、今のうちに是非。