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ザ・ライダー

人は期待に応える為に生きなければならないのか。

『ザ・ライダー』

Amazon.co.jp: ザ・ライダー (字幕版)を観る | Prime Video

大怪我を負ったカウボーイが新たなアイデンティティや生きる意味を見いだすまでの物語を、モデルとなった人物が主演を務め映画化したヒューマンドラマ。

アメリカ中西部のサウスダコタ州。カウボーイの青年ブレイディは、事故で頭部に大怪我を負ってしまう。

ロデオ復帰への捨てきれない思いと後遺症との間で葛藤しながら、自分の生きる意味を探し求めるブレイディだったが……。

主人公のみならず、彼を取り巻く登場人物にも本人たちを起用。

中国出身の新鋭クロエ・ジャオが監督・脚本を手がけ、第53回全米映画批評家協会賞と第28回ゴッサム・インディペンデント映画賞でいずれも作品賞を受賞した。

ノマドランドも気になるところですが、その前に気になっていたのが本作。配信公開されていたクロエ・ジャオ監督の作品。

個人的にウエスタンとか、カウボーイとか、馬と人みたいな作品ってなんか惹かれるものがあって、そういった意味でも気になっていた作品でした。

4月6日までの公開と、急に配信期限が迫ったこともあり、とりあえず観ました。

まず、映像美が素晴らしいのなんのって、ドキュメンタリーチックでありながらも、映画的映像美を纏っており、とにかく自然美に心癒される。そう、心の癒しと人間の生きるという事への葛藤がテーマなんじゃないかと思う作品で、その辺も本当に言葉では無く生き様で語られておりました。

主演のブレイディ・ジャンドローは正真正銘のカウボーイであり、ほぼノンフィクションの作品であり、登場人物と言うんだから驚きしかない。後のインタビューでは本人が「7割ノンフィクション、3割フィクション」と語っていることからもそのリアリティの強度が高い理由がわかる。

ロデオという現代では名前しか知らないようなものに対し、それに取り組む姿勢、それらを必要とする理由みたいなものを、感覚的、視覚的に伝えてくるところが本作の素晴らしくも痛々しい人の生き方におけるリアルなんだと思う。

儚くて美しいものに人は惹かれるものだし、人は何かに打ち込むことでしか存在意義を見出せないのかもしれないとすら思ってしまう。

終盤での怪我をした馬にに対峙する場面、主人公であるブレイディ自信と似た境遇である馬と自分を重ね、怪我をし単独で生きることが出来なくなった動物が処分されることを嘆く。それでも人は生きていかなければならないというく件は、重みがあり過ぎて、ズシンときた。

本当にそうなんだろうかという疑心もありつつ、確かにそうだなと思う葛藤と生きる。同じく人生を棒に振ることになってしまった兄貴分からも「夢をあきらめるな」、そして自分自身も諦めない気持ちを持って生きている姿を見せられたら諦めるにはまだ早いと思わされるものなのかもしれないとも思ってしまう。

そういったことを抜きにしても、本作を観る価値はあると思っていて、その一番の魅力は主演であるブレイディという人物のカッコよさと立ち振る舞い。

本当に演技経験が無いのかと思わされるほどに精悍な表情や仕草、意志が込められた視線には男として憧れしかない。

ファッション面に関してもウエスタンシャツにバンダナを巻き、ハットを被る、髪型も雑な感じなのになぜだかカッコいい。生き様がファッションを凌駕する理論を持っている自分としては本作のそれは正にその通りなもの。

風景とファッションを堪能しながら、その奥底に漂う精神性を観る。良い映像体験でした。