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KIDS

若気の至りならぬ、若気が至る。

「KIDS」

セックスとドラッグ、アルコールと暴力が日常となったNYのストリート・キッズの生態を、ドキュメンタリー・タッチで赤裸々に描いた異色の青春映画。

監督は『タルサ』(71)、『ティーンエイジ・ラスト』(83)の2冊の作品集で話題となった写真家ラリー・クラークで彼の初監督作品。

脚本は、スケートボーダーだった高校生の時にクラークと知り合い、19歳で初のシナリオである本作を執筆したハーモニー・コリン、製作はケイリー・ウッズ。

エグゼクティヴ・プロデューサーは、『タルサ』に影響された映画「ドラッグストア・カウボーイ」を監督したガス・ヴァン・サント、パトリック・パンザレッラ、マイケル・チャンバース。

撮影は、「マイ・プライベート・アイダホ」などヴァン・サント組の常連エリック・アラン・エドワーズ、美術はケヴィン・トンプソン、編集はクリストファー・テレフセン。

音楽はルー・バーロウとション・デイヴィスがスコアを書き、ランダル・ポスターの監修の下、フォーク・インプロージョン、ダニエル・ジョンストンなどが挿入曲を提供。

主演は全員素人の少年少女ばかりで、ヒロインを演じたクロエ・セヴィニーは本作以降、人気ブランド〈ミュウミュウ〉のイメージガールも務め、ストリート・キッズのアイドルとしてその言動が注目される存在とまでなった。

高校生の頃ストリートカルチャーと聞けば必ず挙がってきたのが本作。

当時は近所でレンタルもされておらず、今のようにネットも普及していなかったことから観ることができずでした。

そんな作品がリマスターで再版され、レンタルも出回るという奇跡的な展開。サーフィンに触発され、再びスケボーも始めた自分としてはタイミングもばっちりでした。

ということで観てみました。

初見の感想は「とにかく生々しい」。

冒頭のキスシーンに始まり、終始続く生々しさ。際どいシーンや不快なシーン、カッコいいシーンやくだらないシーン。どれを切り取っても生々しくて、若者のリアルが手に取るように感じました。

ファッションであったり音楽であったりもそうですが、部屋に出てくる小物であったり、ビールを紙袋に入れて飲んでいたり、スケートのクリップをテレビで流していたりと世界観そのものにカッコよさを感じるのは必然のように思える仕上がり。

音楽との親和性も高く、ルーバーロウのノイジーなギターは健在で、そのソリッドで歪みの聞いたサウンドが、作品自体のエッジさを際立たせているように思いました。

百聞は一見に如かずと言いますが、その通り。これを若い時に若い感性のまま受け取りたかった。当時この映画に関して色々な情報は得ていたし、色々な話は聞いていた。それでも観て感じることは全然違うし、衝撃も違う気がする。そんなタイミングの積み重ねで今の自分が形成されていると思うと、こういったものを観る時期も非常に重要なことなんだなと改めて思わされた。

とはいえ観たかった映画なので今観て、今感じた感性も大事にしたいと思いつつ、素直に没入できない今の自分に少しの悲壮感を感じたりもした作品となりました。

ただ、ストリートカルチャーを語る上で重要な作品なのは間違いないかと。

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