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『灼熱の魂』:衝撃展開が止まらない、二度と観られない衝撃のラスト

これまた衝撃的。

「『灼熱の魂』:衝撃展開が止まらない、二度と観られない衝撃のラスト」

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レバノン出身のカナダ人劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲をドゥニ・ビルヌーブ監督が映画化し、第83回米アカデミー外国語映画賞にノミネートされたヒューマンミステリー。

心を閉ざして生きてきた中東系カナダ人女性ナワルは、ある日、実の子で双子のジャンヌとシモンに謎めいた遺言と2通の手紙を残してこの世を去る。手紙はジャンヌとシモンが知らされていなかった兄と父に宛てたもので、まだ見ぬ家族を探すためナワルの母国を訪れたジャンヌとシモンは、母の痛切な過去と向き合うことになる。

後にハリウッドで「メッセージ」「ブレードランナー 2049」「DUNE デューン 砂の惑星」など話題作を次々に手がけ、高い評価を受けるビルヌーブ監督の出世作となった一作。2022年8月、デジタルリマスター版でリバイバル公開。

まずこれ、戯曲だったんですね。何も知らずに観たんですが、相変わらずドゥニ作品はエグいことをするなと。

映像的なドライさは常にあるのに、かなり手の込んだ脚本。緻密に練られすぎていて、どういった話なのか終盤までまるで全くわからない構成。

冒頭で示されている目的地はわかっているのに、なんかしっくりこない感じ。それによりどこに着地するのかわからないんですよね。

”思っていた世界と違う方向に連れて行かれる”というのはドゥニ作品に共通するところなのかも知れないです。

とまあ、本作は先にも書いた通り、脚本の素晴らしさが際立つわけですが、このお題をここまで映像的に上手く見せれるところが驚きなんですよ。

戯曲が下敷きにあるとはいえ、ここまで完璧なロードマップを描けるもんじゃないですからね。構成も完璧ですし。

同時に、完璧過ぎるが故に初回の衝撃が強く、内容も激重なので、何度も見返そうとは思えないわけですが、完璧なのは間違いないかと。

作中、レディオヘッドの楽曲が使われていたのが印象的ですが、これはなんか狙いすぎている感ありありで、際立ち過ぎていたような気もします。

特に冒頭のそれがそうで。なんか映像的なPVっぽさも相まってなおさら。

それでも精神性というか、映像的なイメージややりたいことはわかるんですけどね。

撮影の部分で言うと、ヌルっとしたような、覗き見るようなショットは何か好きでしたね。

この作品、衝撃的な展開が度々訪れるので、ホントにそれを気にしながら手探りで進んでいくような感じもありで、独特なテンポ感を助長するのに効果的に寄与していたような気はします。

後はとにかく自然音が際立っている。

水の音であったり、風の音、木々がそよぐ音や、鳥のさえずり。

そうした環境音にフォーカスが置かれている気がして、あくまでも日常との地続きの中でああいった世界線があるということを自覚させられるんですよ。

それが絶妙に嫌なフックになっているというか。

とにかくこの結末は知らずに観たほうが楽しめるかと。

タイトルも秀逸で、現代の原題「Incendies」はフランス語で火事、火災、戦火、動乱、 真っ赤に燃える光、激情、激昂、といった意味らしいんですよね。

このどれもが当てはまるほど、言葉にならない抽象的な感情を抱くわけですが、そのどれにも燃えるような静かな炎を感じるような感覚。

ラストでこのタイトル出た時、「まさにそれ!」と思ったのは言うまでもないです。

とまぁ、何も知らずにとりあえず観てみてください。

では。

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布でなく画用紙ならいける!質感を生かしたカレンダー作成2024編

「布でなく画用紙へ!質感を生かしたカレンダー作成2024編」

なんとなく何か作ってみたくなるタイミングがあるんですが、今回はカレンダーを作ってみました。もう1/4くらい今年は終わっておりますが。

カレンダーを布にプリントしていたのが気になっており、自分もそれがやりたかったんですが、布地にプリント出来る機材が無く、画用紙的なものに印刷し、質感を出してみることに。

やっぱり布と違ってそこまでの質感が出ないし、画用紙のカラーとプリントのカラーが混ざってしまうため、中々予想通りにいかず。

それならばと頭の中にあるイメージとカラーの調合を感覚的にさじ加減してみました。

ちなみにキャラクターを中央に配置したかったんですが、イラストが描けるわけでも無く、まずは一番好きなバンド、Blink182から拝借させていただきました。

まあ個人使用ですし、誰にあげるわけでも無いので。

これも色の加減が難しかったですね。あと配色のバランスが。

ちょっと毎年作ってもいいかなと思っているわけですが、それを来年も思うか否か。まあ気分次第といきたいところです。

では。

ケルトの神秘を纏う!彫刻的な美しさと存在感『CELTIC ARTS リルバーリング9号』

久々にアクセを購入しました。

以前から小指のリングを探していたんですが、ようやくというか。

小ぶりなもので、でも主張はあって、一見シンプルに見えるものが良かったんです。

基本人差し指に付けているのが星形と形状に主張があるものなので、それとバランスを考えた時になるべく形状は普通なものを探しておりました。

そこで購入に至ったのがこちら。

CELTIC ARTS リルバーリング9号」

元々A&Gは知っていたんですが、こちらのブランドは全然知らなかったんですよ。

実際A&G自体もそこまで好きなブランドというわけではなく、たまたま目に付いたこちらに引かれたんですよ。

装飾のディティールと美しさ、タトゥーにも似た模様の巧みさがあり、何とも言えない存在感。

調べてみると「CELTIC ARTS」というブランド自体の情報があまり無く、わかったのはこれくらい。

1997年、A&Gのオーナー兼デザイナーであるアマール・ゲソースが新たにシルバーアクセサリーブランド「セルティックアーツ(CELTiC ARTS)」を設立。

セルティックとは「ケルト族の」という意味で、その意味の通り、ブランドのコレクションはケルト族の紋章がモチーフとなることが多く、それにデザイナーのアマール本人がゴシックテイストを加味したデザインが特徴となっている。

主にシルバーアクセサリーを扱っており、ケルト文化やアイルランドの自然をモチーフにしたデザインが特徴です。

垂れ飾りやリング、ブレスレットといった製品がラインナップの中心を占めています。

装飾技法としては主にフィリグリーと呼ばれる複雑なレース状の刻み彫りを用いており、繊細さと奥行きある表現が魅力といえます。

ヴィンテージ調はもちろん、モダンで洗練されたデザインも豊富にそろえているのが強みで、幅広い年代やスタイルの女性に人気があります。

ついでにケルトについても調べてみると

ケルト族は、古代および中世のヨーロッパに広く分布していました。彼らの領域には現代のイギリス、アイルランド、フランス、スペイン、ポルトガル、ベルギー、スイス、オーストリア、ドイツ、イタリアなどが含まれます。

・自然を崇拝し、森林、木、動物等を神聖視していました。これはゲルマン族等の他部族とは対照的です。

・太陽や月などの天体を神として祀る太陽崇拝も特徴的でした。

・詩や歌による歴史伝承を重視する一方、文字記録はあまり発達しませんでした。

・装身具や武器、日用品にきわめて美意識溢れる精巧な意匠を施す傾向が強く、金属工芸が発達しました。

・女性も社会的地位が高く、戦場で活躍した女戦士も存在したとされます。

このように自然崇拝、精巧な意匠性、女性の高い地位等がケルト文化の特色であり、他の北欧系やスラブ系の部族とは一線を画すものでした。

実際のところ謎が多いらしく、その謎の多さ、自然崇拝、文字記録の未発達といった部分が自分の中でなんとなくピンと来たんですよね。

あとは何よりこの装飾ですよね。

シルバーとの調和が素晴らしく、特に側面の雰囲気と相まっての存在感が良い。9号と小ぶりなサイズにも拘らず、これだけの存在感があって、彫刻的美しさも兼ね備えているところにも魅力を感じたんですよね。

付けてみると目立ちはするけど、悪目立ちしないバランスも良きです。

良い買い物でした。

では。

CLベスト8でバイエルン相手に意地のドロー『アーセナルvsバイエルン』~CLベスト8 1st leg編~

やはりベスト8ともなると気迫が違う。

「CLベスト8でバイエルン相手に意地のドロー『アーセナルvsバイエルン』~CLベスト8 1st leg編~」

12分、ホワイトよく見えてるし落ち着いてる

15分、ハヴァさんのポジショニング最高やな、ホワイト決めて欲しかった

49分、ライスの強さ

52分、サリバの判断力と上手さ

53分、ウーデマジサボらない、ノーファールで奪っちゃうし

 

58分、サカの反転上手っ

61分、サリバのプレス良いね

75分、ボックス内であれ出来るジェズス、そしてとんでもない決定力のサーモン

83分、この時間のあの追い方、ウーデ鬼

 

両者の雰囲気もですがスタジアムの雰囲気もアツ過ぎる。

正直なところ、次のアリアンツを考えると1点でも多く取りたかったですね。なんせ今シーズンのアーセナルは守備も固いですし、バイエルンサポ0人のエミレーツ。これを考えると是が非でも得点差を付けたかったというのが本音のところ。

という感じなんですが、結果を見れば最悪の展開は免れて良かったのかなと。ポジティブに捉えれば、あの状況で良く同点までもっていったなと思いましょう。そう思うことにしましょう。

とはいえラストのあのシーンはPKだった気もするんですが。

それにしても前半のこのスタッツは意外でした。

バイエルンのオンターゲット、2/2って。決定力が異常過ぎる。しかもアウェイで。

とはいえ前半の状況はそこまで悪くなかったと思うんですよね。決定力であったり、崩しの部分での若干のズレが影響しましたが、久々のCLでバイエルン相手に。

そんな前半ですが、とにかく右偏重でした。

意図したものだったんだとは思いますが、ニャブリがサカにマンマークしており、常にダブルチームで当たられていたことを考えるともう少し柔軟性を持ったバリエーションも欲しかったかなと。

とはいえウーデが適宜おりてきており、ジョルジとともにボールを引き出していたのが救いでした。

ただ、キヴィオル、マルティネッリ、ライスがほとんど機能していなかったんですよね。特に攻撃面で。

ヴィオルもそこまで悪いわけでも無かったと思いますが、こういった大一番となると少々分が悪いといいますか、気の利いたプレーがそこまで出来るキャラクターでも無いので、左でのコンビネーションにおいて、起爆剤となることは出来ていなかったように思います。

もう少し柔軟にやれるとバイエルンとしても脅威になったと思うんですけどね。

とはいえアルテタ、後半からはその辺も修正してきました。

サネにやられていたので冨安を投入して守備力上げると思ったんですが、まさかのチェンコ投入とは驚きました。

でも、それにより左右のバランスが取れてましたね。66分にサネが交代になったのも影響しているとは思いますが。

この試合は交代がキーになったというか、そこで展開が変わったというのも大きかったですよね。

まずジェズス、23分間と短い出場時間ながら、メチャクチャ躍動しておりました。

ドリブル突破3/3にビッグチャンスも1作って、地上戦も4/4ですからね。気合入りまくり。

そして何よりあのゴールチャンスクリエイトには驚かされました。滾りましたからね。雄叫び上げちゃったくらい。

狭いスペースでの上手さと、経験値、大舞台でも全く変わらない技術は素晴らしかったです。

それからトロサール。

あの得点が全てを物語っていると言っても過言じゃないほど、決定機に強い。

今までもそうですが、ホント決めてほしいところで決めてくれるし、マジで頼りになる。最高ですよ。

CLベスト8となると得点シーンもパーフェクトなものが多いですよね。サカの1点目のゴールも完璧でしたよ。

あれはサカじゃないと決められないと思うほどのシュート。

いやぁ痺れました。

そういえばパーティがあまり試合に入れていなかったのが気がかりでした。怪我前のあの頼りになる感じはどこへいったのか。単なる感覚的なものなのであれば試合に出ることで取り戻せるとは思うんですが。

それにしてもウーデは相変わらずこんな試合でも超人でした。

攻撃にしろ守備にしろとにかく強度が落ちず、仕事量も多い中、マジで頼りになるキャプテン。次節も期待したい。

とまあ最悪は免れた試合となりましたので次のアリアンツ。是非期待したいところです。

では。

【IMAX推奨】『DUNE/デューン 砂の惑星 PART2』:圧倒的な映像美を堪能せよ!

「【IMAX推奨】『DUNE/デューン 砂の惑星 PART2』:圧倒的な映像美を堪能せよ!」

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「メッセージ」「ブレードランナー2049」のドゥニ・ビルヌーブ監督がフランク・ハーバートSF小説を映画化し、第94回アカデミー賞で6部門に輝いたSFアドベンチャー大作「DUNE デューン 砂の惑星」の続編。

その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールは、ついに反撃の狼煙を上げる。砂漠の民フレメンのチャニと心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサがデューンの新たな支配者として送り込まれてくる。

ティモシー・シャラメゼンデイヤレベッカ・ファーガソンら前作のキャストに加え、「エルヴィス」のオースティン・バトラー、「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」のレア・セドゥが新たに参加。

まさかこんなにハマるとは。

普段であれば鑑賞後すぐにブログを書くんですが、この作品は納得するまで書きたくなかったんですよね。

別にブログ自体にそこまでのクオリティを求めているわけじゃないんですが、書いたら一旦消化してしまう気がして、ただただその余韻に長く浸っていたかった。

ちなみにこれを機にパート1も何度か観返していて、それにより当初よりはるかに評価は上がっていたんです。ただ、それでもダントツに2の方が面白い。

まあ1自体が準備段階というか序章、物語がほとんど始まってすらいないですからね。

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結局現時点で4回の鑑賞。まだまだ行ければ行きたいわけですが、それほどに圧倒的な世界観と映画体験でした。

そんな本作、色々な所でIMAXが推奨されているわけですが、これは冗談じゃなく本当に激推奨。

これまでもIMAXでの鑑賞は何度もしてきたわけですが、本作以上にIMAXを堪能できた作品はありませんでした。

何度もいいますがそれくらい圧倒的。

逆に言えばこれを家で観た時、どれくらい印象が変わってきてしまうのか。それも改めて確認したいところではありますよね。

ちなみにパート1に関して言えばIMAXを10点としたとき、ドルビー8.5、通常映画館6、家4.5。それくらいの肌感覚。

そんなIMAX向きな作品なんですが、何がそんなに向いているのかと言うと、ざっくり3点。

まず、縦の構図を存分に利用しているということ。

一般的なシネスコサイズが2.35:1に対して、IMAXは最大で1.43:1の画角にまで拡張するんですよ。これは一般のスクリーンに比べて約40%も広い。

特に縦の比率拡張が半端じゃなく、体感すると、ここまで縦が意識されているのかと驚かされるほど。

そうした効果が存分に発揮された画作りで構成されているのが本作というわけ。

見下されている感じや見上げている感じ、引きでの深さや高さを感じる構図もそうですし、サンドワームが出てきた時の圧倒的なサイズ感も圧巻でした。

それから画面の迫力を引き出すロングとクローズを使い分けたカメラワーク。

これも驚かされたんですが、今までのIMAXってロングショットやアクション的な迫力だけが違いとして出てくると思っていたんですよ。

それがクローズアップでもここまで差を感じることができてしまうとは。

微細な表情や気迫に満ちた表情。存在感増々でのそれと、ロングショットを巧みに組み合わせた表現というのは共に相互関係にあって、素晴らしく官能的でエモーショナル。

どっちも良いってことはつまり最高じゃないですか。画面上が常に最高な構図や画作りに満ちていて、恍惚感に溢れているんですよ。

個人的にはチャニの表情や、ポールの表情が様々な感情を感じさせ魅力的でしたし、二人が砂漠を背景に座っているショットなんかはサウンドも相まり、美しすぎて惚れ惚れしたほど。

そして最後が音響面。

12chサウンドシステムを採用していて、とにかく低音、効いてます。

まるでライブにでも来ているかのような臨場感と、震えるようなスリリングさ。

サンパーで煽られるのはサンドワームだけでなく、観ているこちらも煽られている気がするのは間違いなく、リズミカルな低音のループの効果もあるからでしょう。

音楽を手掛けているのはハンス・ジマー。監督同様、DUNEの大ファンらしく、そのこだわりっぷりや世界観の演出に、これでもかというくらいの意気込みで挑んでいることがひしひしと伝わってくるサウンド演出。

この”低音感”っていうのは絶対に家では体験不可能ですからね。防音室に最高の音響機材を揃えれば不可能では無いかも知れませんが、常人にはとても用意できないですからね。

つまり家での体験は事実上不可能。

通常のスクリーンで観ても物足りなく、IMAXを10とするならば、通常は5と、半減してしまうほどの差がある感覚でした。

前作に比べると、2の方が家で観た時の劣化が激しそうですね。それくらいに圧倒的映画館仕様。

そして、その他の部分も凄かった。

まず、フェイドの生誕イベントでのモノクロ演出ですよね。

確かカメラはREDを使用して、黒い太陽のジエディ・プライムを表現したようなんですよ。

このモノクロも凄い。単なるモノクロでなく、白を極端に飛ばしてハイキーにすることで独特な白すぎる白という特異な色彩に映すという演出がバチくそにハマっている。

花火的な祝砲もドゥニ・ヴィルヌーヴ作品、「メッセージ」を思わせる、墨のような独特なもので、これが奇妙で美しいんですよ。

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とにかくいちいち設定と作り込みが素晴らしいのなんのって。

そーいえば、個人的にツボだったのが見れば見るほど、ハルコンネン家の人物たちが魅力的に見えてくるというところもありましたね。

特にウラディミールですよね。

前作の毒ガスの時に隅っこで浮いていたり、黒風呂に入っていた時のコミカルさもさることながら、本作では更に色々とブラッシュアップ。

黒風呂もそうですが、ラッバーンが部屋に入る前のシーンもそう。女性の奇声がして、入ってみると何があったのか全くわからないけど、何事も無かったかのように入浴中というシュールさ。

フェイドの生誕祭での「Happy birthday・・・」という時の何とも言えない表情もそう。

あとは生誕祭終わりでのフェイドに対する皇帝の座も夢じゃない的な話の最後に言う「フェイド・ラウサ・ハルコンネン」の時のドヤ顔もですよ。

極めつけは終盤のシーン、殺される前でも皇帝の玉座に座りたいとする執念の階段這い上がりっぷりもなんか憎めないんですよね。

どれもが何か愛嬌を感じてしまう滑稽さを秘めているというかコミカルに見えてしまうんですよ。

別にハルコンネン家、好きじゃないんですけど憎めないんですよね。作品の表現上。原作ではそんな気は一切しないんですけどね。

それからテーマ的な部分を考えると、相変わらず「支配的」な構造はあったなと。

結局人は見えている世界の上位概念に支配され、その上位概念でさえさらに上の概念に支配されているような構図。

自分たちが生きている世界でも、主観が変わればその視点も変わるわけで、会社なんかでも新入社員、中堅社員、役付け社員、役員、社長、などと視点が変われば今まで見えていた世界と変わらないはずなのに見え方だけが変わっていきますし、感じ方も変わってしまう。

つまり「立場変われば・・・」ということなんですよね。

それからこの話、パート1だけみるとポールの英雄譚のような成り上がり物に見えるかと思うんですが、実際のところむしろ逆で、反英雄譚的な話なんですよね。

搾取される側から搾取する側になる、力無きものが力を持った時にどうなっていくのか。ということを考えた時、絶対に今までの気持ちを持っていられるかという切実な部分があるわけです。

その意味で原作とは異なりますが、チャニの視点というのはそれに対するアンチテーゼなわけで、パート3でそれがどういった描かれ方がするのか、非常に楽しみなところではあります。

とまあ細かいところを挙げるときりが無く、永遠に語れてしまうのであれなんですが、備忘録的につらつらと印象深かったところを書いて終わりにしたいと思います。

それでは。是非劇場で鑑賞ください。できればIMAXで。

 

・序盤のハルコンネン部隊が無重力装置で上昇していく浮遊感、逆に落ちていく重力感の対比

・フレメンの恋をすると青いものを身につけるという設定、その表現過程

・冒頭の山積みの人を焼き払うシーン(ハルコンネンがアトレイデスを)を終盤の同シーンで別の視点から(アトレイデスがハルコンネンを)という構造

・ベネゲセリットの企みも教母からジェシカ、対してラストでは「付く側を間違えましたね」というジェシカのセリフにより反転する構図

・皇帝の「心で民を掌握したかった」でもそれは不可能だった。というところからの、じゃあ力で制するしか無いでしょという行いの報いをポールから受ける構造

・サンドワームあんな苦労して乗ったのにフレメンはみんなあんな簡単に乗れるの?というくらい、サンドワームの上部で団らんみたくなっている移動シーンの謎

・核は人に使用してはいけないということで、砂山に放つが、確実にその核の影響出るでしょと思う場面

・ポールが覚醒し、南に移動したところからのダークサイドに落ちたなと思える、それまでの白を強調した画作りから黒を基調とした画作りへの転換

原理主義の巣窟だからポールが南に行くのを渋った気持ちがわかると言いつつ、結果的に南に行くべきよと言い放つ。その結果瀕死になり、蘇ってのビンタって一体どゆこと

映像・音楽・脚本が織りなす全天候型クライムライドムービー『ボーダーライン』

DUNE祭りが未だ継続中なんですが、それに伴いドゥニ作品で観てなかったものも観返していこうかと思いまして。

そんなわけで今回は

「映像・音楽・脚本が織りなす全天候型クライムライドムービー『ボーダーライン』」

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プリズナーズ」「灼熱の魂」のドゥニ・ビルヌーブ監督が、「イントゥ・ザ・ウッズ」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラントを主演に迎え、アメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬戦争の現実を、リアルに描いたクライムアクション。

巨大化するメキシコの麻薬カルテルを殲滅するため、米国防総省の特別部隊にリクルートされたエリートFBI捜査官ケイトは、謎のコロンビア人とともにアメリカとメキシコの国境付近を拠点とする麻薬組織撲滅の極秘作戦に参加する。しかし、仲間の動きさえも把握できない常軌を逸した作戦内容や、人の命が簡単に失われていく現場に直面し、ケイトの中で善と悪の境界が揺らいでいく。

共演にベニチオ・デル・トロジョシュ・ブローリン

まずなんですが、正直こんなソリッドな映画だとは思いませんでした。

ドゥニ作品と言えばのクールで、冷めた視点であったり、構造的な支配性、終始熱の入らないドライな展開といったものは大方予想していたんですが、それ以上に破壊的で、ドラスティック。

なんせ冒頭から痺れる展開の連続ですからね。

一方で、あんな冷めた感じなのにあの緊迫感は凄まじいですよ。この時点で先に待ち受けるエグい展開が予想できるほど、とにかく気の抜けない完璧な画作り。

メイサーという主人公的な女性の主観的な視点で物語が進行していくんですが、ラストまで、彼女自身も困惑し、わけのわかっていない感じ。同時に、観ているこちら側も似たような感覚を抱いていくような不思議な主観構成になっておりました。

この辺がまた面白く、どこに連れていかれて、何が起きるのかわからないという臨場感があり、半端無く恐ろしいんですよね。

描かれている、麻薬戦争的な様相なのは何となく知っていますし、舞台となるメキシコの状況も、ある程度はわかっているわけですよ。

それなのに先行きが見えず怖すぎる展開の連続。

まあ、どこに連れていかれ、何が起きるかわからないといっても、要所要所でベニチオ・デル・トロ演じるアレハンドロがにおわせ発言をしてくれるので、会話に注意していればなんとなくの予想は付くわけですよ。

ただ、それでも全貌が見えない事柄であることに変わりなく、マジで危険な雰囲気だけが漂っているんですよね。

そんなベニチオ・デル・トロですがこの役、ハマり過ぎじゃないですか。プエルトリコ出身ということもそうですが、世界観、脚本把握力、それを芝居に生かす存在感が抜群に良い。

怪演にして最上級な配役だったんじゃないでしょうか。

映像や音楽に関しても最高で、まず、撮影のロジャー・ディーキンス

あの緊迫感を煽る主観ショット、素晴らしかったですね。寒々しいほどにドライな視点というのも、あのカメラワークあればこそ。

写実的でないはずなのにそう見えてしまうようなショットが多いんですよ。

なんでそう見えるのか、おそらく主観的なショットであっても、客観的なショットと言えるくらい極めて無機質なショットに徹しており、随所にその要素が見えるからこそ、そのように見えるのかなと。

それから超絶俯瞰の抽象画的なショットですよね。

これも、引くことで映像を模様のように映し出し、得体のしれない抽象性が増すという効果。マーブル状の流動的な画にも見え、これも独特な感覚で良かったですね。

それから音楽。

ヨハン・ヨハンソンとの相性もまさかここまで良いとは思いませんでした。

クールな画作りに不穏なサウンド、決して大きな音で演出するわけでなく、あくまでも静的で煽ってくる感じ。

あの禍々しさこそがヨハン・ヨハンソンだったというのは鑑賞後に知ったので、それを知れば、ドゥニと相性良いはずですよ。

そういえばではありますが個人的にこの作品においてはS ・クレイグ・ザラー作品にも通じるところがあるなと、終始感じていたんですよね。

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静的で暴力的。あの監督作品も容赦ないところが好きなんですが、この作品にもその要素が多分にありました。

この作品が好きなら絶対好きな監督かつ作品揃いだと思うので是非。

本作を観て、戦争映画とも違う、人間が抱える闇の部分、リアルに横たわる現実みたいなものを主観的に見せられ、あくまでもライドして乗っかっていく形。

そうした”体験できる映画”という極めて怖くもあり、興味深くもある良作だった気がします。

なぜ劇場で観なかったのか。それくらいあの怖い体験を映画館で味わいたかったと思ってしまう作品でもありました。

余談ですが、剛腕に見え、甘えを許さないアレハンドロでしたが、冒頭で手が震えていたのが印象的で、結局のところ、誰しもがあの状況を当たり前に過ごしているわけではないということも思った部分ではありました。

個人的にこのシーンがずっと頭から離れなかったのでいちようですが。

それでは。

進化が止まらないハヴァーツ、驚異の成長を証明中!『アーセナルvsブライトン』

「進化が止まらないハヴァーツ、驚異の成長を証明中!『アーセナルvsブライトン』」Arsenal (@Arsenal) / X

17分、ジェズスのあの狭い所でのバックスピンかけたパス出せるとこよ

22分、ライス3人来ても失わないからな

30分、ラヤあそこ狙うとは

30分、ジェズスのビタ止めのトラップ力

48分、自陣ボックス内であのプレーできるサリバ上手すぎだわ

 

47分、ハヴァさんあんなクロスも上げれるんか

52分、ジョルジあそこ潰せるのは良い

79分、ウーデのターンからのあのプレーの精度凄っ

85分、こういうの決めれるのがとろサーモンなのよ

これまた素晴らしい試合でしたよ。

前節でターンオーバーしたとはいえ、それでもこの連戦で強度が落ちない。それ自体がチームの自力を上げたなと思うわけです。

結果だけ見れば3-0ですが、ブライトンのサッカー全然悪くなかったですからね。むしろここ数試合の中では割とピンチを感じるような崩しが多かったと思っているくらい。

ショートカウンターや巧みにポジションをズラした攻撃がソリッドでしたよね。

最近のアーセナルはビルドアップにしてもズレを作り、プレスきつめでもすんなり剥がす印象だったんですが、この試合では裏をかかれたり、嵌め込まれたりと、中々に苦労しているシーンも散見されましたからね。

とはいえですよ、それでも今のアーセナルは勝ち切れるわけですよ。

全体感としては苦しむ場面もありつつも、針の穴を通すような攻撃を続け、ミスを誘発し、こじ開ける。

PKから勢いに乗ったのもあると思いますが、こういう得点からエンジンかかることもありますからね。

あのジェズスのプレーはトラップから始まり、見事としか言いようがないものでした。

でもこの試合、得点も素晴らしかったですが、ハヴァさんの成長が止まらないんですよね。元々持っているものは良いわけなんですが、それがここまでフィットしてくるとは思いませんでしたよ。

相変わらずデュエルの部分が突出してますし、これはどの試合でも中々高い数字毎回出しているんですよね。

この試合、キーパスも4と両チーム最多ですし。

ポジション分布も広く浅く、顔を出すタイミングや決定機を創出するというところに居合わせる能力値が高いなと。

アルテタにもまだまだやれると言われているように、実際得点にもっと絡む場面が増えたらと思うと、期待しかない状況ですね。

あと、相変わらずトロサールの仕事力にも驚かされますよね。

プレー時間26分でタッチ数14回にも関わらず1ゴール決めてますし、キーパスも1、オンターゲットも2ですからね。

何しろこの得点が綺麗すぎました。抜かり無きプレーで、ただの最高ですからね。

伝家の宝刀的な、アルテタの懐刀になっており、困ったら彼が解決に導いてくれるような期待感ある選手なんですよね。

その選手がMOMだったと偏らず、全員が素晴らしいプレーをするチームになったというのが今季のアーセナルの強みなのはこの試合でも再認識させてもらいました。

また数日後にはCLのバイエルン戦。とりあえずエミレーツで数点決め、余力と安心感を持てたら最高な展開が待っている気がします。

では。