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トマホーク ガンマンvs食人族

容赦なき西部劇。

『トマホーク ガンマンvs食人族』

ヘイトフル・エイト」のカート・ラッセルが主演を務め、食人族に連れ去られた人々を救うべく立ち上がった4人のガンマンの戦いを描いた西部劇アクションスリラー。アメリカの荒野にある田舎町で、複数の住人が忽然と姿を消した。さらに空き家の納屋で、惨殺された男性の遺体が発見される。現場の遺留品や遺体の状態から、犯人は食人族として恐れられている原住民であることが判明。保安官のハントら4人の男たちは拉致された人々を助けるため、足跡をたどって荒野を進んで行くが……。共演に「ウォッチメン」のパトリック・ウィルソン、テレビドラマ「LOST」のマシュー・フォックス、「扉をたたく人」のリチャード・ジェンキンス。「ザ・インシデント」の脚本を手掛けたS・クレイグ・ザラーがメガホンをとった。

これまた驚愕でした。

まず西部劇アクションスリラーって。ジャンルからして規格外。

やはりS・クレイグ・ザラー監督は暴力の伝道師で間違いないかと。相変わらずの邦題でどれだけB級な作品なのかと思って観たんですが、良い意味でのB級さ。

そして安定の単調な時間。この単調さと切れ味鋭い暴力描写が本当にツボで、観ていて常に緊張感が持続する。

いつ何が起きてもおかしくない。そんな予兆を常に含ませている唐突な演出、脚本に中毒性があるような気がします。

初期作からこんなにエッジの効いた作品を作り出し、従来の西部劇に独自の感性を盛り込むあたり、さすがです。

主演がカートラッセルというのも絶妙な配役で、彼自身の無骨で、オリジナリティある存在感も作品の質に独特な雰囲気を付与しているように思います。まあタランティーノ映画の常連ですし、それ故に会話劇はお手の物なわけでして。

物語の展開としては若干突拍子も無い部分もあるものの、ほとんどシンプルな西部開拓時代もの。

やられたらやり返す精神で、それぞれの正義を振りかざし、あくまでも生きるため、義を貫くために争います。

そこは良いとして、それの語り口と起きうる事象の唐突かつ過激すぎる演出に面食らいます。

道中で繰り広げられるタランティーノとも違う、自然なんだけど、それ故に笑えるような会話的展開を楽しみつつ、過激な暴力を堪能する。どんな暴力かは見たら一瞬で理解できるような残酷なものですし、原住民が襲い掛かってくる最初のフェーズは狂気的な恐怖といいますか、生理的な恐怖を抱く気すらします。

今公開されているS・クレイグ・ザラー監督作、3作品を観てきましたが、本当に独特のテンポ間と暴力が心地よいこと。その作家性にハマれるならば、確実に名作入りする監督だと思うので是非楽しんでほしいものです。

とりあえず旧作を観つつ、次作を心待ちにしたいと思います。

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