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前半の圧倒力と後半の変化の真相はいかに『アーセナルvsルートン・タウン』

「前半の圧倒力と後半の変化の真相はいかに『アーセナルvsルートン・タウン』」

7分、やっぱホワイトわかってるな、上がるタイミング

9分、マガリャンも対応力上がってるな

12分、ウーデの守備からの展開なんや、凄っ

15分、トーマス縦の意識いいね

19分、とろサーモンの切り返し鋭いわ

23分、いいよ、スミロウの潰し、からの見事なゴールへ

26分、今日はいつも以上にアグレッシブだなスミロウ

40分、マガリャンも確実に落ち着き増してるな

43分、スミロウとネルソンの連携力高いな、パス出すタイミングもバッチリや

47分、トーマスのこういう強引なプレー嫌いじゃない


56分、ハヴァさんも今日は一味違うな

 

シティ戦が終わったと思えばすぐまた試合。さらに今週はもう一試合あるとは・・・。プレミアは相変わらずタフですよね。

そんな中でのルートン戦でしたが、結構いじってきました。

アルテタはあまりスタメンを変えない印象だったので、割と大胆なスタメン変更。スミロウ、パーティ、ネルソンに久々のチェンコ。しかもその選手たちが躍動するという意外な収穫も多かった気がしますね。

まず、スミロウがスタッツ以上に良かったんですよ。特に前半戦。

ポジションの取り方が絶妙かつ的確で、ボールに対してもいつも以上にアグレッシブ。

他の選手との連携で若干合わない部分もありましたが、それは実際に試合に出ていないと掴めないところもありますからね。

ボックス内でのボール捌きなんかも惜しいシーンが多かったですし、シュートチャンスも決めきれたらなお良かったんですけどね。

とはいえ久々の先発にしては上々じゃないでしょうか。

これがビッグ6相手であったり、CLなんかでも出来るようになると非常に心強いなと。

そして、ネルソンとパーティも思った以上。

ネルソンは試合勘、パーティはコンディションが完璧になればそれこそ悪くないパフォーマンスを発揮出来るんじゃないですしょうか。

ネルソンはスミロウとの連携も取れていましたし、サカも加わればアカデミーからの良き連携が見られる気もしますし。

気になったのが、前後半の攻撃力の変化。

緩急を考えると意図的な後半のクールダウンだったんでしょうか。得点差もありましたし、それならば納得ではあったんですが、ただの失速となると原因はルートンの修正によるものなのかどうなのか。

前半はシュート数11ですしポゼッションも63%と押し気味で、ゲームコントロール自体も押し込みも上手く噛み合っておりました。

それが後半となるとポゼッションは拮抗してますし、シュート数も激減ですからね。

これがゲームコントロールだとしたらアルテタの凄いところですよ。これは。

ですが、違うとなると、気になるところではあります。

とはいえ怯み無きルートンに対してのこの勝ちゲーム。これはこれで収穫もありましたし、何より、スミロウの活躍を見たいという欲求もあるわけです。

週末のスタメンもどうなるのか。

楽しみなところです。

では。

頭脳戦の極み!『アーセナルvsマンチェスター・シティ』

シティと戦うと毎回頭脳戦になり、ヒリヒリするけどアガりはしない展開が続きますね。

「頭脳戦の極み!『アーセナルvsマンチェスター・シティ』」William Saliba and Jorginho make Arsenal feelings clear after Man City  complaints - football.london

11分、ライスのカバー良し

30分、ホワイト上がるタイミングも良いしクロスもよく見えて精度高し

44分、ほぼライス一人での無双守備、さすがです

 

50分、ウーデのスルーまでは完璧。ハヴァさん惜しい

93分、やはりトミーは対人強し

94分、こういう所で取られないライスの強さ大事

 

それにしても今回はかなりベタ引きで挑みましたよね。

実際にこの通り、完全に圧倒された形となりました。

でも、試合展開自体は意外に拮抗したもので、むしろアーセナルはよくあの固い守備を維持できたなと。

シティのポゼッション73%でオンターゲット1に抑えたわけですからね。

ただ、もうちょっと白熱したかったというのが本音です。

なんせこのカードですからね。

とはいえ改めてではあるんですが、サリバの凄さを認識させられました。

守備面においての存在感が素晴らしかった。ケアの部分であったり、読みであったり。

最近このカードになるとハーランドがマガリャン側に寄っていくんですが、その気持もわかりますよ。そりゃ。

それでもマガリャンも全然悪くなく、何度やりあっていたことか。なんならこの試合の醍醐味そこだったと言っても過言じゃないですから。

それと相変わらずホワイトの万能っぷりがこの試合でも出ていたわけですよ。

守備だけならあれですが、攻撃時の気の利きようったらないわけで、後半からシティのウイング生かした戦術に変わってからもそれも良く対応し、地味に良く機能していました。

絶対サッカーIQ抜群だと思うんですよね。

その意味でいうと、敵ながらデブルイネ、ロドリ、ベルナルド、この三人はヤバかった。

特にデブルイネ。

存在感がもう”王”なんですよ。

以前にもまして威圧感もあり、ワンプレーワンプレーが見応えしかない危機感。

こっちからしたら恐怖ですよ。

それになんかあのオールバックカッコいいですし。

中盤で言うとライスとロドリの影の功労者合戦も面白かったですかね。

両チームともを裏で糸引いている二人の影の存在感。

別に試合での目立っているんですけど、それ以上に見えない気遣いであったり、気の利き方があればこそのチーム全体における安定感。中々でした。

それから怪我から戻ってきたことで、交代選手の層も厚くなったのはこれから非常に心強い限り。

パーティもこの試合ではある程度調子戻ってきてたようですし、冨安もドク相手に良く対応出来ていました。攻撃時もタイミングとポジショニング良かったですし。

とまあ痛み分けになった試合ではありましたが、エティハドでこれならいちよ良しとしましょう。

では。

リンチの真の意図を探りたくもなる!リンチ版『デューン 砂の惑星』

「リンチの真の意図を探りたくもなる!リンチ版『デューン 砂の惑星』」

カルトの帝王リンチでも大失敗した呪われた映画『デューン/砂の惑星』、リメイクの行方は? - ナゾロジー


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映像化不可能と言われたフランク・ハーバートによる大河SF小説を、「エレファント・マン」で成功をおさめたデビッド・リンチの監督・脚本で映画化。「デューン」と呼ばれる、砂に覆われた惑星アラキスを舞台に繰り広げられる勢力争いを、壮大なスケールで描く。

時は1万191年。宇宙を支配する皇帝シャッダム4世は、自身の地位を脅かす救世主の出現を恐れていた。宇宙移動に欠かせない貴重な資源である「メランジ」と呼ばれるスパイスが採取できる、砂の惑星アラキスには、皇帝のいとこであるアトレイデス公爵の一家が暮らしていたが、同家の息子ポールこそが救世主と判明し、皇帝は公爵の敵であるハルコネン男爵と手を組み、アトレイデスの失脚を図る。公爵は自害に追い込まれ、母ジェシカとともに砂漠に逃れたポールは、アラキスの原住民であるフレーメンと合流し、皇帝とハルコネン男爵の軍に挑んでいく。

「エル・トポ」のアレハンドロ・ホドロフスキーも映画化を進めていたが実現には至らなかった作品を、鬼才デビッド・リンチが独自の映像美学で映画化。しかし、最終的な編集権がスタジオ側にあり、意図しない編集などが施されたことから、リンチ監督にとっては不本意な作品になったという逸話でも知られる。主演は、本作の後にテレビシリーズ「ツイン・ピークス」でもリンチ監督とタッグを組み、同作のデイル・クーパー役でブレイクするカイル・マクラクラン。後にテレビ放映用にナレーションと未公開シーンを加えた長尺版「デューン スーパープレミアム 砂の惑星・特別篇」も発表された。1985年の日本初公開時の邦題は「砂の惑星」。2024年、4Kリマスター版でリバイバル公開。

触手が伸びなかったのもあるんですが、ようやく機は熟しました。

というのも絶賛DUNEにドはまり中でして、その流れで絶対に通りたいと思っていたのが本作、『リンチ版 デューン 砂の惑星』。

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ホドロフスキーのドキュメンタリー作は気になり、DUNE part1公開時に見ていたわけですがこちらはそこまで触手が伸びず。

ちなみにホドロフスキーの作品はおもろいです。

こんな愛嬌あるオヤジだったのかと思いますし、DUNE自体の構想もかなり興味深い限りで。

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話が逸れましたが、デヴィッド・リンチ自体は好きな監督ですし、リンチの世界観っていうのは唯一無二なわけで、そのリンチとDUNEとハーモニーが悪いわけはない。とも思うわけです。

ですが何分時代もそうですし、技術的な部分も考えると致し方ないところもあるのかなというのが正直な感想。

なんせ1984年制作ですから。

ということで予想通りというか、逆説的に、数十年で技術の進化がここまで進んだのかと驚かされました。

リンチ自身も言っているんですが、この作品、わりと失敗作として語られることが多いんですよ。

それもなんとなく言わんとしていることはわかります。でも、今にして思えばよくやったなというところもあるわけですよ。

全体を通しての詰め込み感、表現の上でのチープさなんかは当然ありますよ。ただ、リンチの作家性は存分に顔を出していて、DUNEの中でもグロテスクさでいうと確実にトップクラスでしょうね。カオスさもリンチらしい仕上がりなのかと。

特にハルコンネン家の気持ち悪さ、不気味さは秀逸で、見ているのが嫌になってくるほど禍々しい。

佇まいももちろんなんですが、話しているところや食べているところ、とにかく存在自体がマジで気持ち悪い。なんか常に濡れたような質感もありますし。こういう表現は当初から抜群だったんだなと。

あとはギルド航宙士ですよね。

登場したとき、どういうことになってるんだよ。と思いましたし。いちよは人が原型であって、そこからスパイスによる進化で異型のものになっているとは知っていましたが、それでも気持ち悪すぎる。

これも確実にリンチならではですよね。

あと、今だからですが、チープで面白く見れる部分もあるのかと。

最たるものがシールド表現。

急にあれ見せられたらバグったのかと思いますから。ほんとに。シールド使用者同士の戦闘なんて画面を占めるポリゴン表現が邪魔してよくわからないことになっていますし。

でもなんか微笑ましい。

それからモジュールですよね。

あの存在は何だったのか。

開発意図も使い方も、なんならあの掛け声的なのもなんなのか。

説明がなくともわかるものは数有れど、ものはわかるけど、本質的に理解できないという謎な存在感。無駄しか無いと思ってしまいますし、強さや重要性を微塵も感じさせないという極めてレアな産物かと。

この武器なくしてリンチ版DUNEでは勝利は無かったわけですが、全くもってダサすぎて謎。逆に今では忘れられない武器になっているわけですが。人の興味や記憶は一体どうなっているのかと自分でも思わさされます。

そして何と言っても、サンドワームが怖くないんですよ。

デカさだけは認めるものの、あれが登場しても不思議なほどに恐怖心が沸かない。CG効果やエフェクトが無かった時代というのもあるかとは思うんですが、それにしても造形含め怖さを感じないのが不思議なんですよね。

原作でのセリフも多々登場しますし、表現としてのそれも出てくるんですが、やはり全てを詰め込みすぎましたね。これは配給側であったりといった色々な背景があったんだと思いますが、それにしても。

詰め込みすぎた割にそこ削るのかといった部分も多かったのかなと。

スパイスに関してもあまりフォーカスはされませんでしたし、乗り物や機器のディティール、建物の印象も薄い。オタク的な作品なんですが、そうしたオタク心をくすぐるディティールの部分が物足りなかったかなと。

まぁ、リンチの作家性を考えると、そうしたことよりも人物や内面にフォーカスするというのはわからなくも無いので、そう考えると仕方が無い部分だったのかも知れませんが。

とはいえ、今の技術でリンチの好きな形でDUNEを作成したらどうなったのかというのは逆に興味深く思えるところではありましたね。

書き忘れましたがストーリー的な部分はDUNEの知識無しでは全く理解できないと言っても過言じゃないかと。

ただ、その他の作品や原作などで補完してから見るとまた違った楽しみ方ができる作品なのかなとは思います。

こんなこともあったというのを知るのはDUNE熱のある今だからこそ。

DUNEに興味を持った方は一見してみるのも良いかも知れません。

では。

『青春の光と影』―『ストロボライト』が浮かび上がらせる、時間の美しさに魅了される

「『青春の光と影』―『ストロボライト』が浮かび上がらせる、時間の美しさに魅了される」

君が好きになったのは、――本当に<私>?

気鋭・青山景、待望の最新作

だから書かなくてはならない。

知るために。

夜行列車で'過去'を書き続ける小説家・浜崎正。大学時代に出会った<町田ミカ>は、映画のヒロイン・桐島すみれにそっくりで……。現実なのか、夢なのか。『CONTINUE』での連載を経て、遂に待望の単行本化。交錯する過去と現在・夜行列車が向かうのは、どんな未来か。

とにかく表紙のインパクト大な描写に惹かれたわけですが、もうお亡くなりになられていたんですね。

本作を読むまで知らなかったんですが、非常に興味深い描写をする方だったので、新作が読めず残念でなりません。

話は逸れましたが、幻想を抱くことって誰しもあると思うんですよ。本作はそんな夢と現実の狭間のような物語。

とはいえ、内容的には青春時代の甘酸っぱいようなお話ですし、全然こ難しさとかも無いんですよ。

ただし、読んでいくうちに段々と迷宮に迷い込んでいるような、そんな不思議な感覚に陥っていきます。

この構成が面白くて、今まであまり出会ってこなかった類の展開だなと。

過去、現在、未来という時間軸の切り取り方、描き方、あくまでも物語に比重を置きつつ、要所要所に時間というものを散りばめていく。

一般の線は繋がっていくのに、虫眼鏡で見ると意外に真っ直ぐでは無いぞと思わされるところに面白さがあるのかもしれないですね。

コマ割りの仕方も独特で、割り方なのか、構造上なのかわからないんですが、非常に映画的な趣を感じるんですよね。全編にわたって。

描写力というのもそれには影響していると思うんですが、繊細なタッチと、振り幅のある表現力。前者に関してはもう、見れば明らかなところですが、これ見よがしに描き込まれているというより、部分部分でハッとさせられる類のもの。これが美しくも儚いんですよ。

後者の部分としては、陽的な表現が続く中での淡い、瑞々しさに浸っていると、徐々にジンワリと染みるよう、予感が迫ってくる陰の雰囲気が漂ってくる。

この使い分け、表現の仕方が見事なんですよ。

あからさまじゃ無いというところが何よりのポイントですよね。感じさせるという程度の加減が。

物語の部分も、案外盲点なんですよ。

展開的には映画やら小説やらを読んでればある程度見当はつきそうなものではあるわけです。

なんですが、この考えはある意味で斬新だなと、そこの部分も驚かされましたね。

とにかく時間という概念を軸にしつつ、物語は至ってピュアな青春恋愛模様という、奇妙な世界観を堪能できる一作でした。

では。

『女王陛下のお気に入り』:豪華絢爛な宮廷の舞台裏!魅力的な女性たちの激動のドラマ!

「『女王陛下のお気に入り』:豪華絢爛な宮廷の舞台裏!魅力的な女性たちの激動のドラマ!」

ポスター画像


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「ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」で注目を集めるギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、18世紀イングランドの王室を舞台に、女王と彼女に仕える2人の女性の入り乱れる愛憎を描いた人間ドラマ。

2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で審査員グランプリを受賞し、女王アンを演じたオリビア・コールマンも女優賞を受賞。第91回アカデミー賞でも作品賞を含む9部門10ノミネートを受け、コールマンが主演女優賞を受賞している。

18世紀初頭、フランスとの戦争下にあるイングランド。女王アンの幼なじみレディ・サラは、病身で気まぐれな女王を動かし絶大な権力を握っていた。そんな中、没落した貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイルが宮廷に現れ、サラの働きかけもあり、アン女王の侍女として仕えることになる。サラはアビゲイル支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を狙っていた。戦争をめぐる政治的駆け引きが繰り広げられる中、女王のお気に入りになることでチャンスをつかもうとするアビゲイルだったが……。

出演はコールマンのほか、「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン、「ナイロビの蜂」のレイチェル・ワイズ、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のニコラス・ホルトほか。

今回はヨルゴス・ランティモス監督作品、「女王陛下のお気に入り

この作品は18世紀を舞台にしたお話ですね。

フランスと当時戦争していた時のイギリスを舞台にされた、何て言えばいいんですかね、女同士の争いというか覇権争いとでも言いますか。

注目すべきはまず衣装であったり美術であったりといった世界観。

映像として単純に美しく、好きな人にとってはハマるだろうし、逆にちょっとなと思う方にとってはいまいちなのかもしれないんですが、ヨルゴス・ランティモス監督作品の中では比較的見やすい作品に仕上がっているんじゃないでしょうか。

ではちょっとずつ本作の魅力を語るとして、まずその衣装。

これに関しては時代考証なんかを参考にしつつ、監督が思う、その世界観とのマッチングを考えているようで、意外に時代考証と異なる衣装選びなんかをしてるそうですねそれなので、実際とは違ってくる部分もあるみたいで。

とはいえ、その当時の豪華絢爛さみたいな部分はやっぱり全然出てるのでこの辺もまあ細かい部分まで見応えがありますし、主演のエマ・ストーンの衣装の雰囲気であったりカラーリング、この辺が変わっていくのも面白く、その変化っていうのも彼女自身の変化であったり彼女の境遇の変化だったり。

そうした表層上としての部分として、衣装に表れるというのも非常に面白い作りですよね。

それから美術。

これに関してはやはり衣装と同様、監督自身のこだわりの部分がかなり盛り込まれているようなんですが、面白いのは実際に当時使用されてたものと作り込まれたもののバランス感覚。

女王の部屋にあったものに関しては当時のものがそのまま使用されている部分もあるそうで、どこが史実で、どこが脚色なのかといったことを考えながら見るとまた面白さが変わってくるのかなと思います。

撮影に関しても面白かったですよね。

魚眼レンズだったり広角だったりっていうのを多用したりすると思うんですけど、なんとも言えない囚われ感というか、そういった空間掌握力がすごい上手いなと。

この宮廷内というか建物内部での出来事がどこかミニチュア的であって、そういう部分からあふれ出る、滑稽でもあり、ちょっと面白みもありといった雰囲気。その辺もなんかやっぱり変なんですよ。

カメラをパンした時に独特な間合いでパンしてくるので、それがまた変な印象を受けるというか、独特な空気感を纏うような、そういう効果も与えている気がします。広角レンズを使用するというのも同様な効果を感じますし。

クローズアップも効いてましたね。特に表情へのフォーカスが素晴らしい。

メインで出てくる女性3人(オリヴィア・コールマンエマ・ストーンレイチェル・ワイズ)ともかなり演技が上手く、表情で語るじゃないですけど、その空気感、雰囲気、そうしたことを表情一つで語ってしまうっていうところがこのクローズアップを使用することでより顕著に出ていましたね。

まるで観客の見ている心にダイレクトに響いてくるような。

映像効果と相まって非常に効果的だったなと思うのが暗闇の撮り方。

どうやらこれ、全て自然光で撮影していたみたいでして、要は照明を使ってないようなんですよ。暗いところはそれこそ、ろうそくなんかで火を灯している程度の光なので、暗さが際立つ。

暗がりの中で、みたいな様子が当時の時代感というかそういう部分を逆に感じられたり。

あと映画そのものが内包しているその内密さみたいな部分もその暗がりだったりそういうところから凄く発揮されてるなっていう気はするんですよね。

さっきも書いたんですけど、とにかく主演の女優たちの演技合戦が素晴らしいんですよ。

個人的にこうした女性のやり取りみたいなものは実生活の中でもかなり目にしていて、割と学生時代から女性が多い環境に身を置くことが多かったんですよね。

そんな中で日々行われるやり取りみたいなものは男性社会のそれとは違って、やっぱり女性には独特のテンポだったり空気感みたいなのがあって、その辺がこのタイトルにもある「女王陛下のお気に入り」、これ洋題だと「The favorite」となっているんですが、女同士のマウンティングっていうのは本当独特だなと。

それを見事に演じてるこの3人っていうのもやっぱりなんかそれぞれでやり方があったりそれぞれ考え方があったりと三者三様。

そういった駆け引きは男性ほど直接的な物言いだったり喧嘩みたいなやり取りでは無く、ドロドロしてるんですよ。

その時感じる感情によって左右される女性だからこその独特なやり取りに繋がってきてるんだろうなと思わされるわけです。

でも、これを表現するっていうのは非常に難しいと思うんですよね。そう考えると演者は見事なものなんですけど、それを組み込んでなお映画として落とし込む監督自身の裁量や手腕みたいなところはやっぱりこの風変わりな価値観を持った監督じゃないとできないのかなとは思います。

不穏だけど映画然とした映画体験を味わいたいならやっぱりこの監督はオススメかと。

中でもこの作品っていうのは比較的見やすい方なので、映像的にもサウンド的にも、優雅な映画体験をしたいなと思う方には是非おすすめです。

 

『アーセナルvsFCポルト』CLベスト16 2nd leg:ラヤの超絶セーブがもたらした奇跡

アーセナルvsFCポルト』CLベスト16 2nd leg:ラヤの超絶セーブがもたらした奇跡

Arsenal Scores, Stats and Highlights - ESPN

19分、セットプレーのやり取りおもろ

40分、ウーデの外してのワンプレーとそれをものにするサーモンのプレーよ

 

51分、サリバの処理の上手さ

56分、ライスのクロスええな

64分、ウーデの落ち着いたプレスバックさすが

73分、今日イチのセットプレーだったが

73分、マガリャン無双開催中

82分、ジェズス後ちょっとの際どさ

壮絶な試合になりましたね。

リーグ戦の感じを見ていると負けないかなと思ったんですが、ここまで苦しめられるとは。

ポルト強かった。

ホームゲームでボルテージも最高潮、あのLibraryと呼ばれたスタジアムの雰囲気は今は無き。

まず入りの前半なんですが、いまいちスイッチが入らなかったのか、いつものプレーと違い、なんか噛み合って無かったんですよね。

全体に言えることですが、特にCB間での連携とボール回しから感じたんですよね。

ただそれを払拭してくれたのは最後まで献身的に走り回ったキャプテン、ウーデ。からのトロサール。

それまでもウーデの鬼プレスであったり、相変わらずの魔法じみたプレーだったりも炸裂したものの、中々実らずだったんですよね。

それが遂に最高の形で、最高の舞台で決まるとは。

これ、何度見ても最高なんですが、ウーデのあのボールタッチ、見事過ぎません。そこからのニアに蹴りそうなところを、ここしかないという感じで蹴りこむトロサールの一撃。

どちらもお見事ですよ。

これが前半終了付近だったこともあり、後半からはエンジンかかるぞと思っていたんですが、案の定いつものアーセナルに戻り、距離感やビルドアップも良くなっていたんですよね。後半から。

実際ファイナルサードでのタッチも増えてますからね。

ただ、それでも追加点を決めれなかった。

もうこれはポルトの強さ、CLという経験、そうとしか言いようが無いですよ。

交代も切り辛い状況下で、ジェズスとチェンコを投入し、直後に惜しいシーンもありました。

あれはホント誤差でしたね。だけに決まってほしかった。

ウーデの幻のゴールもファールじゃないと思うんですけどね。あの感じは。

それ以降はホント押し込むものの決まらずっていう。

マルティネッリがいなかったのも大きかったんでしょうね。

攻撃が右偏重になっているのもそれが大きな要因でしょうし、相手もサカのケアに人を割いている印象でしたから。逆に言えばその穴を突いたトロサールの勝利なんですけどね。

そんな感じで試合は進み、正直PKになった時にはアーセナルの方が有利だろうなと思ったんですよ。なんせ得点源が複数あり、しかも年明けからの得点数を考えるとゴールへの感覚がある選手が多いわけでして。

それにしてもラヤのPK2セーブは驚きました。

完璧でしたからね。

なんにせよPKにしろ、勝ち切ったことにせよ、CLベスト8へ進んだことにせよ今いる選手の経験としては申し分ないことでしょう。

14年ぶりらしいですからね。ベスト8進出は。

いやぁ、燃えましたね。

そーいえば、ハヴァさんのデュエルも鬼でしたね。またしてもチームNo1ですし、何度も削られてましたよね。

よくあれで怪我しなかったなと。

ひょうひょうとしているから分かり辛いんですけど意外にタフでアグレッシブなんですよね。彼は。

では。

カルト映画制作秘話に迫るドキュメンタリー?と思ってしまうほどの完成度『ディザスター・アーティスト』

史上最大の駄作としてカルト的人気を集めた映画制作自体を映画にしてしまうという発想がまず興味深い。

「カルト映画制作秘話に迫るドキュメンタリー?と思ってしまうほどの完成度『ディザスター・アーティスト』」

映画「ディザスター・アーティスト」 - 専念寺ホームページ(神戸市)


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そんな感じで観始めたんですが、きっかけは好きな漫画家、魚豊さんのこの記事から。

brutus.jp

どんな映画なのかと思って観始めたんですが、これがまた面白いんですよ。たっだのドキュメンタリー作品に終始していない存在感。

まず映画内映画としての「ザ・ルーム」という作品が気になり過ぎる。史上最大のカルト作品ってどういう作品なのかと。

ジェームズフランコ監督作品ということもあって、より興味深かったんですけど、とにかく全てがメチャクチャな作品だなと。

もちろん、この映画自体がではなく、作中扱われている「ザ・ルーム」という映画そのものがなんですけどね。

映画ってあくまでも相対的な芸術物であって、観る人にその具体的な感想は委ねられてるじゃないですか。

でも、監督や脚本家には当然意図があるわけで、そうじゃないと普通は映画として成立しないと思うんですよ。

仮にその作品に物語的なプロットが見出せなかったり、観て感じることしかできない映画であったとしてもですよ。

なんですが、「ザ・ルーム」の制作にはその意図を全く感じないんですよ。

そんな映画あります?

制作過程を見ても、監督の振る舞いを見ても、監督の考えを読み取ろうとしてもなお、何も見えてこない。

ある意味凄いですよね。それを一つの作品にしちゃうってことが。

とまあこれだけだと本作自体もとんでもないドキュメンタリー作品になってしまうと思うんですが、それだけで終わらなせず面白く仕上がっているのは「ザ・ルーム」の監督であり、本作の主人公、トミーのぶっ飛んだ人柄もあるのかなと。

やっぱり普通な人が多いからこそ、風変わりな人は面白く感じられるし、興味が湧いてくるものじゃないですか。

そりゃ好き嫌いもありますよ。

でも、普通より変わっている方が絶対に面白いじゃないですか。日常でも。

そんな人柄をただただパッキングしたような作品が本作。

とはいえそれだけでも面白くなるわけでも無く、個人的には青春映画的な面白さもあると思うんですよね。

なんていうか初期衝動に任せて突っ走る感じといいますか、駆け抜けるカタルシスとぶっ飛び過ぎて笑えるコメディ要素もあるというか。

いちいち行動が斬新なのと、そういった諸々の切り取り方に無駄が無い。

だからこそテンポ良く見られて、飽きないんですよ。

そして、鑑賞後に爽やかさな後味が残るという。

特に最後のプレミアム試写の場面でのシークエンスなんて、なんかちょっと感動すらしちゃいましたもん。

関わる人の熱量、なんだかんだでトミー自身も映画であったり、役者であったり、友であったりといったものを必要としていた。

だからこそ最終的にはああいう結末を迎えるんだと。

その後カルト化したという「ザ・ルーム」を考えても、見えない映画の魅力があったからこそ、そうなれたんだろうなと。

トミーとグレッグ、その他含めた人間関係と映画というものの本質的な面白さ、そんな違った角度からの気付きに満ちた作品でした。

機会があれば「ザ・ルーム」自体も観てみたいところです。まあこれは映画館で観たいというのが心情ですが。

では。