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欠損されたものに魅力を感じるのは何故なのか~フランシス・ベーコン展編~

廃墟や古着、中古車、挙げればきりがないんだけど、それくらい新品じゃないものへの関心が高いというのは奇妙なもので。

『欠損されたものに魅力を感じるのは何故なのか~フランシス・ベーコン展編~』

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アイルランド出身の画家フランシス・ベーコン(1909–1992)、日本初公開となる作品・資料を展覧します。

生前のベーコンと深い交流のあったバリー・ジュール氏が、亡くなる直前の画家から譲り受けた作品や資料は、近年各国の美術館で展示・収蔵され大きな話題となりました。

シュルレアリスムに傾倒した1930年代の油彩画、ドローイング、写真や書籍に描いた作品ほか貴重な資料を厳選し、20世紀を代表する巨匠の制作の秘密に迫ります。

映画や本、アニメなんかにしてもそういった欠損や古びたものを主題にした作品が好きで、なぜそう思うのか、いつからなのか、自分でもよくわからないものの、そうしたものに惹かれ続けております。

そして本題、以前何かの本で観てから忘れられなくなっていたアーティストがベーコン作のものでした。

完全解説】フランシス・ベーコン「20世紀後半において世界で最も重要な人物画家」 - Artpedia アートペディア/  近現代美術の百科事典・データベース

衝撃的というか、教皇をここまで悪の印象濃く描けるのかということ。同時に人は表裏一体で、見えている側面はその一面でしかないんじゃないかというある種の疑念も抱きつつとにかく印象に残っていた。

そのベーコン作品が生で観れるということで葉山まで行ってきました。

神奈川県立美術館のロケーションも最高でしたし、作品群もやはり最高。

色使いであったり、創作手法であったり、何を考えているとこういった作品群が作れるのか、それでいて変な統一感みたいなものもあったりするから面白いものです。

書かれてたインタビューの記事で「美術とは事実を束ね表現し、真実を露呈する。時にその真実の仮面を取ることもある」的なことが書かれていた気がするんですが、それが本当に作品で表現されているなと思いました。後半はわかるんですが、前半の「事実を束ね」ってところが面白い感覚であり、無から生み出すわけじゃないんだというところに驚きました。

流れの中でで観ると見えてくるものもあって、初期作にある角のある感じや配色の重さ、どことなくテキスタイル的な印象が後期には流動的で割とライトな色味のものもあったりと、美術作品の見方は全然わからないながらも、惹きつけられた作品にはそれなりの魅力が詰まっているものだなと思わされたり。

写真にスクラッチや書き込みをすることで作品化している自由さにも驚かされました。

そういった意味では自分自身の中にある『事実』を集積し、作品としてアウトプットする。その理由も頷けるものがある気がします。

4月20日からは渋谷区立松濤美術館へ巡回展示ということなので、そちらで行かれれるのもいいんじゃないでしょうか。