久々見たとの、今の感情と合致しすぎて、胸に刻まれました。
ということで今回は往年の名作「バグダッドカフェ」です。
この映画は当時ミニシアターブームの先駆け的作品で、一躍有名になりました。私もその時に1度観ており、今回で4回目の鑑賞でした。
正直今回が一番しびれました。
最初に観た時も、名曲コーリングユー、映像美とセンスの良さには驚かされました。
今回のしびれた要因は、ブレンダと自分が完全にシンクロした点です。ブレンダというのは主人公ヤスミンと共に話の中心にいる準主役的な女性です。
この映画の良さは良くも悪くもストーリーに面白味が無い点だと思います。これをもって駄作だという人もいるでしょうが、私は違って、観る時々の視聴者の感情によって見方が変わる良作だと思います。
簡単にストーリーを説明しておくと、「夫婦で旅行しており、旦那と喧嘩した奥さんが砂漠のど真ん中で車から降り、近くのモーテルでお世話になる。そのモーテルでの人々との生活の様子」といったもの。
冒頭から流れる「コーリングユー」のメロディーが素晴らし過ぎて、すぐに引き込まれます。
そして、主人公ヤスミンもただのおばさんではあるんですが、生活の充実と共に綺麗になっていき、ブレンダも同様に生き生きしてきます。
これを観て思うのが、人生の幸せは案外近くにあって、それに気付かずに幻想を追い求めているんだなと思わされます。
映画上の演出に関しても小物がうまいことセレクトされていて、物語に関連性を持たされている点も興味深いです。観るたびに気付くことが増えていきます。
なんだかんだ書きましたが、この映画は心を和ませる不思議な魅力があり、それが全てなような気がします。
悩みがある時、この映画に帰ってきたくなる、そんな魅力のある名作です。

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