これは恐れいりました。
『強靭過ぎるメンタルと戦いの果てに~ワールドカップ2022ラウンド8 クロアチアvsブラジル編~』
まさかこんな展開が待っていようとは。W杯は波乱含み。アルゼンチンvsオランダもそうでしたが、とにかくこのW杯は波乱が起き過ぎる。
この試合でもブラジルがまさかのベスト8敗退。
入りからして、クロアチアの状況は悪くなく、いつも通りのフィジカルと戦い方が出来ているなとは思ったんですが、それでも前の試合、日本戦であそこまで総力戦で戦えば消耗も激しいわけで、ブラジル相手手ともなれば、それがいずれ出るはずと思っていたんですが、全く出ず。
それどころか終盤に向けて、一層ギアを上げてくるような感じなんて、まさに鬼神そのもの。
その中心人物は紛れも無くモドリッチ。
マドリーでもそうですが、本当に恐ろしい人です。どこを見てもモドリッチがいるなという印象でしたし、どこからでもチャンスメイクに繋がるボール運びを演出で来てしまう。
ヒートマップを見てもそれは明らかで、このエリアの広さとヒートの感じ。なんどもいうようですけど、37歳でこの動きが出来ちゃうんですよ。
パス成功率も105/115で91%ですし、ロングパスに至っては6/8と驚異の成功率。他のスタッツを見てもわかる通り、しっかりと守備にも貢献していますし、とにかくクロアチアでの存在感が半端無い。
というかブロゾビッチ、コバチッチを含めた中盤の構成が良過ぎて、ぐるぐる回りながらそれぞれが強みを生かしつつ、連携しているところが良く機能している。
両SBの働きもソリッドで、バランス良く、ポジショニングが巧み。右SBのユラノビッチなんて地上戦5/5ですし。
とはいえ今回は守備陣が良く頑張りました。
CB二人は特にそうで、ロブレンはタスクを絞って、こういう戦い方をするクロアチアでの守備は相性良さそうですし、相方のグヴァルディオルは現代的なCBのお手本のような活躍っぷり。
ボールロストも少なく、何よりボールを持った時の判断が落ち着いており、一つ一つのプレーが丁寧。ポジショニングもそうで、ボールを持っていようがいまいが、しっかりと考えて行動しているなということがわかる感じ。しかもそれをこなすスピードが速く、実際のスピードも速い。ブラジルのFA陣相手でもスピード負けしてませんでしたからね。あの巨体で。
そして、何と言ってもGK。リバコビッチは素晴らしかった。
ボックス内からのセーブが7というのも驚異的ですし、ポジショニングや判断といった、数字に表れないプレーの質も素晴らしい。何よりPKが物語っているように、メンタルが強いんでしょう。だからこそ出来るプレーの数々や落ち着き。27歳とキーパーとしてはまだまだやれる年齢なのでビッククラブからオファーも来そうな活躍でしたね。これは次の試合も楽しみです。まあ仕事が無いに越したことは無いわけですが。
一方のブラジル。
全然悪くなかったですし、ネイマールのゴールは相変わらず神がかっていた。あんなワンツーをボックス内で簡単に決められ、技ありのゴールを決められたら。
裏を返せば、個の力があり過ぎるが故に全体として崩されたのかもしれませんね。メンタル的に。
それでも、ボックス周辺でボールを持たれると何を仕掛けてくるのかわからない選手が多く、連携に関しても予測不能。サイドも中央も、ショートカウンターも、ロングカウンターも、どこからでも仕掛けてくる怖さはさすがブラジル。
クロアチアの中盤を抑えられず、そこからの展開を許してしまったことが逆にブラジルの攻撃を停滞させてしまった要因だったのかもしれません。
いずれにせよここまでくれば全力消耗戦。
クロアチアはいつ消耗するやら。このままいって欲しいという気持ちもありつつ、他の試合も含め楽しみたいと思います。
では。