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まさかのスピンオフからのスピンオフ~キャシアン・アンドー編~

スピンオフのスピンオフという、SW知らない人からしたら何それな作品。

『まさかのスピンオフからのスピンオフ~キャシアン・アンドー編~』

スター・ウォーズ』新ドラマ「キャシアン・アンドー」壮大なる本予告編が公開 ─ 9月21日初回3話配信に変更へ | THE RIVER


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ディズニープラスになんやかんやで入るタイミングを失い、オリジナルのSWシリーズを全く観れておりませんでした。

ですが、以前からお世話になっているサーフショップオーナー(SW大好き)から、「この作品は絶対面白くなる・・・はず」というお言葉をいただき、それならばと観てみることに。

正直、初めの1,2話目はそんなに面白くないなといった印象でした。それでも3話まで観るとそこから面白くなりそうな兆しが見える感じ。

実際、そこからも結構ゆっくりとストーリーが続きますし、内容的にも確実に大人向けといった重厚なストーリー展開。

SF作品の魅力って、どれだけその世界観が作り込まれていて、現世を離れられるかということじゃないかと思っているんですよね。

その意味でアンドーはちょっとした新しさで溢れている。そもそもこの作品の主人公であるキャシアン・アンドー自体、ローグワンに出てきたキャラクターですから、ようするにスピンオフのスピンオフ。知らない人からしたら誰それと思ってしまうくらい、メチャクチャ端の方から出てきたキャラなんですよね。もうこの時点で新世界。

そんな薄いキャラでSW世界を楽しめるのか。そう思うのが普通だと思うんですが、意外にも楽しめちゃうんですよ。

むしろど真ん中のキャラじゃないからこそ楽しめるのかなとも思っていて、映画にしても『ハン・ソロ』はそこまで乗れなかったですし、実はこのアンドーの後に観ていた『オビ・ワン』もいまいちだった。

そう考えると本編でキャラのイメージなり印象なりが付いてしまっていると世界観自体を拡張することに無理が生じてしまうんじゃないでしょうか。まあファンサービスとかもそうですし、続3部作で登場したルークなんかもそんな感じ。

その意味でこのアンドーは全く知らない過去を表現するという相性の良さ。ゴールとしては『ローグ・ワン』に繋がるわけですから、そこに向けてのあれこれというプロットも極めて明確。他作も繋がりという意味では一緒なんですが、このアンドーは世界観の膨らみが良いんですよね。

特にSWって、その見たこと無い宇宙の広がりだったり、生活、人種、物質、慣習、乗り物、種族、そういった観ている間はその世界に浸れるような広がりが非常に重要だし、ファン自体もその辺にメチャクチャ敏感な作品。

その点でこのアンドーは丁度良いバランス感覚。出てくるミントグリーンのような色をした食事であったり、監獄のようなところでのチューブから摂取するような食事、拷問の仕方が斜め上をいっていたり。出てくる場所独自の慣習や生活、建物の構造もそうですし、着ているものなんかもそう。着ているもので言うとアンドーの住んでいたフェリックス、ここでの住人は何故かアースカラーをものしか着ていなかったり、その独特の街並みも今の地球にありそうでなさそうな絶妙なバランス感。あの塔の上で鳴らす鐘というか金属の塊なんかも異様な雰囲気ですし。

とにかくあげればキリがないくらい欲しかったSWの未知な部分が詰まっている。

内容的にはアンドーの生い立ちを軸にしつつも、政治的な陰謀や確執、そういった生々しい部分が興味深いですし、帝国の描き方もそう。実際は内部で色々とあるんだなと思わされる。

中でもその悪役の描き方も良くて、出てくる悪役がいちいちキャラ立ちしてるんですよ。悪目立ちする感じじゃなくて、リアルにありそうな描き方や出来事の中で気になるキャラとして描かれている。やっぱりSWは悪役が輝いてこそだと思うので、そのキャラ達が今後どういったことになっていくのか。そう思わせてくれるところにこそ魅力があるのかと。

その悪役のシリル・カーンというキャラ。彼は何とも言えない魅力があるんですよ。正義感はあるんですが空回りしがちというか。今後どうなっていくのか全く分からないような心情の動きみたいなものもあって、ポンコツなんだけど何故か憎めない。まあ彼の部下もそうですし、他に出てくる悪役も同様の魅力がある気がする。

とにかく全体的に狙い過ぎてない、ファンサービスに終始しない、それでいてSWの新たな世界観を打ち出そうといったような気概を感じる。これがアンドーを楽しめるところなんじゃないでしょうか。

とはいえアンドーのキャラも中々に魅力的で、序盤こそ良くわからない描き方でしたが、段々と調子を上げてきて、1stシーズンの最終話は頼りになるなと思わせてくれる。そこまでの帝国軍基地破壊ミッションや監獄脱出ミッション、ビックス救出劇なんかを経て、確実にアンドーの頼れる兄貴感が出ているんだろうなと。

生死を懸けたミッションの数々。帝国のヤバさと、それに抗おうとする志。それらをプロットの上で徐々に高めていくというのも見事だなと思います。

要所要所で展開の遅さ、伏線の回収の無さが気になったりもしますが、2ndシーズンでテンポ良く表現されていくのであれば素晴らしい作品になるんじゃないでしょうか。

とりあえず1stは良い感じでした。

では。