これで自分が優勝予想していたイングランドとブラジルが散りました。
『僅差の違いはエースの役割か~ワールドカップ2022準々決勝 フランスvsイングランド編~』
選手層の厚さ、新旧世代の融合と、考えても、予選からの試合を観ても優位だったのはイングランドだと思っていたんですが、これもW杯。
決定的な違いは無かったものの、クロアチア同様、際での底力とエースの役割が勝敗を決した気はします。
フランスは基本的に繋ぐというよりもミドルorロングパスからのサイド攻撃主体。SBとウイングの連携した攻撃を主体としながらも中央でグリーズマンがバランスを取りつつ、守備に攻撃に参加してくる。
エムバペに関しては対人に滅法強いウォーカーが効いていたので、そこまで自由に動いている印象はありませんでした。とはいえ、超人ムバッペクラスともなるとそれでもチャンスメイクしていましたし、一瞬の脅威は相変わらず。
まさかチュアメニのロングシュートが決まるとは思いませんでしたね。あの位置からであの弾道、そこまで強烈な感じでは無かったんですが、ピックフォードは視野が塞がれていたんでしょうね。しかもあのタイミングであのシュートはさすがに予想していなかったような。
それにしてもグリーズマンはモドリッチのような働きっぷりでしたね。神出鬼没に出現し、引いている時は後ろでバランスを取り、攻めている時は前線でハブとして機能する。2点目のアシストの様な素晴らしいクロスも持っていますし、モドリッチよりもフィジカルに戦えて、攻守オールマイティにこなせるような印象でした。
そしてジルーも良かった。アーセナルでもそうでしたが、決めて欲しい時に決められるその得点力と嗅覚。これはジルーの特権とでも言うべき才能だと思うんですが、ある種唯一無二の選手、それがジルーだと思うんですよね。
そんな良さが前面に出た試合でしたが、ベンゼマがいたらどうなっていたのかという世界線も気になったりします。
ロリスも試合前に色々あったようですが、結果的に有言実行、行動で示すといった通りのセーブ数6、トッテナムでの良い時のようなパフォーマンスが出ていた気がします。
一方のトッテナムエース、ハリーケイン。
全然良かったですし、スタッツを見ても地上戦1/1、空中戦5/6と相変わらずの強さ。気の利いた動き出しや、サポートとしてのプレーも最上級。ゴール前で受けてからの抜群の反転とそこからのシュートも完璧でした(決まればなおよし)。
ですが、トッテナムであるような決定力が欲しかった。PKとかでは無く、ゲーム内でのそれがあるとないとではチームにとっても全然違ったことでしょう。
タッチ数も35と物足りないですし、ケインならもっとできたはずなんですが、タスクが多かったのかもしれませんね。
ただ、何度も言うようですが、イングランド自体も全然悪くなく、サカはいつものさかでしたし、変わらずの伝家の宝刀、カットインからのプレーも何度もありました。あれはフランスも手を焼いていましたし、キレがあり過ぎますよね。
イングランドは詰まってしまうようなシーンが結構あったので、その辺を上手く流れるように修正できればゴールへの道筋がもう少し出来たような気はします。
ビリンガムニしろフォーデンにしろ、少々窮屈な気はしましたし、ライスやヘンダーソンも別のタスクに力を削がれていたような気も。
意外性のある展開が続くトーナメント戦。これからも波乱は起きそうですが。
では。