この試合は色んな意味でしんどかった。
『興奮度マックスだが、喪失感もマックス~アーセナルvsマンチェスターシティ~』
今シーズン色々あってのシティと初戦。
この大一番でリーグ1,2を争う一戦、さらに言えば師弟対決ということも相まって、アガらないわけがない。
そんなハイテンションで試合を観ていたんですが、それも前半まで。
とはいえ少々荒れ気味でしたし、両チームとも色々と今一つな部分も多く、熱量こそ感じるものの、いつも通りの両者の良さが発揮されているかと言われると疑問が付くような展開。
冨安のあのプレーに関しても試合感なのか、凡ミス的な感じでした。そしてそれを拾った相手も悪かった。狙っていたデブルイネという名の至宝。そりゃ決められますよ。決めるのがデブルイネですよ。
スタッツを見てみても6割弱のポゼッションを持ち、シュート数にしてもシティを上回る10本。なのにこの圧倒的差で負けるとは。
まずポゼッションに関して、アーセナルのプレス回避が上手かったりで、とりあえず保持できているような状況。まあこの点に関しては良かった。前のシーズンでは考えられない程ビルドアップは成長しましたし、メチャクチャハードな状況でも華麗に回避して前進できるようになった。これは良しとしましょう。
シュート数の方は枠内かどうかというのが問題で、アーセナルは1/10。対するシティは6/9。この差は大きいですよ。結局決め切れるかどうか、決定的なチャンスを作れるかどうか。その辺の差がこの得点差に繋がってしまったんだろうなといったところ。
とはいえ、シティの流動性はエグいんですよ。あとエデルソンにしろアケ、ディアスにしろ、守備陣が動じな過ぎ。これ笑っちゃうくらい動じない。
ファールとかも多かったですし、ヒヨっちゃいそうなプレーも多々あったのに、それでも一切動じない。
当然良くないプレーもありましたよ。それでもこれが勝者のメンタリティなのかと思わされるのに十分過ぎる対応力。
攻撃で言うとハーランドやらデブルイネなんかもそのメンタリティを感じましたし、とにかくあと少しの差が大き過ぎる。
まだ若いアーセナルのようなチームには明らかに欠けている要素だなと、改めて感じさせられてしまいました。
そんなアーセナルにも当然良い収穫はあったわけですが、その前にパーティの離脱は驚きました。
このタイミングでこれは絶対的にマズいなと思わされる昨年の悪夢が蘇る。パーティこそがマスターピースと思われるほどに、最重要人物なのはグーナーであれば誰もが周知の事実なわけでして。
そんな彼抜き、かつジェズスも不在の中、難攻不落のシティに勝てるのか。
そこに関して躍動していたのがこの冬の補強、ジョルジーニョ。
攻撃に関しては前回出場時より明らかに精度とアイデアが増していましたし、かなり良いフィードを何度もしておりました。この辺は予想通りといえばそうなんですが、意外にも良かったのが守備の部分。
上記のようなスタッツで、パーティほどでは無いにしろ、予想以上に防いでくれていた印象。中でもインターセプトはかなり目立っていた。
予測が出来るからこそインターセプトできるわけだし、だからこそ攻撃時にも裏を突けるですよね。
チェルシーでやっていただけにプレミアのフィジカルにもフィットしてますし、チームにフィットすれば一層クオリティは上がっていく気がします。
トロサールに関しても同様で、リーグへのフィットネスは問題無し。最近はマルティネッリが調子を落としてきている気がするので、もう少しトロサールのプレー時間を延ばしても面白いのかなと思ったり。
あとはサリバ。
彼はハーランド相手にかなり封殺してましたね。ハーランド自身も嫌がっている感じでしたし、押さえ方が見事。いなすというか、パワーでいっても勝てないところを上手いことポジショニングだったり、身体の使い方でかわしていく感じ。
マガリャンが苦戦していたのと比べると、やはりサリバは対人の駆け引きが上手いなと。
後は相変わらずのウーデとサカ。
彼らはいつも通り違いを見せれれる様なプレーが光っていたので、ホントあと少し。その違いを出せればもうワンランク上に行ける。
後半から怒涛のように何も出来なくなったアーセナルだったんですが(体感として)、シティのパス数を見ると前半176に対して後半127と前半の70%程度。ロングボール数なんかはほとんど変わらないところを見ると手数を減らしてよりテンポ良く攻撃していたんだろうなという感じ。
選手の距離感だったり、ボール運びの修正なんかをしつつ、選手交代も効果的に行うところはやはりアルテタの師匠だなと思わざるを得ない。
何より先にも書いた通りで、勝者のメンタリティよ。
果たして次のアウェイ戦ではどういった戦いになるのか。対戦カードとしてはダービー以上に面白いですからね。今シーズンは。リーグ戦における順位争いもあるので。
では。