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呆気無いようで圧倒的ではあったけど~ワールドカップ2022準決勝 アルゼンチンvsクロアチア編~

これはまた意外でした。

『呆気無いようで圧倒的ではあったけど~ワールドカップ2022準決勝 アルゼンチンvsクロアチア編~』

W杯準決勝でアルゼンチンがクロアチアに圧勝し決勝進出! アルバレスが2得点と躍動(スポーティングニュース) - Yahoo!ニュース

死力を尽くして、ゴリゴリの戦いになるかと思っていたんですが、どちらかというとGSのようなゆっくりとしたスタート。

疲れもあるでしょうし、チーム自体の構造もあるのかもしれませんが、クロアチアがいまいち機能していなかった。今まで噛み合っていた歯車が、若干ではあるものの、決定的に噛み合っていない感じ。

選手の距離感であったり、連携の部分、プレスのズレもそうですし、なによりパスが繋がらない。正確には安全な場所であったり、ブロックの外側では続くんですが、決定的なパスが入らない。

アルゼンチンがポイントを押さえての鬼プレスに来たのもあるかと思うんですが、クロアチアのテンポ感がとにかく出なかった。

ポゼッションも61%がクロアチア、パスに関しても2倍近いスタッツ。ですが決定的なチャンスメイクは出来ておらず、これまでの試合で見せていたようなルーズボールもあまり出て来ず。

確実に各選手の強度は落ちていましたが、交代や戦術含め、少々謎なところでした。

アルゼンチン自体も別にそこまで良いといった感じでは無かったんですが、1点目から2点目への流れが良かった。

これで風向きが変わったと言いますか、完全に流れがアルゼンチンに傾いたような。

ここぞという時のスイッチの入り方は南米特有と言うか、前への推進力が総じて高いんですよね。

しかもそれもタッチ数少なく運ぶんで、一気に形勢が変わってしまうような感覚。

その中心にメッシがいるわけですが、ホント総合値としての能力が高い。

枠内シュート、ドリブル成功率、パス成功率、クロス、ロングボール、地上戦、あらゆるステータスが平均以上。しかもピッチ上での影響力、存在感も大きく、ボールを持った時の迫力や体感としては一層高いステータスになるわけで。

取られる気がしないというか、ボールの置き所、足運び、視野の広さといったところも異次元過ぎて。

これはまさかの優勝もありますよ。メッシが獲得していないタイトルはあとこれだけ、ロナウドが獲得できなかったタイトルを同時代のエースとして、ここまで来たら取って欲しいところです。

正直試合としては割と塩試合だったので、この辺で。

では。

秘密の森の、その向こう

夢見心地な中で、出会うもの。

『秘密の森の、その向こう』

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「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマが監督・脚本を手がけ、娘・母・祖母の3世代をつなぐ喪失と癒しの物語をつづった作品。

大好きだった祖母を亡くした8歳の少女ネリーは両親に連れられ、祖母が住んでいた森の中の一軒家を片付けに来る。しかし、少女時代をこの家で過ごした母は何を目にしても祖母との思い出に胸を締め付けられ、ついに家を出て行ってしまう。残されたネリーは森を散策するうちに、母マリオンと同じ名前を名乗る8歳の少女と出会い、親しくなる。少女に招かれて彼女の家を訪れると、そこは“おばあちゃんの家”だった……。

本作が映画初出演のジョセフィーヌ&ガブリエル・サンス姉妹がネリーとマリオンを演じ、「女の一生」のニナ・ミュリス、「サガン 悲しみよこんにちは」のマルゴ・アバスカルが共演。2021年・第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。

ホント不思議な映画でした。

前作も評判だったようですが、それは観れておらず、なのでシアマ監督作品がどういった作風なのかがわからず観てきました。

率直な印象として、フランスらしい作劇で、美しい世界観。まあフランス映画と言えば浮かぶようなイメージはありましたが、これはそこまでフランスフランスしている印象では無い感じなので、毛嫌いしている人であっても、わりと気軽に観れる気がします。

そんな本作、あらすじも読まずに行ったんですが、予想以上にファンタジックな物語。

これは公式でも書かれているのであれなんですが、主人公である8歳の女の子が自分と同じ年の母親と遭遇し・・・という感じのストーリー。

これだけ聞くとありがちな設定にも思えるんですが、その撮影手法や設定、内包しているテーマ的なものが非常に独特な感じで、全編に渡って、何とも言えない浮遊感があるんですよね。

劇伴も素晴らしいですし、映像がとにかく綺麗なのも印象的。映っている山々の様子もそうですし、途中で出てくるピラミッド的な所への冒険も美しい。あそこのシーンは映画館ならではの映像、音響でした。

冒頭の長回しからもその美しさがありますし、カメラワークも相まってストーリー的にも映像的にも本当に綺麗に繋がれています。

これだけでも見る価値ありだなと思ってしまうんですが、全体を通しての空気感も抜群に澄んでいて良い。

心地良いという言い方が正解かもしれませんが、なんとも言えない気持ちにさせてくれるんですよ。73分という時間も丁度良いんだと思うんですが、長過ぎず、短か過ぎず、内容的な不定形さもあって、映画自体の輪郭がぼんやりとしたまま描き出されている感じが映画そのものの雰囲気と相まって。

内容的な朧げさや不確かさ、夢と現実を行き来しているような構成も見事じゃないでしょうか。実際に家を行き来し、カットも唐突に割るというカメラワーク、それも、そんな曖昧さを表現しているかのようですらある。

内容的なそれも、まさに『不確か』さそのもの。主人公である8歳の女の子は娘として登場するんですが、それも母親と父親にとってはという枠組みがあってのこと。

ここに同じ年齢の母親が出てきて、その母親(女の子からすると祖母)が出てくることによって、その関係性と自分という存在の不確かさは一層強くなってくる。

誰かと接する時って、無意識的に何かを演じているんだと思うんですが、それはその人やその場所での、自分との関係性があってこそできることであって、自然と無意識的にやっていると思うんです。これを、ある種役割的にこなしているというのが実際の個人なんじゃないかと。

そして、それを取っ払った時に残る、本当の自分とはどういったものなのか。これは他の作品にもあるようなテーマながら、本作で描かれる、ありのままの不確かさは何とも不可思議。

ラストを観た時、ある種独特な納得感に包まれてくるからそれもまた不思議なものです。

本作で出てくるマリアンのように、何かに疲れたり、悩んだりした時、それはその状況自体に行き詰っているだけであって、目線や関わり方を変えた時、それはまた違った見え方をしてくるのかもしれないですね。

そういったあらゆる物事すらも不確かなものだと考えると、人生は捉え方で変わるのかもしれません。

それをこういったファンタジックな世界で見せてくれるというのは素晴らしいものです。

では。

死闘の末、新世界へ~ワールドカップ2022準々決勝 ポルトガルvsモロッコ編~

GSから良い戦いを見せていましたが、ここまでやり切るとは。

『死闘の末、新世界へ~ワールドカップ2022準々決勝 ポルトガルvsモロッコ編~』

堅守モロッコがポルトガルを破ってアフリカ勢初のベスト4《カタールW杯》(超WORLDサッカー!) - Yahoo!ニュース

この試合でもGSのような強度を持った戦いっぷり。怪我人も出ているし、選手層を考えても厳しい戦いのなのは予想できたモロッコ代表。

それをコンビネーションとメンタル、それと共に意思を感じるような試合運びでした。

前半からポルトガルと互角、なんなら互角以上の戦いっぷりを見せていたモロッコ。基本布陣は4-1-4-1といった形で、特に4の部分のブロックが厚い。サポートであったり、コンパクトな陣形を維持することでとにかく選手同士の距離感が良かった。

前線4-1の部分を突破するのも容易でなく、ポルトガルの攻撃もその外側からのロングレンジパス主体になっていた感じ。

そこから前線に収まっても後ろの4枚が圧縮してくるし、前線からの戻りも早い為、すぐ潰されてしまう。

そこからのカウンターが効果的に発動していた感じでしたし、これはショートもロングもどちらも発動できる感じで。

特にハキミとツィエクのいる右SBは驚異的で、崩しにかかると迫力ある展開が何度もありました。

こうやってみるとツィエクは自陣にいた状況が多く、中央にはまったく顔を出していない状況。それなのにこの存在感。やはり只者では無い。

前線にいたエンネシリもフィジカルが強く、ゴールシーンでの高さは尋常じゃなかったです。競り合った時、エンネシリの腰らへんに相手の頭でしたからね。どういう状況なんだと思うほどの高さ。

ポストプレーも効いていた感じだったので、サイドから中央に流れて受ける上手さも出ていました。

驚いたのが8番のウナイ。

完全に盲点だったんですが、彼のプレーはエグいですね。かなり細身ですし、フィジカル的にも強く見えないんですが、体幹が良いのか、ボールの置き所、足元の技術で、かなりチャンスメイクに絡んでいました。

ドリブルに関しては特にそれが発揮されていて、ドリブル成功率3/3。まあそうなりますわ、と思うような運びっぷり。レスター時のマフレズみたいな印象ですかね。

意外に地上戦も強くて、7/8。ようするに人を見る目と足元がしっかりしているということでしょう。彼もまた22歳と若いので今後が楽しみです。

ポルトガルもかなり猛攻だったんですが、中々決定的なシーンを作れませんでした。

中でもブルーノの頑張りなんかは異常で、クロアチアモドリッチのような孤軍奮闘。主に前線を中心に右へ左へ、かなり動いておりました。

スタッツもそれを示していて、ドリブル成功率3/3、ロングボール成功数8/11。守備面でもそうで地上戦4/6、空中戦1/4と攻守に渡り働き過ぎ。

フェリックスも嫌なところに飛び出す嗅覚ですとか、パスを受ける位置なんかは凄く良かった。

SBも攻め上がるタイミングなんかは悪くなかったですし、DF陣も良く守り、セットプレーではかなり惜しいシーンも演出していました。

でも勝てなかった、ゴールが遠かった。

これがW杯。ホント面白いものです。ロナウドも恐らく最後の代表となるでしょうが、ここで姿を消してしまいました。

次はついにベスト4。いよいよ終わりに近づいてきました。

では。

僅差の違いはエースの役割か~ワールドカップ2022準々決勝 フランスvsイングランド編~

これで自分が優勝予想していたイングランドとブラジルが散りました。

『僅差の違いはエースの役割か~ワールドカップ2022準々決勝 フランスvsイングランド編~』

DOMINIC KING: Antoine Griezmann stands out as world class for France during  2-1 World Cup vs England | Daily Mail Online

選手層の厚さ、新旧世代の融合と、考えても、予選からの試合を観ても優位だったのはイングランドだと思っていたんですが、これもW杯。

決定的な違いは無かったものの、クロアチア同様、際での底力とエースの役割が勝敗を決した気はします。

フランスは基本的に繋ぐというよりもミドルorロングパスからのサイド攻撃主体。SBとウイングの連携した攻撃を主体としながらも中央でグリーズマンがバランスを取りつつ、守備に攻撃に参加してくる。

エムバペに関しては対人に滅法強いウォーカーが効いていたので、そこまで自由に動いている印象はありませんでした。とはいえ、超人ムバッペクラスともなるとそれでもチャンスメイクしていましたし、一瞬の脅威は相変わらず。

まさかチュアメニのロングシュートが決まるとは思いませんでしたね。あの位置からであの弾道、そこまで強烈な感じでは無かったんですが、ピックフォードは視野が塞がれていたんでしょうね。しかもあのタイミングであのシュートはさすがに予想していなかったような。

それにしてもグリーズマンモドリッチのような働きっぷりでしたね。神出鬼没に出現し、引いている時は後ろでバランスを取り、攻めている時は前線でハブとして機能する。2点目のアシストの様な素晴らしいクロスも持っていますし、モドリッチよりもフィジカルに戦えて、攻守オールマイティにこなせるような印象でした。

そしてジルーも良かった。アーセナルでもそうでしたが、決めて欲しい時に決められるその得点力と嗅覚。これはジルーの特権とでも言うべき才能だと思うんですが、ある種唯一無二の選手、それがジルーだと思うんですよね。

そんな良さが前面に出た試合でしたが、ベンゼマがいたらどうなっていたのかという世界線も気になったりします。

ロリスも試合前に色々あったようですが、結果的に有言実行、行動で示すといった通りのセーブ数6、トッテナムでの良い時のようなパフォーマンスが出ていた気がします。

一方のトッテナムエース、ハリーケイン。

全然良かったですし、スタッツを見ても地上戦1/1、空中戦5/6と相変わらずの強さ。気の利いた動き出しや、サポートとしてのプレーも最上級。ゴール前で受けてからの抜群の反転とそこからのシュートも完璧でした(決まればなおよし)。

ですが、トッテナムであるような決定力が欲しかった。PKとかでは無く、ゲーム内でのそれがあるとないとではチームにとっても全然違ったことでしょう。

タッチ数も35と物足りないですし、ケインならもっとできたはずなんですが、タスクが多かったのかもしれませんね。

ただ、何度も言うようですが、イングランド自体も全然悪くなく、サカはいつものさかでしたし、変わらずの伝家の宝刀、カットインからのプレーも何度もありました。あれはフランスも手を焼いていましたし、キレがあり過ぎますよね。

イングランドは詰まってしまうようなシーンが結構あったので、その辺を上手く流れるように修正できればゴールへの道筋がもう少し出来たような気はします。

ビリンガムニしろフォーデンにしろ、少々窮屈な気はしましたし、ライスやヘンダーソンも別のタスクに力を削がれていたような気も。

意外性のある展開が続くトーナメント戦。これからも波乱は起きそうですが。

では。

強靭過ぎるメンタルと戦いの果てに~ワールドカップ2022準々決勝 クロアチアvsブラジル編~

これは恐れいりました。

『強靭過ぎるメンタルと戦いの果てに~ワールドカップ2022ラウンド8 クロアチアvsブラジル編~』

不屈のクロアチアが2戦連続PK戦を制してベスト4、ブラジルはネイマール弾も無念の敗退《カタールW杯》【超ワールドサッカー】

まさかこんな展開が待っていようとは。W杯は波乱含み。アルゼンチンvsオランダもそうでしたが、とにかくこのW杯は波乱が起き過ぎる。

この試合でもブラジルがまさかのベスト8敗退。

入りからして、クロアチアの状況は悪くなく、いつも通りのフィジカルと戦い方が出来ているなとは思ったんですが、それでも前の試合、日本戦であそこまで総力戦で戦えば消耗も激しいわけで、ブラジル相手手ともなれば、それがいずれ出るはずと思っていたんですが、全く出ず。

それどころか終盤に向けて、一層ギアを上げてくるような感じなんて、まさに鬼神そのもの。

その中心人物は紛れも無くモドリッチ

マドリーでもそうですが、本当に恐ろしい人です。どこを見てもモドリッチがいるなという印象でしたし、どこからでもチャンスメイクに繋がるボール運びを演出で来てしまう。

ヒートマップを見てもそれは明らかで、このエリアの広さとヒートの感じ。なんどもいうようですけど、37歳でこの動きが出来ちゃうんですよ。

パス成功率も105/115で91%ですし、ロングパスに至っては6/8と驚異の成功率。他のスタッツを見てもわかる通り、しっかりと守備にも貢献していますし、とにかくクロアチアでの存在感が半端無い。

というかブロゾビッチ、コバチッチを含めた中盤の構成が良過ぎて、ぐるぐる回りながらそれぞれが強みを生かしつつ、連携しているところが良く機能している。

両SBの働きもソリッドで、バランス良く、ポジショニングが巧み。右SBのユラノビッチなんて地上戦5/5ですし。

とはいえ今回は守備陣が良く頑張りました。

CB二人は特にそうで、ロブレンはタスクを絞って、こういう戦い方をするクロアチアでの守備は相性良さそうですし、相方のグヴァルディオルは現代的なCBのお手本のような活躍っぷり。

ボールロストも少なく、何よりボールを持った時の判断が落ち着いており、一つ一つのプレーが丁寧。ポジショニングもそうで、ボールを持っていようがいまいが、しっかりと考えて行動しているなということがわかる感じ。しかもそれをこなすスピードが速く、実際のスピードも速い。ブラジルのFA陣相手でもスピード負けしてませんでしたからね。あの巨体で。

そして、何と言ってもGK。リバコビッチは素晴らしかった。

ボックス内からのセーブが7というのも驚異的ですし、ポジショニングや判断といった、数字に表れないプレーの質も素晴らしい。何よりPKが物語っているように、メンタルが強いんでしょう。だからこそ出来るプレーの数々や落ち着き。27歳とキーパーとしてはまだまだやれる年齢なのでビッククラブからオファーも来そうな活躍でしたね。これは次の試合も楽しみです。まあ仕事が無いに越したことは無いわけですが。

一方のブラジル。

全然悪くなかったですし、ネイマールのゴールは相変わらず神がかっていた。あんなワンツーをボックス内で簡単に決められ、技ありのゴールを決められたら。

裏を返せば、個の力があり過ぎるが故に全体として崩されたのかもしれませんね。メンタル的に。

それでも、ボックス周辺でボールを持たれると何を仕掛けてくるのかわからない選手が多く、連携に関しても予測不能。サイドも中央も、ショートカウンターも、ロングカウンターも、どこからでも仕掛けてくる怖さはさすがブラジル。

クロアチアの中盤を抑えられず、そこからの展開を許してしまったことが逆にブラジルの攻撃を停滞させてしまった要因だったのかもしれません。

いずれにせよここまでくれば全力消耗戦。

クロアチアはいつ消耗するやら。このままいって欲しいという気持ちもありつつ、他の試合も含め楽しみたいと思います。

では。

まさかのスピンオフからのスピンオフ~キャシアン・アンドー編~

スピンオフのスピンオフという、SW知らない人からしたら何それな作品。

『まさかのスピンオフからのスピンオフ~キャシアン・アンドー編~』

スター・ウォーズ』新ドラマ「キャシアン・アンドー」壮大なる本予告編が公開 ─ 9月21日初回3話配信に変更へ | THE RIVER


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ディズニープラスになんやかんやで入るタイミングを失い、オリジナルのSWシリーズを全く観れておりませんでした。

ですが、以前からお世話になっているサーフショップオーナー(SW大好き)から、「この作品は絶対面白くなる・・・はず」というお言葉をいただき、それならばと観てみることに。

正直、初めの1,2話目はそんなに面白くないなといった印象でした。それでも3話まで観るとそこから面白くなりそうな兆しが見える感じ。

実際、そこからも結構ゆっくりとストーリーが続きますし、内容的にも確実に大人向けといった重厚なストーリー展開。

SF作品の魅力って、どれだけその世界観が作り込まれていて、現世を離れられるかということじゃないかと思っているんですよね。

その意味でアンドーはちょっとした新しさで溢れている。そもそもこの作品の主人公であるキャシアン・アンドー自体、ローグワンに出てきたキャラクターですから、ようするにスピンオフのスピンオフ。知らない人からしたら誰それと思ってしまうくらい、メチャクチャ端の方から出てきたキャラなんですよね。もうこの時点で新世界。

そんな薄いキャラでSW世界を楽しめるのか。そう思うのが普通だと思うんですが、意外にも楽しめちゃうんですよ。

むしろど真ん中のキャラじゃないからこそ楽しめるのかなとも思っていて、映画にしても『ハン・ソロ』はそこまで乗れなかったですし、実はこのアンドーの後に観ていた『オビ・ワン』もいまいちだった。

そう考えると本編でキャラのイメージなり印象なりが付いてしまっていると世界観自体を拡張することに無理が生じてしまうんじゃないでしょうか。まあファンサービスとかもそうですし、続3部作で登場したルークなんかもそんな感じ。

その意味でこのアンドーは全く知らない過去を表現するという相性の良さ。ゴールとしては『ローグ・ワン』に繋がるわけですから、そこに向けてのあれこれというプロットも極めて明確。他作も繋がりという意味では一緒なんですが、このアンドーは世界観の膨らみが良いんですよね。

特にSWって、その見たこと無い宇宙の広がりだったり、生活、人種、物質、慣習、乗り物、種族、そういった観ている間はその世界に浸れるような広がりが非常に重要だし、ファン自体もその辺にメチャクチャ敏感な作品。

その点でこのアンドーは丁度良いバランス感覚。出てくるミントグリーンのような色をした食事であったり、監獄のようなところでのチューブから摂取するような食事、拷問の仕方が斜め上をいっていたり。出てくる場所独自の慣習や生活、建物の構造もそうですし、着ているものなんかもそう。着ているもので言うとアンドーの住んでいたフェリックス、ここでの住人は何故かアースカラーをものしか着ていなかったり、その独特の街並みも今の地球にありそうでなさそうな絶妙なバランス感。あの塔の上で鳴らす鐘というか金属の塊なんかも異様な雰囲気ですし。

とにかくあげればキリがないくらい欲しかったSWの未知な部分が詰まっている。

内容的にはアンドーの生い立ちを軸にしつつも、政治的な陰謀や確執、そういった生々しい部分が興味深いですし、帝国の描き方もそう。実際は内部で色々とあるんだなと思わされる。

中でもその悪役の描き方も良くて、出てくる悪役がいちいちキャラ立ちしてるんですよ。悪目立ちする感じじゃなくて、リアルにありそうな描き方や出来事の中で気になるキャラとして描かれている。やっぱりSWは悪役が輝いてこそだと思うので、そのキャラ達が今後どういったことになっていくのか。そう思わせてくれるところにこそ魅力があるのかと。

その悪役のシリル・カーンというキャラ。彼は何とも言えない魅力があるんですよ。正義感はあるんですが空回りしがちというか。今後どうなっていくのか全く分からないような心情の動きみたいなものもあって、ポンコツなんだけど何故か憎めない。まあ彼の部下もそうですし、他に出てくる悪役も同様の魅力がある気がする。

とにかく全体的に狙い過ぎてない、ファンサービスに終始しない、それでいてSWの新たな世界観を打ち出そうといったような気概を感じる。これがアンドーを楽しめるところなんじゃないでしょうか。

とはいえアンドーのキャラも中々に魅力的で、序盤こそ良くわからない描き方でしたが、段々と調子を上げてきて、1stシーズンの最終話は頼りになるなと思わせてくれる。そこまでの帝国軍基地破壊ミッションや監獄脱出ミッション、ビックス救出劇なんかを経て、確実にアンドーの頼れる兄貴感が出ているんだろうなと。

生死を懸けたミッションの数々。帝国のヤバさと、それに抗おうとする志。それらをプロットの上で徐々に高めていくというのも見事だなと思います。

要所要所で展開の遅さ、伏線の回収の無さが気になったりもしますが、2ndシーズンでテンポ良く表現されていくのであれば素晴らしい作品になるんじゃないでしょうか。

とりあえず1stは良い感じでした。

では。

THE FIRST SLAM DUNK

まず端的にアガりました。

『THE FIRST SLAM DUNK

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1990年から96年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、現在に至るまで絶大な人気を誇る名作バスケットボール漫画「SLAM DUNK」を新たにアニメーション映画化。原作者の井上雄彦が監督・脚本を手がけ、高校バスケ部を舞台に選手たちの成長を描き出す。

湘北高校バスケ部メンバーの声優には、宮城リョータ役に「ブルーロック」の仲村宗悟三井寿役に「ガンダムビルドダイバーズ」の笠間淳流川楓役に「ヒプノシスマイク」の神尾晋一郎、桜木花道役に「ドラえもん」の木村昴赤木剛憲役に「僕のヒーローアカデミア」の三宅健太を起用。1990年代のテレビアニメ版も手がけた東映アニメーションと、「あかねさす少女」のダンデライオンアニメーションスタジオがアニメーション制作を手がける。

ロックバンドの「The Birthday」がオープニング主題歌、「10-FEET」がエンディング主題歌を務め、作曲家・音楽プロデューサーの武部聡志と「10-FEET」のTAKUMAが音楽を担当。

スラムダンク直撃世代、中学の時にスラムダンクきっかけで部活に入ったことを最近の事のように思い出せるほど、鮮烈で鮮明な思い出。

スポーツ漫画でここまでライフスタイルと直結し、憧れ続けた漫画はこの作品以外無かったんじゃないかと思うくらい。

そんなスラムダンクの公式続編。井上先生が全般に関わり、新しい形でのアニメーションとあれば、観に行くしかありません。

正直、事前情報から色々と微妙そうな話もありましたし、出ていた予告にしてもまさかの3DCG。どこを描くのかであったり、タイトルの意味するところはであったり、声優変更であったり、ポリゴンのイメージだったり、そういった諸々があったわけですが、とりあえず観に行かなければ始まりません。

観に行った上での感想は、まず楽しかった。

オープニングの演出、湘北メンバーが揃う、手描きのアニメーションからのあの高校の登場。期待していた戦いでもありましたし、それが観れるというだけでも至高の感覚。

逆にそれを観てしまったが故に、井上先生手描きの作画が好きだったこと、漫画としての躍動感が好きだったこと、そんなことに気付かされてしまったというのも事実ではあります。

ですが、ある人物を主人公として語られる視点、そこからのテンコ盛りなあの名言、あのシーン、何よりも実際の試合さながらに観られるコマ割の中でのバスケットじゃなく、動きある、全体を俯瞰できるような視点としてあの戦いが観れるという新感覚。これが本作をこの映画で観る一番の魅力なんじゃないでしょうか。

ポリゴンも声優も、自分には染み付きすぎてしまっているキャラ達の残像は消えませんでしたが、それでもバスケットというスポーツをスラムダンクのキャラクターたちで実際の試合のように観れるというのはやっぱり素晴らしい。

バスケってこうやって観れたら今の高校バスケットもNBAもここまで楽しめるのかと思わせてくれる。やっぱりスポーツはただ観るだけじゃなく、何かを知り、応援することの動機付けがあってこそ燃えるんだと。

あと改めて感じたのが湘北への思い。

個人的にスラムダンクキャラで一番好きなのは綾南の仙道なんですが、湘北というチームに思い入れを持てるからこそのスラムダンクなんだと。

湘北では三井が一番好きで、あの人間の腐った部分や純粋な部分、人ってそんなに出来たもんじゃないよな、でも捨てたもんでも無いし、やれることに限界が無いと思わせてくれるところに魅力を感じずにいられない。

そう思っていたんですが、実は湘北メンバー全員にシンクロする部分、誰もが湘北全メンバーに重ねて考えてしまうような何かがあるんじゃないか。

というのも誰もが自分の中にある後ろめたいような悩みや葛藤、それを全員に重ね、カタルシスとして物語の中で消化しているんじゃないかと。

自分で言うと

赤木には、意思を曲げずに一人でも突き進もうとする姿勢を、そしてそれは仲間というかけがえのないものを得ることで。

桜木には、素人ということを恥じずに進む愚直さ、それはチームの助けとなり、観客やメンバーに受け入れられることで。

流川には、冷めた目で不愛想、一見するとハブかれてしまうような存在、であるにも関わらず、時に情熱的に、時に仲間を気遣う行動を示すことで。

三井には人間の脆さ、鬱屈とした気持ちのやりようを、ただ一つ、バスケがしたいという純粋な気持ちに気付くことで、信頼できる恩師に出会うことで。

宮城には身長が小さいコンプレックス、これを逆に自分の強みと捉え、自分に出来ないことを妬むでは無く、自分にしかできないことを追求する姿勢を。

こんな感じで、自分も抱えている負の側面を物語が進む中で、一緒に解決していってくれる。

この作品は今までのスラムダンクとテイストも物語性も少々異なる作りながら、それでも漫画から一貫したこういった人生のバイブルになり得るであろう教えが詰まっている。

改めてこのことに気付かせてくれたこと、純粋にこの戦いが観れたこと、リアルタイムでこの時代に生きていたこと。

とにかく感謝しかない時間でした。

改めて漫画で読もうと思いつつ、挑戦することを忘れず日常を過ごしていきたいと思います。

では。