今クール(2024冬)のドラマって観てるドラマが何故か似ている。
というのも今観ているのが「不適切にもほどがある!」と「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」なんですが、どちらも”現代の価値観”にフォーカスしているんですよね。
裏を返せば以前の価値観との比較ということにもなるかもしれないんですが、とにかく両者ともその辺の表現があからさまで、自分自身も感じてきている部分が地味に刺さる。
その辺の比較対象となる年代が1980年代くらいというのを考えると、そこからまだ50年も経っていない。
なのに世界はこんなにも変わったのか。
~ハラが蔓延し、世界は気にすることばかりで溢れ、人の目を伺い、スマホは登場し、物に溢れ、人とのコミュニケーションは減り、慌ただしい毎日を過ごす。
この変化の速さって凄くないですか。
高度経済成長のようなものとも違う、なんか異常なスピードで物事が倍速的に進んでいく感じ。
単に成長ってだけでなく、膨張というか肥大というか。なんか色々と人間のフィジカルが追いついていないような部分を感じるんですよね。
と考えると、ここから先の50年というのも劇的な変化を遂げながら、価値観を揺るがす変革を成していくのかと思うと。
人の進化って、それこそ過去を見ると~億年っていう果てしない歳月を費やして徐々に変わってきたわけじゃないですか。それが今の状況を考えると、どうなっていくのか。肉体や精神、環境なんかは追いついていけるのか。
いやぁ、考えれば考えるほど未知ですよね。
とまあ、話は逸れましたが、今クール観ているドラマはその辺に面白いアプローチで表現されており、好き嫌いはあれど、間違い無く面白いドラマかと思います。
ちなみに「不適切にもほどがある!」に関しては、宮藤官九郎脚本によるドラマで、当時のクドカンを思い起こさせる、遠慮の無い脚本。
展開の混迷としたところや、歯に衣着せぬ言い回しやぶっ飛んだ設定なんかも健在で、これぞクドカンなんだよなと久々に思わされましたね。
途中に入ってくるミュージカル調の演出なんかも面白く、奇想天外、とにかく今後の展開が全く読めない。(現段階でも全く読めない舵取りですが)
そのミュージカル演出の部分、これをしてるのは単にちょっとした強弱をつける演出程度に思っていたんですが、よくよく見ると、これってあまりに表現が過激になり過ぎている事柄を中和させるためにこういった演出にしてるんじゃないかと思ったわけです。
いや、なんかミュージカル演出部分ってとりわけ過激なこと言ってると思うんですよ。ダイレクトに言うと強過ぎるような。
何故か3話を観た時にそれを強く感じたんですよね。演出で緩和されてるって。
戻りまして演者の設定や人選も面白く、やっぱり河合優実さんは演技素晴らしいです。映画などでもかなり気になっていたんですが。
あと磯村勇斗さんも良いですよね。演技のふり幅があって。
とにかく展開が楽しみな作品です。
それから「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」。
これLINEマンガに原作があったんですね。
タイトルからして出オチ感満載ですし、面白くなさそうに思っていたんですが、友人の勧めで観てみたらこれが面白かった。
何より原田泰造が素晴らしく、彼が出ると空気感が良いんですよね。設定のコミカルさと、本人の人間性、そこに現代の問題と価値観が重なってくる感じが丁度良く、面白い。
毎話絶対に一度は笑えますからね。
しかもタイトルの意味も3話あたりで回収され、そこかよと思わず突っ込みつつ、納得のタイトル。
それこそが全てを表していると思える作品でしたね。
今の価値観に思うところがある方は是非観てみてほしい2作品でした。
では。