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ある夜、彼女は明け方を想う

希望的観測と現実の狭間で。

『ある夜、彼女は明け方を想う』

Amazon.co.jp: ある夜、彼女は明け方を想うを観る | Prime Video


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WEBライターのカツセマサヒコによる青春恋愛小説を北村匠海黒島結菜の共演で映画化した「明け方の若者たち」のスピンオフ。

黒島演じるヒロインの“彼女”が主役となるアナザーストーリーで、原作でも映画でも語られることがなかった、“彼女”の知られざる秘密が明らかにされる。

スタッフには松本花奈監督以下、映画本編を手がけた制作スタッフが結集。物語のキーパーソンとなる人物を若葉竜也が演じ、“彼女”の友人役で小野花梨が出演する。

Amazon Prime Videoで2022年1月8日から配信。

スピンオフ、かつこの短時間でここまでドラマティックに構成できるとは。

冒頭から少しノワール的な雰囲気漂う感じで、やけに大人びた印象だなと思っていたんですが、それもそのはず、『明け方の若者たち』のスピンオフなんですから。

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そんな本作ですが、途中までスピンオフと気付きませんでした。というのも実はこの作品から観てしまっていたから。

テイストは似ているなと思っていたものの、短編的な作品なんだろうなといった印象。

若葉竜也が出ていると観たくなるというのもあって観始めたんですが、やはり抜群の存在感。

序盤で黒島結菜が言っていることが正にその通りといった感じで、ちょっと危うげな魅力ある役柄を見事に演じ切っている。

優しそうだし、兄貴肌な部分も感じ出せつつ、どことなく闇があるというか、クセがありそうだなというところがホントハマっている。

カッコ良さも絵に描いたような雰囲気。

中でも部屋でコーヒーを飲んでというシーンなんて、カメラワークも含めて最高にキマっている。レコードプレーヤーから煙に揺らぐ感じで顔へのショット。そこから彼女を映してという流れや画力。

流れている楽曲もエラ・フィッツジェラルドというチョイスに男でもカッコ良いなと思ってしまうようなシチュエーション、ストーリーに関してもかなり良い設定なんですよね。

あり得ないと思えるようなことなんですけど、実際にそれがあり得てしまうんですよと言いたくなってしまうほどに絶妙な温度感。

いつかは終わりが来てしまう、本当に好きだった、悪いことをしているのはわかっている。全てが本当だろうけど、絶対に一つしか選べないという現実。

いずれ来るであろう終わりを自分でも予兆しつつ、それが現実に突き付けられるようなほろ苦さ。

当たり前のことだけど黒島結菜演じるヒロインがやっていることは最低だし、自分勝手過ぎる。

ただ恋愛において、最低か最高かということ自体不毛な議論だと思うし、信頼以上に信用できる価値観が無い中、何を選び、何を選ばないのか。

劇中にも出てくる仕事か家庭か、旦那か彼氏か。そういったリアルな岐路と選択の数々を生々しく、実にコンパクトに纏められた作品に仕上がっているんじゃないでしょうか。

本編の『明け方の若者たち』と合わせて観ることで、一層深みが出るんじゃないでしょうか。

個人的にはこちらの作品の方が刺さりましたが、それも年齢からくるものなのか、経験からくるものなのか。

では。