日常系殺し屋モノ最前線。
『最強殺し屋伝説国岡 完全版』
これは去年観たかった。
グリーンバレットが予想以上に面白く、そのままの流れで鑑賞したんですが、これまた予想以上の世界観。
キャラ設定というかこの国岡というキャラ、この時点で成功だと思うんですが、どうでしょう。
殺し屋もので日常系、ありそうでないような設定。その主人公国岡を中心に、力の抜けた殺し屋生活が癖になるんですよね。
ハッキリ言って映像的にチープですし、プロットもハチャメチャ。冷静に観ればおかしいとこだらけなのにそれ込みで面白いんですよ。
こういう設定ってやり過ぎたり、変な違和感があるとつまらなくなってしまうと思うんですが、この作品はそうなっていない。
冒頭から二度寝、拳銃は机に出しっぱなし、ピクニック感覚の殺し、M-1観たり、観光したり、とにかく全てが普通の独身男性の様な日常として消化されていく。
これはもうこの設定と役者を配置した時点で勝確だと思うんですが、その意味で国岡演じる伊能●●さんはハマり役過ぎます。
作品の枠組みとその中での設定が上手く合っているとこういう面白い作品になるんだろうなと思いますが、本作ではそれらが見事に融合している。
唯一無二というか、国岡は国岡でしか無いし、この作品の中の一部であり全て。そういっても過言でない。
続編以上に試行錯誤している感じも見れますし、国岡という人の人柄も本作の方が良くわかる。
とにかくその国岡が最高なんですよ。
殺し屋の日常を描いているような漫画や映画は多々ありますが、ここまで独特な感覚のものは無い気がする。
何が独特なのかを説明するのも難しくて、ハマる人にはハマるし、ハマらない人にはハマらないような存在感。天然とも違うし、じゃあ普通かと言われるとそれもまた違う気がする。
これは観てもらうしかないと思うんですが、力の抜け具合と、やり取りがシュールやら間抜けやらで。
映像的な面白さも多くて、モキュメンタリーにありがちな辛辣な感じや緊迫感は一切無く、ホームビデオで撮っているかのようなチープ感。レトロゲームに近い感覚もあるといいますか、今までにありそうでなかったイメージ。
起きていることは至って深刻で残酷なことだらけな中、そういった部分をそのように描かないところが国岡流。
テロップやサウンドなんかも相当ラフで、水曜どうでしょうなんかにもありそうな演出があったり、効果音もそう。そんなチープLOVEな要素てんこ盛りで繰り広げられる国岡の原点。
ハマるのか、ハマらないのか、まず一度観てから判断することをオススメします。
では。
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