ロックアイコンたるや。
『ドアーズ』
伝説のバンド「ドアーズ」のボーカリスト、ジム・モリソンの疾風のごとき生涯と、彼を支えたパメラとの愛情をドアーズの音楽とともに描く青春映画。
エグゼクティヴ・プロデューサーはマリオ・カサールとニコラス・クレイノスとブライアン・グレイザー、製作はサーシャ・ハラリとビル・グラハムとA・キットマン・ホー、監督は「7月4日に生まれて」のオリヴァー・ストーン。
脚本はオリヴァー・ストーンとJ・ランダル・ジョンソン。撮影はロバート・リチャードンンが担当。音楽監督をポール・ロスチャイルドが務めている。出演はヴァル・キルマー、メグ・ライアンほか。
この映画自体賛否両論あるし、自分自身もここまでぶっ飛んだキャラだったのか、といった疑問もあった。
それでもデフォルメされたキャラクターとしてのジムモリソン像、ドアーズ像としては見応えあったし、何よりドアーズというバンドを知る入口としては良い気がする。
あの激動の60年代に、ここまで詩的で、シンボル的で過激なバンドがいたということを。
正直観るまでは2時間越えの作品でドキュメンタリーものは長いかもなと思っていたんですが、観始めたらあっという間。
脚色込みでここまで激動のバンド活動というか人生というか、を送ればそれはこんな時間ではそりゃ足りないですよ。
ライブシーンであるとか、メンバー間の親交であるとか押さえるところは押さえて、それ以外はバッサリ切り捨てている感じ。
バンド結成までの過程はかなりあっさりしており、その後が濃密な感じの構成。
やはりこういったミュージシャンのドキュメンタリーは音楽の使い方が非常に重要だなと思う。
その意味で過剰過ぎず、使われる楽曲のチョイス含め、個人的には中々良かった気がする。
アルバム制作の過程も端的に表現されていたし、どういったタイミングで作られたアルバムなのかもある程度わかる。
どちらかと言えば序盤のウエイトが重く、後期のアルバムの制作過程がもう少し観たかった。それでもざっくりドアーズを理解するには良く出来た作品だったんじゃないでしょうか。
必要なのは深さでなく、広さ。
良いバンドはいつまでも知られるべきだと思うので、そういった機能をもった映画として骨格はしっかりしているかと。
詩的表現に優れたバンドって今でこそ多いと思うけど、洋楽でそこまで深堀することはそう多くない気がする。
そんな中でもドアーズは歌詞カードを見ながら聴きたいバンドだし、自然と興味が湧いてくるようなエモさを感じるところが魅力的なのかと。
それにしてもヴァルキルマー演じるジムモリソンは本当に似ていた驚いた。
こういった作品において演者が本人に似ているのか問題はあると思うけど、それも正直どっちでもよくて、どういった意図があって、観る人がどう見るか、それだけのこと。
そういう意味では個人的に楽しく観られたという感じでした。
では。