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ワンスアポンアタイムインハリウッド

スタイルはカルチャーの積み重ね。

「ワンスアポンアタイムインハリウッド」

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タランティーノ監督最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」海外版予告編

クエンティン・タランティーノの9作目となる長編監督作。

レオナルド・ディカプリオブラッド・ピットという2大スターを初共演させ、落ち目の俳優とそのスタントマンの2人の友情と絆を軸に、1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描いた。

テレビ俳優として人気のピークを過ぎ、映画スターへの転身を目指すリック・ダルトンと、リックを支える付き人でスタントマンのクリス・ブース。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに神経をすり減らすリックと、いつも自分らしさを失わないクリフは対照的だったが、2人は固い友情で結ばれていた。

最近、リックの暮らす家の隣には、「ローズマリーの赤ちゃん」などを手がけて一躍時代の寵児となった気鋭の映画監督ロマン・ポランスキーと、その妻で新進女優のシャロン・テートが引っ越してきていた。今まさに光り輝いているポランスキー夫妻を目の当たりにしたリックは、自分も俳優として再び輝くため、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演することを決意する。

そして1969年8月9日、彼らの人生を巻き込み、ある事件が発生する。

タランティーノ作品はほとんど観てきたけど、ここまでハマった作品は無かった気がします。

公開から既に3回観て、パンフレットを読み漁り、ネット上の情報も拾いまくる。シャロンテート事件について色々と調べ、サントラも聴きまくり、ポッドキャストを聴き、YOUTUBEも見た。そこまでした映画自体が近年では本作くらいと言っていいほどツボにハマりました。

それくらい楽しい映画体験だったし、単純に興奮した。正真正銘、映画好きの為の映画好きによる映画。

タランティーノといえば劇中の無駄話や作品自体の長さで、退屈に観える作品もあって、自分自身もそう感じることもしばしばあった。なのでそこまで好きな監督というわけでも無かった。

好きな作品といえば「パルプフィクション」「レザボアドッグス」くらいなので熱狂的信者目線みたいなもの無く、フラットに良かった作品と言えると思う。

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本作はそれらを上回るくらいの熱量でハマったし、何よりリアルタイムで観れたことも凄く大きかった気がする。

タランティーノ映画に共通する好きな部分に、「ファッション」「音楽」「カルチャー」「サンプリング」があるんだけど、本作はその全てが最高。タランティーノの全部乗せと言っても過言じゃないと思う。

60年代なんて生まれてもいないし、どんな時代かも知らなかった。なのに「60年代最高だよ」と言わせてしまう、というか言わずにはいられない世界観を構築したところがまずもって素晴らしい。

60年代の影の部分や、ラストの展開等、賛否が分かれる部分もあるかと思うけど、それも含めて個人的に最高の作品。

まずファッション。とにかくブラピがカッコ良過ぎ。

今までもカッコ良いとは思っていたけど、心の底からカッコ良いと思ったのは本作が初めてだった気がする。「ファイトクラブ」や「スナッチ」の時も良かったけど、55歳にしてあの感じはヤバ過ぎる。憧れと、尊敬の念も込めてベスト級。

現代のミニマルでシンプルなファッションが流行している中にあって、泥臭くも男らしさ溢れるアメカジスタイルには痺れたし、アメカジブームの再来あるなと思わされる。というか単純に自分はしたいと思った。

アロハシャツ、デニム、ティアドロップのサングラス、Gジャン。

当たり前なものを当たり前に着る。それだけでは当然微妙に映るわけで。それを成り立たせる為に必要なのが、醸し出す個のバックボーンと細部へのこだわり。クリフの筋肉質な身体や気取らない性格、サイジングや絶妙なカラーバランス。衣装、最高です。

音楽も同様で、60年代というカルチャー全般を踏まえた空気感であったり、聴いているシチュエーションだったりということも踏まえてあの音楽が最高のものになる気がする。いわばタイミングが全てということ。逆に言えばその空気感をリアリティに近い形で体感できる映画を観ればその音楽やファッションを最高の形で受け取ることが出来るということ。それが知れたこと、体感できただけでも本作は最高に意味ある作品だったように思う。

他の役者も抜群のキャスティングで、ディカプリオはクソみたいな役者を演じているけど、スイッチ入った後の演技は抜群にカッコ良いし、なによりクソみたいなやつほど最高にカッコ良い。単なる美形の役者だと考えているアイドル指向の人には本気でうんざりする。サッカーでいうところのベッカムに近い気がするけど、ベッカムの本質も美形を凌駕するそのキック精度だとこの場を借りて併せて言いたい。

マーゴットロビーもこれ以上ない程シャロンテート役がハマっていたし、無邪気さや可愛さが異常でした。家でのレコードに針を落とすシーンに始まり、映画館に自分の映画を観に行くシーンまで、可愛さしかありません。今までのちょっとヤンキー気質な役柄が嘘のような適役で、メチャクチャ好きになりました。

それと子役で出てきたジュリアバターズ。この子はタランティーノ直々の指名で選ばれたらしいんですが、演技、存在感含めて、今後に期待しかない女優でした。あえて女優と呼ぶのは映画を観れば一目瞭然。可愛さ含めて本当に良いスパイスでした。

他にも色々とスパイスはあったもののどれもが最高過ぎて語りきれません。

とにかく今のうちに観れるだけ観て、空気感を体感することを強くお勧めします。

そしてサントラとパンフ購入はマストな作品かと思います。パンフに関しては情報量も多く、ソールドも出ているようなので欲しい方はお早めに。