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リドリー・スコットのSF美学炸裂!『プロメテウス』の未来感と哲学

『プロメテウス』

ポスター画像

「エイリアン」のリドリー・スコット監督が、同作の前日譚として描いたSF大作。

地球上の古代遺跡で人類の起源にかかわる重大な手がかりを発見した科学者チームが、その謎を解明するため宇宙船プロメテウス号に乗り、未知の惑星を訪れる。しかし、そこには人類が決して触れてはならない、驚きの真実が眠っていた……。

出演はノオミ・ラパスマイケル・ファスベンダーシャーリーズ・セロンガイ・ピアースら。脚本を「LOST」のデイモン・リンデロフが手がけた。

オリジネーターだからこその解釈と含み、エイリアンという異種を媒介とした人間に関するお話。

続編って徐々にそうなる傾向があると思っているんですが、なんせ突き詰めたような話になっていくことが多いですよね。

音楽にしろ小説にしろ映画にしろ。

思考が極まっていくと行き着くところは哲学的になっていくという側面もあるのかと思いつつ、本作もまさにそんな感じ。

ただですよ、リドリースコットは本当にSFというものの設定や計器類、メカ類の発想は素晴らしいんですよ。

本作でもそうした部分は遺憾なく発揮されていて、プロメテウス号の内部も凄いカッコ良い。

プロメテウス・モニタリング・システム:知っておくべきこと

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細かい作り込みのディティールなんかも見惚れてしまうほどで、ライティングやフォルム、稼働する感じなんかも含めてまぁカッコ良い。

金髪女性の部屋なんかも最高でしたね。置いてあるもの、配置なんかも含め、ミッドセンチュリーならぬ、ニューセンチュリー。未来を想像させるこういう所にこそSFの醍醐味を感じてしまう。

後は映像的な進化も同様ですよね。美しさと精緻さを兼ね備えたルック。

SFにおけるこだわりの一端を感じさせられるばかりです。

そしてエイリアンの部分ですが、これもリアルさが増している分気持ち悪さも増している。

衝撃という部分における要素は目減りしているものの、続編なので仕方がない部分でもありますし、宿命とでも言いましょうか。

ショッキングという意味ではショウ博士の腹から出てくるシーンは色々とショックではありました。

そこまでの過程からのアレですから。

しかもショウ博士がタフ過ぎる。臍の緒を自分で引きちぎり走って逃げるって、正気じゃないですよ。

そんなエイリアンと人間の関係性やアンドロイドとエンジニアという新しい概念、つまり人間は誰かに創造されたのか偶然の産物なのか。

究極的な所にまで突っ込んだ話の伏線自体は中々興味をそそるものの、神秘性に振り過ぎた展開は好き嫌いが分かれるところかもしれません。

とはいえ、エイリアンの前日章と考えると説明的になってしまう部分、リドスコ監督の神秘的な思考を考えるとまぁ、やりたかったのはこういうことなんだろうなと。エイリアン未見で最初からオススメできる作品では無いですがシリーズを観てきて興味がある方は観ておいた方がいい作品であるのは間違い無いでしょう。

個人的にリドスコのSFルックはメチャクチャ好きな要素しかないので、それだけでも満足してしまうところはありますからね。

では。