今季ベストバウトの可能性も。
『激戦を制し、雪辱を晴らす~アーセナルvsマンチェスターU~』
前回9月にあったユナイテッドとのリーグ戦。この時は連勝が止まり、悔しかったですね。今回はその雪辱を晴らすべく心持でしたが、マジで良くやってくれました。
正直ヤバいなと再三感じさせられるようなプレーも多く、実際ユナイテッドもかなりエグかった。テンハグ体制になってからのユナイテッドは調子も良いし、整理された戦術がとにかく厄介。元から良い選手はいたわけで、そこにフィットする思考がハマれば、まあそれは厄介なわけですよ。
とはいえこちらのアルテタも相当な戦術家。この試合でも見事にやってくれました。
前半はチャンスメイク、シュートなどがあったものの、中々決め手に欠ける展開。特に右SBのホワイトがいまいちだなと思っており、全体的にもパキっとしないというか、らしくないプレーも目立つような、そんな印象だった前半戦。
それでも試合自体は非常にタイトでバチバチの展開でしたし、全体的な熱量はあったんですけどね。
良かった点と言えば1点決められてからの得点タイミングでしょうか。とりあえず前半はその程度。
ですが後半からようやくスイッチが入りました。
ホワイトに変えて冨安投入。やっぱ冨安は安定したパフォーマンスが出来るのが良いですね。基本的にブレない。まあ今回は対峙した相手が悪く、ラッシュフォードのキレキレプレーに危ないシーンも何度かありました。ですが、あれはラッシュフォードの個人技が凄過ぎたので仕方無いとも言えるわけで。
それと今回見ていて、改めてボールロストしない選手が多いなと。どんな局面、展開でも奪われない選手が多く、身体の使い方が上手い。こういうギリギリの戦いだったり、ビック6を相手にする時にはこの辺の技術は差として出やすいですからね。
良かった選手を挙げるとすればジンチェンコ、サカ、エンケティア。
ジンチェンコはマジでSBなんかと思ってしまうほど、神出鬼没、今回の試合が一番その感が強く、後半のそれは観ているだけでもわからなくなるくらい。平面で観ていてもそうなのに、これをピッチ上で体現するとは。
彼は本当にスタッツ以上の働きというか、オフザボールもわかってますし、ユーティリティ性能が過ぎる。
そしてサカ。
彼も常に半端無いクオリティですが、ユナイテッド相手にここまで違いを出せるというのは相当なもの。
正対で対峙するのは相当神経使うし、それでも一瞬の隙で抜かれるんだろうなと思うと、かなりの脅威。
カットインからの十八番のシュートも見事で、あれは止めれないですよ。あのタイミング、あの弾道、何度も言うようですが、それを好調ユナイテッド相手に出来ちゃうんですから。
エリクセンに弾かれたカットインからのシュートも、見事に得点時と同じ枠内いってましたからね。
エンケティアも凄かった。
ジェズス無き今、加速度的に頼れるストライカーに成長中。
毎試合ごとに精度が上がっているなと思いつつ、この試合でも収まりがとにかく良い。結構厳しい局面でも収めて前を向けますし、ボックス内でのポジションは相変わらず良いんですよね。
枠内シュート3本で、うち2本決めてますから、決定力も付いてきた。タッチ数が36と少ないながら、オフザボールの動きや少ないチャンスを決めるという、ストライカー必須のスキルを上げてきたのは大きい気がします。
その他の選手もかなりタイトかつアグレッシブに動けていたし、これは両者に言えることですが、トランジションの早さがエグイ。このテンションで最後まで行き切ってしまうんだから、そりゃ両者とも好調ですよ。
終盤で投入されたトロサールも良かったですね。あの短時間なのにボールの持ち方と判断の良さが光っていました。ブライトンでも好調だったわけですし、もう少しプレーを見てみたかったですが、まぁあの大事な局面でのフィットネスを見れただけでも良しとしましょう。初戦ですし。
ユナイテッドに関して言えばブルーノがジンチェンコ的な縦横無尽な動きで厄介でしたし、アントニーも前回の対戦同様、単騎での突破が出来る選手なので結構苦労していた気がする。
ベグホルストはボールの収まりも良かったですし、意外に大柄ながら動き出しがスムーズで抜け出しも相当に厄介かと。
個人的に一番厄介だと思ったのはルサンドロマルティネスでしたね。
このスタッツを見ても明らかですが、それに加えてオフェンスでも活躍しており、得点シーンは見事でした。アルゼンチンらしいプレースタイルで、フィジカルも強いですから、中々に厄介だなと。
そして何といってもラッシュフォードじゃないでしょうか。サカ同様、こんな良い選手だったかなと思うくらい、成長が止まらない気がする。スピードに乗っても厄介だし、乗らなくても初速で振り切れてしまう。スキル的にも超一流なので冨安が苦労するのも分かります。1点目なんて、振りが早過ぎて反応出来ないだろというスピード感でしたからね。
あっ、忘れてならないプレーがありました。51分過ぎのキャプテンウーデ。
ボックス内であのプレスを受けてのあれは何ですか。天才以外の何物でも無いヤバさ。あれをこの強度、トランジション、対戦相手の中でやれるとは。とんでもない選手です。その後のシュートは惜しくも外れましたがあのプレーは痺れました。
とにかくこの試合はかなり白熱した名試合でした。ちょっと観返しながらもう一度楽しみたいと思います。
では。