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失はれる物語

自分が小説を読みだしたきっかけが伊坂幸太郎さんと乙一さんだったんですよね。

久々に乙一作品が読みたくなって読みだしたのがこの短編集。

『失はれる物語』

やっぱり独特の世界観、というかダークファンタジーmeets実世界といった不思議な世界線。むしろ実世界の中にこそダークなファンタジーが潜んでいるし、それは時に単純なファンタジーもあるのかもしれないと思ってしまう。

どの話もメチャクチャ引き込まれ、あっという間に読めてしまうし、どの作品も全然違う世界線ながら面白い。

世界の見え方と捉え方を考え直させてくれると言いますか、とにかく感慨深い作品が多い気がするのも特徴的。

個人的には『マリアの指』が素晴らしいと思っていて、ミステリーとしても読め、感動もするし、青春だし、考えさせられもする。

そして何より構成が素晴らしい。

読み終えた後に長編を読んだような錯覚を覚えるし、あの短編内でここまで練り込まれた話を作り出すのは凄いと思う。

その中にもグロテスクな部分はあったりするし、それこそ乙一ワールド全開。このグロテスクさが病みつきになるんですよね。

奇しくも今クール観ているドラマ、『ミステリと言う勿れ』にも通じる人の多面性、物事の多面性。この辺が重なるところがありました。

人の一面は誰かにとっての一面でしかなく、その複数から構成される自分という存在、そしてその受け手の数だけ自分があるという複雑怪奇なミスリードに、納得しながらも驚きもあり、世界って面白いなと感じながら見ておりました。

やはり発想力と視点、この辺が面白い人は話も面白い。乙一作品も今一度チェックしてみようかと思います。