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音楽も最高なアメコミの新たなビジュアル体験:『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』

「音楽も最高なアメコミの新たなビジュアル体験:『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』」

ポスター画像


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ニューヨークを舞台にカメの忍者4人組の活躍を描き、コミック、ゲーム、アニメ、映画などさまざまなメディアで根強い人気を誇る「ミュータント・タートルズ」を、アメコミタッチの新たなビジュアルで映画化した長編アニメーション。

ミケランジェロ、ドナテロ、ラファエロ、レオナルドは、不思議な液体「ミュータンジェン」に触れたことでミュータントとなったカメたちだ。目立つ姿を隠すため地下や路地裏で身をひそめるように過ごしているが、中身は普通の人間のティーンエイジャーと変わらない。学校に行ったり恋をしたり、人間と同じ生活を送ってみたいと願いながら、拳法の達人であるネズミのスプリンターを師匠に、武術の腕を磨いている。ある時、そんな彼らの前に、ハエのスーパーフライを筆頭としたミュータント軍団が現れる。同じミュータントの仲間がいたことを喜ぶタートルズだったが、スーパーフライ軍団は人間社会を乗っ取るという野望を抱いていた。

コメディアンで俳優のセス・ローゲンがプロデューサーを務めた。監督は、アカデミー長編アニメーション賞にノミネートされた「ミッチェル家とマシンの反乱」で共同監督を務めたジェフ・ロウ。日本語吹き替え版の声優は宮世琉弥、「日向坂46」の齊藤京子佐藤二朗ら。

海外のアニメーションもどんどんクオリティが上がっていくなと思わされる、そんな作品でした。

スパイダーバース時にも感じたんですが、それとはまた違う手触り感。

スパイダーバースがコミックの様式や吹き出し等の形式で表現したのに対し、本作ではコミックそのものを映像化したような質感。演出による部分というよりはダイレクトにコミックを映画で観ている感じ。これはこれで新鮮で面白かったですね。

このミュータント・タートルズなんですが個人的には結構思い入れがあって、小学生当時SFCで出ていた「T.M.N.T タートルズインタイム」。このゲームにメッチャハマったんですよね。

2D横スクロールアクションで敵を倒していく。タートルズがそれぞれに武器も違って、キーカラーが違うというのを知ったのもこのゲームからでした。そもそもタートルズ自体知らなかったですし。

今ではスイッチでも出来るようで。懐かしい。

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それから数十年。タートルズをそれ以外で見ることは無かったんですがアニメーション映画でやるということで鑑賞してきた次第です。

アニメーション映画としての作りは先に書いた通りなんですが、意外だったのがタートルズの生い立ちや関係性、キャラクター造形といったディティールの部分。

アメコミにありがちな設定ではありつつ、地下でミュータントとして生きる生活には混じりっ気の無い文字通りのストリートスタイルを感じましたし、ああいった生活を送っていたからこそのストリートカルチャーに憧れてしまう。もうこれは納得ですよね。

ちょいちょい出てくる現実世界とリンクするカルチャーワードも響くものが多かったですし、似合うんですよね。彼ら4人の雰囲気なんかも含めて。

関係性もそうで、仲間じゃなくて兄弟的な繋がりがあったとは。父親としての存在やベスト・キッドっぽい師弟関係など。4人のキャラクターが絶妙に被らず、それぞれの人柄みたいなものが会話や持ち物、行動なんかから伝わってくるというのも良かったですね。

造形の部分もアニメーションに寄り過ぎず、コミックのテイストを残していることが雑多なストリートと相性良かったですし。

演出的な部分でも、安直な教則映像みたいなのを挿入し、テンポよくあっという間に習得する潔さは映像としても演出としても面白かったです。

あとバトルシーンも良かったですね。太めの線画で残像をトレースするような演出もあり、躍動感やコミック感が存分に出ていて。特に終盤の怒涛のバトルは画面の縦横奥行、全てを惜しみなく使っていて、立体的な奥行き感、臨場感が良く出ていた。

中でもミュータントが市民に受け入れられ、様々な人から人へ敵を倒すためのものが渡っていくシーンは見事でした。曲芸でも観ているような爽快感があり、かなり没入しましたね。

物語的な部分も意外に骨子がしっかりしており、導入から各キャラの描写、出会い、変化、バトル、感動、この流れがすんなり入ってきて最後メチャクチャ沁みましたから。

あとは何といっても音楽ですよ。エンドクレジットを観ていて、トレント・レズナー×アティカス・ロスが関わっていたのかと。

選曲のチョイスもまさにストリートならでは。ラップとの相性が最高ですよね。改めて映像と合わせて観た時にストリート×ヒップホップは抜群だなと。低音の鳴りも良く、サウンドのパキっとした感じも妙に心地良かったんですよね。

これはサントラだけ聴いてもかなり楽しめちゃうくらい。

個人的にDe La Soulの「Eye Know」とGang Starr「Work」は痺れました。あとBlackstreetの「No Diggity」はやはり中毒性が高かったですね。抜群にビートがカッコイイ。シンプルなのにノリノリに乗れる感じ。最高でした。

といった感じで他の曲も最高なわけですが、この点や映画内で出てくるカルチャー用語を聞くだけでも最高のストリートアニメーションだなと痛感するわけです。

ということで音楽が良い。なので絶対に映画館で観ましょう。

では。