Blcrackreverse

Diggin LIFE 掘って掘って掘りまくれ!

Blcrackreverse

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

これほどまでに切ないギャング映画があるか。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

 1920年代初頭のニューヨーク。禁酒法の嵐が全米に吹き荒れる中、二人の少年、ヌードルスとマックスは出会った。やがて二人を慕う仲間たちが集い、彼らの暴走は狂気を帯びていく。

 4時間近い作品ですが、人生を描くにしては短く感じてしまうほど。それくらいあっという間に時間が過ぎていきます。ギャング映画でカッコ良さやアクションに寄ることなく、ここまで人物にフォーカスした映画は初めてだったので凄く感慨深かった。

作品自体はザ・アメリカといった趣で、各シーンがとにかく昔のアメリカ的な印象を受ける。それとサントラが秀逸すぎる。要所要所に出てくる同じサウンドがあるんだけど、それが流れただけで胸にずしんとくるものがあって、人生の深みを感じる。

人は時間と時代には抗えないという事実を痛感しながら、その中で各人の栄光と衰退のような浮き沈みを経験していく。

やっぱこの時代のデニーロの演技は素晴らしくて、表情一発で全てを語りかけてくる節がある。そして何よりカッコいい。

映画自体の構成も複雑で、過去と現在を行き来して物語を進行していく。SFやサスペンス的な類では無くて、人生の回顧的な感覚に近い気がする。頭で思い描く回顧感って実際劇中のように曖昧で秩序だってないものだから、これはこれで良い気がする。

誰しも過去にこうしていれば、といった考えを抱くことはあると思うけど、ここまでのリアリティを持って現在に繋げ、現在でさえ美化しないところにこの映画の良さがあるように思う。

今感じたままを大事にし、今あるものを大切にし、今思うように行動する。その結果がどうなるかは誰にもわからないし、いずれわかることになるんだから。

やっぱり「今」を生きること以上に必要なことなんてないのかもしれない。後悔先に立たずっていうくらいだしね。