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舞台の迫力と臨場感~Nana Produce Vol.12『シェア』編~

『舞台の迫力と臨場感~Nana Produce Vol.12『シェア』編~』

Nana Produce

そこはどこだ。東京の外れか。ほとんど千葉か埼玉か。よく分からない。どこでもいい。とにかく古びた一軒家。草臥れた大人たちが共同生活をしている。行き場のない者たち。つまらない毎日。危うい関係。いつまで続くか雲隠れ。これは、2019年12月から2020年2月までの物語。

大きな舞台は観に行ったことがあったものの、『劇場』『アルプススタンドのはしの方』を観てからというもの、小さめの舞台が気になっておりました。

映画でもミニシアター系の映画から入った自分としては、そういった小劇場公開のような凝ったもの、玄人向けのコンセプトといったものが気になっていたのも事実なわけで。

そんなタイミングで食事に行った、舞台好きな先輩とそういう話をしていたところ、タイミング良く公演されていたのが本公演でした。

待っている時間からセットを観ていたんですが、本当に空気感が詰まっている。舞台開演と共に、その空気感は一層密度を増し、演者の空気感や臨場感が舞台一帯を覆っていた。

やはりよく観る映画と比較してしまいがちだったのだが、一番の違いはその臨場感、生々しさ。

人がそこにいて話し、動く。その一連の中で表情や仕草といった細かいニュアンスも空気感と共に伝わってくるし、セットや美術、音楽などもその臨場感を一層引き立ててる。

映画はスクリーンの中で起きていることを観ているのでどうしてもスクリーンというフィルターが入ってしまう分、距離感が出来てしまう。それが無いことで、ここまで違うということに驚いた。

そして場面の端々まで目がいくということ。これも映画だとスクリーンという構図にもたれてある種監督に誘導される形で作品を観ているわけだけど、舞台にはそういったものが無い。

これも面白くて、自分が気になる細部に好きな時に目を向けられるということが新鮮な感覚でした。

ようやく本公演の話ですが、これまた単純に面白いとか、つまらないとかといった区分けが出来る作品で無く、観終わった後も余韻が残るような作品でした。

個人的に俳優志望の住人が出てきた場面。確実にトレインスポッティングレントンの影響を受けている描写があったのはトレスポ好きとしては非常に親近感が湧いて、単純に興味をそそられました。

本公演のタイトルであるシェア。シェアハウスのことを指しているのは明確ですが、観ていくうちに、住居をシェアすることが、互いの人生をシェアすることにもつながり、作品内で言われていた「お互いの距離が近くなればなるほど、知らなくていいことも気になりだす」というのは良い得て妙だなと思いました。

人はそれぞれ色々と抱えているものであって、シェアしたいこと、したくないこと、しない方がいいこと、してもいいこと。そういった内側のオープンにならないブラックボックスの部分を見せられたような気がして、色々と考えさせられる公演でした。

映画以上にその場にいて、実際に観るべき作品。それが舞台の強みであって、その必要性を強く感じた体験となりました。今後も気になる舞台はチェックしてみようかなと思います。

余談ですが、脚本の面白さみたいなものに気付くのも舞台の方がその違いがはっきりと分かる気がするので、そういった観点でも楽しめるのが舞台だなとも思ったりしました。