Blcrackreverse

Diggin LIFE 掘って掘って掘りまくれ!

Blcrackreverse

『デ・キリコ展』で感じる、形而上絵画の深淵—アートが創造する新たな感覚

昨年展示会のことを知ってから気になってたんですよね。

デ・キリコ展』デ・キリコ展』公式サイト

まず画のインパクトが凄い。美術作品って色々な見方があるかとは思うんですが、技術的な部分云々よりもとにかく個々で感じる”インパクト”って非常に大事だなと思っているんですよ。

なにかしらフックアップされるようなものがあり、それと呼応する形で気になるわけだから、それがまずもって大事な感覚かなと。

そういった意味でこのデ・キリコ展に行ってきたんですが、漫画であったりアニメであったりへの影響もあるんだろうなと感じさせられるような作品も多く、良かったですね。

デ・キリコというと主には形而上学的絵画が有名かと思うんですが、やはり自分も好きな作品はそうした形而上的なものがとりわけ好き。

形而上的絵画(Metaphysical Painting)は、20世紀初頭にイタリアの画家ジョルジョ・デ・キリコによって始められた芸術運動です。この絵画スタイルは、現実世界の物や場所を描きながらも、それらを異質で謎めいた雰囲気に包むことによって、観る者に不安や不思議な感覚を抱かせる特徴があります。

形而上絵画の特徴として:

空虚な都市風景:無人の広場や建物がしばしば描かれ、そこに人間や物体が孤立したように配置されます。

深い影と不自然な光:不安定な光源と長い影が強調され、異世界的な雰囲気を生み出します。

神秘的な対象物:古典彫刻や奇妙な形をしたオブジェクトが頻繁に登場し、謎めいた雰囲気を強調します。

形而上絵画は、後にシュルレアリスム(超現実主義)運動に影響を与え、20世紀のアートに大きな影響を与えました。

ちなみに一番惹かれたのはこちら。

幻想的かつ非日常な空間を描いた、デ・キリコの貴重な作品群|Pen Online

後期の作品で、新形而上的絵画と呼ばれ従来の形而上的観点とゴシックな概念とを足し、現代的な解釈を加えたような作品なんですが、この洒落とも取れるようなバランス感。

過去の偉人と自作を同一の画面内に収め、外に広がる風景もおそらく過去のもの。それでいて現代的な住居の中に水面を模した空間が広がっているって。

謎以外の何ものでもないじゃないですか。

しかもタイトルが「オデュッセウスの帰還」ですからね。どこに帰還しとんねんって。表情も意外に意気揚々としてますし。

それ以外にも形而上的な作品はモチーフや構図、塗りの面白さがあったり、各々が違った視点で解釈できるという部分も面白く、芸術が創造性だということをまざまざと思い知らされる。

驚くべきはデ・キリコの多様性という部分もあり、造形から衣装に至るまで、絵画以外での広がりというところも非常に完成度が高く驚かされた。

90年という長い生涯の中、人生になぞらえて作成されてきた意識、無意識を問わない変化を、作品というものを通して心境を推し量れるのも中々に興味深いところではありました。

余談ですがグッズ類がかなり充実しており、質、量ともに申し分ないラインナップで展開されていたのでこうしたテイストに興味ある方は絶対に足を運んだほうが良いかと思います。

余談ですが、帰りに行った羊香味坊は相変わらず安くて美味い。

ラム系が好きな方は是非。行ってみてください。

洋河大曲という中国の焼酎?でのハイボールが激推です。ラムとの相性も良く風味が爽やかで飲みやすい。

tabelog.com

では。