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若おかみは小学生!

ひたむきな姿勢に人は心打たれるのか。

若おかみは小学生!


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累計発行部数300万部を誇る人気児童文学シリーズ「若おかみは小学生!」をアニメーション映画化。

小学6年生の女の子おっこは交通事故で両親を亡くし、祖母の経営する旅館「春の屋」に引き取られる。旅館に古くから住み着いているユーレイ少年のウリ坊や、転校先の同級生でライバル旅館の跡取り娘・真月らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみの修行を始めることに。

失敗の連続に落ち込むおっこだったが、不思議な仲間たちに支えられながら、次々とやって来る個性的なお客様をもてなそうと奮闘するうちに、少しずつ成長していく。

人気子役の小林星蘭が主人公おっこの声を担当。「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などスタジオジブリ作品で作画監督を務めてきた高坂希太郎が、「茄子 アンダルシアの夏」以来15年ぶりに長編劇場アニメの監督を手がけた。

脚本は「映画 聲の形」「夜明け告げるルーのうた」などヒット作を数多く担当する吉田玲子。

評判の良さは知っていたんですが中々観れず。

アニメーション作品には良くあることですが、絵づらと内容が良い意味でズレているという感じ。

この作品もそんな作品で、一見すると可愛らしく、ほのぼのした内容なんだろうなと思うんですが、観てみると骨格はしっかりした作りに驚かされる。

まあ監督、脚本をはじめとしてスタッフ陣はかなりしっかりした陣容ですしね。

小学生が若女将をやるという突飛な発想から生み出される独特なグルーヴ感。

小学生っていうのが絶妙なところで、それより幼いと無理のある部分が出過ぎてしまうし、それより上だとしっかりし過ぎになってしまう気がする。

その際どい所を良く表現できているし、出てくる人物や幽霊の存在なんかもとにかくちょうど良い。

物語への関わり方や親密さなんかも良い感じなんですよね。ちょっと無理があるような設定や展開もある中、この物語を観ていく上では過度に映り過ぎないというか、必要に思えてきてしまう作り。

映像的な高揚感もあって、突然挿入されるハッとするような場面、こういった場面でのサウンドも含めて、映像的なテイストとバッチリと合った感じ。

個人的に一番印象的だったのがウリ坊が見せてくれる花畑のシーン。

あれは思い出と共に、どういった心情でその場にいたのかまで綺麗に表現できていると思う。

「あっ」と思わされるような場面っていうのはやっぱり感覚的なものだし、だからこそノスタルジックな気持ちにもさせられる。

その他にも車で買い物に行く場面からの買い物シーン。これもタイトにカットが割られていて、テンポ良く楽しく見られるし、道中でのセンチメンタルなシーンとの対比もメチャクチャ良く効いてくる。

あとはあの鯉のぼりのシーンも圧巻でしたね。

フワッと揺れ広がる、場面内の奥行とダイナミックさ。あれは綺麗だったな。空の青々とした感じや広がりも最高に開放的だった。

内容的には実際重い話だし、心から楽しめる作品なのかと言われれば疑問も残る。だけどそういった内容をここまで軽快に、むしろ前向きに捉えさせてくれるのはこの作品のテイストがあればこそ。

主人公であるおっこの姿勢もそうだし、出てくる人物たちのひたむきな姿勢も相まってとにかく前向きな気持ちにさせてくれる。

ラストへのカタルシスの向かい方も含め、落ち込んでいる暇は無いと思わせてくれます。

予想以上に良い作品でした。

では。

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