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もっと超越した所へ。

確かに色々と超越している。

『もっと超越した所へ。』

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劇作家の根本宗子が脚本・演出を手がけた2015年上演の同名舞台を、根本自ら脚本を担当して映画化。前田敦子が主演を務め、ダメ男を引き寄せる女たちの恋愛模様を描く。

2020年、デザイナーの真知子はバンドマン志望の怜人と、元子役でバラエティタレントの鈴はあざとかわいい男子の富と、金髪ギャルの美和はハイテンションなフリーターの泰造と、風俗嬢の七瀬はプライドの高い元子役の慎太郎と付き合っていた。

それぞれ彼氏に不満を抱きながらも幸せな日々を過ごす彼女たちだったが、男たちは彼女に甘えて増長し、ついに別れの時がやって来る。

前田扮する真知子の彼氏・怜人を「Sexy Zone」の菊池風磨が演じ、「生きてるだけで、愛。」の趣里、「スマホを落としただけなのに」の千葉雄大、「サマーフィルムにのって」の伊藤万理華、ロックバンド「OKAMOTO’S」のオカモトレイジが共演。監督は「傷だらけの悪魔」の山岸聖太。

鑑賞後に舞台作品の映画化と知ったんですが、やはりというか、舞台原作の映画化は独特なテイストになるんですね。

本作では特に終盤の展開でその舞台感を強く感じるわけですが、良くも悪くもダイナミズムが半端無い。

そんな本作はいわゆる『日常系恋愛モノ、ダメ男編』といったところ。

まあ女性側の視点から描かれているからそう見える側面もあると思うんですが、ホントダメすぎるメンツばかり。

世の中ってこういう恋愛もあるんだろうなと思うと、ある種の怖さとか、人間の複雑さを感じますし、変な生き物だなと自分も含め、改めて思わされます。

この作品では四組のカップルが描かれるわけですが、四者四様。なのにどこか似ていて、どこか似ていない。

冒頭、それぞれの『米』にまつわる映像が流れるわけですが、その姿勢を見るだけで個々の特徴というか、雰囲気が伝わってくるから不思議なもの。

まあ人の本質は日常の細部に宿るということでしょう。そんな些細な部分からでも並べてみると違いが見えるし、個々の違いが面白いほど浮き出されてくる。

そういったことを含め、終始漂う妙なシンクロを楽しめるかが本作の分かれ目かなと。

まず映像的な部分のそれとして、会話の内容や具体的な事象が互いに共鳴すること。

カットを繋げることで一つながりのように見えるような演出も独特で面白いし、こんな繋げ方なのにシンクロしてくるんだとすら思ってしまう。

そして、人物たちの共鳴。

それぞれ別の人と付き合っているし、別の場所で起こっている、全く別の恋愛模様。それなのに何故だか同じような問題にぶつかっていたり、そうじゃなくても同じような感情を抱いていたりする。

この変は終盤の展開と関わってくると思うので多くは語りませんが、こうしたシンクロも感覚的ではあるものの、緻密に構成されていて面白い。

とにかく恋愛というものに関してリアリティのある他者目線を共有できるという面白さ、まあ人の恋愛って観ることないでしょうし、こんな定点的な、複数の恋愛模様を生々しく観れるというだけでも珍しい体験じゃないでしょうか。

映画で描くと美談的なものになりがちな恋愛というものを実にストレートにシンプルな日常として見せてくれる。

一緒に過ごす人で内面から外見まで似てくるものだし、ひいては生き様みたいなところまで似てくるわけだから面白いものです。

一見矛盾するようですが、それと同時に、人は意外に変われない、ということも示されている気がするんですよね。

まあ、それを悲観的に捉えるだけじゃなく、変われない自分でも受け入れてくれる人がいるかもしれないと思えるような作りにはなっているわけですが。

結局のところ気が合う、波長が合う人といずれは出会うことが出来るんだと。あくまでも可能性の問題ですが、意外にそういう人とは何らかの形で、思わぬタイミングで出会うんじゃないだろうか、そんなことを思わせてくれるような作品でした。

もっと超越したところへ。

タイトルが示すものと、終盤の展開を考えた時、納得しかない超越感を味わう事でしょう。

では。