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オカルト

こうやって醸成されていくのかと思ってしまうほどのカルト感。

『オカルト』

ポスター画像


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ノロイ」「口裂け女」などで知られるホラーの鬼才・白石晃士が、オカルト・ドキュメンタリー番組を製作する人々のスリルや恐怖を描いた意欲作。

アカルイミライ」「トウキョウソナタ」の黒沢清監督や漫画家の渡辺ペコなどが特別出演している。

3年前にとある観光地で起きた通り魔殺人事件に興味を持った映画監督の白石は、事件の唯一の生存者で現在はネットカフェ難民の青年・江野に取材を敢行する。

白石監督作品の中でも評判が高い作品で、今観ても変わらない王道感は健在でした。

モキュメンタリーとPOVの併用という本作ですが、そのクオリティ、リアリティが半端無く、この手の中では1,2を争う作品だなと。

白石監督作は毎回リアルが過ぎるなと思ってしまうんですが、本作はその点でも抜きん出てる気がします。

タイトルにもあるように扱っているのはオカルトそのもの。しかもその幅も広く、自然と盛り込まれてるもんだから、ホントに変な感覚がしてくる。

序盤こそ、事件性というか、そういった点の部分にフォーカスが当たっていくんですが、観ているうちに段々と主人公的な人物を中心にフォーカスが当たってくる。彼の生活というか思想というか、そういった面の部分に段々と引き込まれていくんですよね。

これが非常に面白いというか怖いというか、とにかく変な感じなんです。

これって映画的にも唯一無二な感じだと思っていて、宗教であったり、ストックホルムシンドロームだったり、こういう風に醸成されていく感情なんだろうなと自然と思わされてくる。

この自然にというのが肝で、全てをありのままに、自然と感情移入し、当たり前の日常へと昇華されていく。

その辺の見せ方や脚本、演出なんかが素晴らしいからこそそう見えてくるんだと思うんですが、所々に挟み込まれるオカルト的見地も興味深く、さらにグイグイ引き込まれてしまう。

大きく分けると前半と後半に分かれているなと思っていて、前半は主人公的な人物を懐疑的に見ている撮影者側の視点。後半はその撮影者側もそれらに同調していくような視点。

この辺の表現も見事で、観ているこちら側も撮影しているプロデューサーと同じような心境になってくるし、後半は青春モノなのかなと錯覚してしまうほど生き生きと見えてきてしまう。

現実で起きてたら絶対にそう思わないはずなんですが、何故だか応援したいような、そんな気が湧いてくるからなおさら不思議。

撮影している視点なんかも全く違和感ないんですよね。これが逆に凄いというか、本当にドキュメンタリーのようなかたちで撮られているからこその妙な説得感すら感じてしまう。

あぁ、この視点はこの場面でこうやってカメラ構えてたなとか、ここに置いてるからこうやって撮れてるのかとか。

話の展開の部分も、引きずらせる余韻の部分も、ラストへの流れも含めて、とにかく一連の流れでさえも自然に引き込まれていく。

ラストなんてここまで持っていくのかと思わされるほど、画面に釘付けでしたし、ビックバジェットだとやれないような畳み方にも驚かされました。

最初から最後まで何故だか引き込まれる。謎としか言いようのない映像体験を是非一度は味わってみてはいかがでしょうか。

では。

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