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デビッド・クローネンバーグ監督が超能力者たちの戦いを描くSFスリラーで、のちにシリーズ化もされたヒット作。

浮浪者のべイルは自分がスキャナーと呼ばれる超能力者であることを知らされる。その頃、もうひとりのスキャナー、レボックがコンセック社の会議場で人の頭蓋骨を破裂させるという事件が起こる。

自らの能力を使って、世界征服をたくらむレボック。女性スキャナー、キムとともにレボックを追うベイルは、やがて自分とレボックにまつわる秘密を知ることに……。

2013年、クローネンバーグ監督の新作「コズモポリス」(12)公開にあわせた特集上映「コンセプション オブ デヴィッド・クローネンバーグ 受胎」でリストア版が公開。

何となくジトっとした映画が観たくなって、なぜだかアマプラに登場していたクローネンバーグ作品を。

マス向けじゃないコア向けな作品って、しれっと出てはいつの間にか消えていくからホント気持ちとタイミングが重要。まあそれもまたストリーミングの良さなのかとも思うのですが。

ということで見出した作品だったんですが、クローネンバーグはやっぱりとんでもなく狂気的。

発想というかなんというか、それを具現化する力ありきで、ぶっ飛んだ作品に仕上げるセンスが独特過ぎる。

本作の頭ぶっ飛び爆破シーンは有名ですが、それ以上に驚いたのがそのテーマ性。1981年製作にも関わらず、よくあのSF感を出せるなと。映像的なSF感ありきなものは間々あるかと思うんですが、発想による禍々しさ溢れるSF感が特徴的。

人のとる行動だったりの愚かさとそれがもたらす未来の感じ。結局人って科学だったり、文明だったり、知識だったり、技術だったりと進化する中で本質がずれていくようなところがあるんですかね。

一つの欲が解決すればまた別の欲求が生まれてくるわけで、そのコントロールが過剰になるとこういうことになるのかと。もうそれはフィジカルのジャケットを見れば一目瞭然。これもこれで凄いインパクトだし、この場面を抜き出すかと思ってしまうほどに衝撃的。

まあアンタッチャブルな領域の話と言えばそうなんですが、その発想があの薬、エフェメロルっていうのもなんか良いなと思ってしまう。

この話は史実を発想に作られているらしく、戦時中の人体実験が元ネタとのこと。

これも今ではわからなくなっていることも多い中、考えるとホント怖いなと思わされるような実験の数々。人が人を人として扱わなくなり、単なる道具や生き物として成立してしまう世界。裏を返すと人が他の動植物にしていることと同じわけですが、こういうことは考えれば考えるほど複雑でカオスな領域だなと思ってしまいます。

ただ言えるのは進化と衰退は紙一重だということ。

結局人は感情と欲望によって突き動かされ自らの身すら滅ぼしかねない。なんか滑稽に聞こえるけどそれをこういう物語で見せられると、ホント無様な生き物だなと。まあそれは自分も含めてですが。

そういった内容的なことももちろん、映像としてのグロテスクさもさすが、クローネンバーグ。

突拍子も無いところから突拍子も無いことが起き、その様は実にグロテスクで生々しい。

当たり前なんだけど、オブラートに包まなければ日常で起きうることにもこういったことはあるわけだけど、あまりにストレート過ぎる表現の数々。

個人的にはそれがありのままだし、好きな所なんだけど、観る人は確実に選ぶ作品じゃないでしょうか。

ラストのバトルなんて、どういうバトルなのと思いつつも、その凄みに圧倒されて、見入ってしまう。そういう何だか惹きつけられてしまう謎な引力がある作品群が多いのもクローネンバーグの特徴じゃないでしょうか。

そういった感覚的な様相を具現化し表現するのが上手いからこそこういった作品が作れるんだなと改めて思うとやはり凄い独特な監督です。

何度も観たいかと言われるとクエッションが残るかもしれませんが、一度は体験するべき作品であることは間違いないかと思います。

では。