読むとホッとする感覚。
『夜とコンクリート』
柔らかいのに使われているのは角ばったものばかり。
色使いも基本は黒と白と極端なのに何故か優しい感じがする。
それはストーリーに関係していることもあると思うけど、とにかく読んでいて優しい気持ちになれる。
漫画を読んでいてそこまでハッとさせられるシーンってのも少ない中、本作はそういった場面がいくつもある。
コマ割りと大胆さが相まって、純粋に画的な驚きがあるんですよね。これは絶対に見ないと伝わらない感覚かと。
是非何も知らずに見てほしい。
この作品は短編集になっており、全4作品描かれて、どれも違って、どれも面白い。
ファンタジックでどこか懐かしく、なんとなく心当たりのあるような物語。夜とコンクリートと言うだけに、全ての作品がそれらと絡んでいるし物語上のメインになっているとも言える。
騒がしい夜ではなく静かな夜、冷たいコンクリートではなく柔和なコンクリート。ここ最近の短編ではかなり好きなテイストかもしれません。
他の作品含め町田洋作品、チェックしてみたいと思います。