ただの極上でしょ。
『ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート』
世界的バンド「ザ・ビートルズ」伝説のラストライブパフォーマンス「ルーフトップ・コンサート」の模様を、IMAXシアターの巨大スクリーンと高音質サウンドで上映する音楽ドキュメンタリー。
「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が手がけ、全3話のドキュメンタリーとしてDisney+(ディズニープラス)で配信された「ザ・ビートルズ Get Back」にも収録されているルーフトップ・コンサートの映像を、IMAXシアターでの上映用にデジタルリマスターして最適化した。
1969年1月30日、「Get Back(復活)」を掲げて集まったジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人が、名盤「レット・イット・ビー」に収録された名曲の数々を、ロンドンにあるアップル社のサビル・ロウ本社屋上でサプライズ披露した伝説のライブパフォーマンスが、時空を超えてスクリーンに映される。
生で見ることは出来なかったし、体験することも出来なかった。
それでもほんのわずかでもタイムリーに関わることができて良かったと思えるような至福の体験。本気で時空を超えました。これ5日間じゃなくて定期的にやってほしいくらい。
出音が鳴った瞬間、それこそIMAXの良さを実感。微細な音や、唄のハーモニー、艶感のある声や、臨場感のある街並みの音、全てにおいてリアリティのある映像体験の世界へ誘われます。
この生々しさは完全に最適化されたでしょと思うほどに、最高の視聴環境。
巨大なスクリーンと音響で再現されるもんだから、最高じゃないわけがない、と冒頭から鳥肌もの。
特に感じたのがポールのボーカルとしての存在感じゃないでしょうか。。艶のある声質に、突き抜けるような高音と伸び。ノリもメチャクチャカッコ良くて、真似したくなるような前のめり感はポールならでは。衣装をとっても、ブラウンのスリーピースがバッチリ決まっていて、あの野暮ったい髪型とか髭も良いんですよね。
後期のビートルズってアイドルっぽさは全員皆無ですし、むしろアーティスト寄りといいますか、段々玄人向けになってくる。その変化が10年足らずで起きているとは思えない、破格のダイナミズムでお送りされていると実感する次第。特にファッションなんかは顕著ですし、サウンドにしても複雑な試みが増えている感じ。
まあ、そっちの方が個人的には好きで、やっぱり万人受けより、玄人好みな方に惹かれがちなんですよね。
ただ、そういったマニアックな方向性のみならず、大衆の支持も確実に集めていることところにこそ、ビートルズの凄さと偉大さを感じます。しかもそれらを当時から気付かせるだけの実力があったのにも驚きでした。
本作内での街頭インタビューを見ればその辺は一目瞭然ですし、映像を観れば納得の説得力。音が全てを凌駕し、その存在感を誇示するところに、もう説明はいらないでしょう。
同時並行的に2カメ、3カメと場面を場面を割っているのも臨場感が出て効果的でしたし、何よりこの映像がこんな鮮明に残っているところが有難過ぎる。
1960年代とは思えぬクオリティに驚きますし、マジでタイムスリップしたかのような錯覚を受ける臨場感にただただ脱帽。
まだディズニープラスのドキュメンタリーは観れていないんですが、これは必見だなと改めて感じたライブドキュメンタリーでした。
ビートルズの楽曲はやっぱりいつ聴いても良いですね。聴くたびに新しい発見がありますし、好きな楽曲も変わっていく。
今は何が気になるのか。それを確認する試金石的な位置付けとしても楽しみが尽きないバンドなのは確かです。
来場者に貰えるB5ポスターもかなりカッコいいので、是非飾りたいところです。
個人的にこのIMAXポスターがビートルズの中ではベストな気がしております。ステッカーも貰えて良かったですが、それ以上に映像をあの迫力で観れたことが何よりの幸せ。
有難うございました。
余談ですが、要所要所で出てくる、『これはレットイットビーに収録されています』というのは出て来過ぎだったように感じたのは私だけでしょうか。もはや終盤はギャグと化していたとも思えるほどです。
それでは。