とりあえずの安堵。
まずは勝てて、良かった。
これで負けてたらホント絶望の底へと・・・
とはいえ大手を挙げて良かったと言えるかというとそれも微妙なところ。
序盤からプレス強度は圧倒的に上がっていたし、攻守のスイッチも比較的明確で、オーバメヤンとウーデゴールのそれが良くハマっていた。
しかし、前半終盤からプレスがハマらなくなることもしばしば。まあこれは前線からのというよりは中盤がマークを外したり、プレスが弱まったことが要因かと思いますが。つまりはボランチとの連動性の問題。
それでも各人の連携も良くなっていましたし、何より各ポジションの選手が戻ってきたのも大きかった。
オーバメヤン、パーティ、ウーデゴール、ホワイト、マガリャンイス、(冨安)。
まあ富安に関しては戻ってきたわけでは無く、新加入なんですが、かなり良かった。守備時に若干不安定なところもありましたが、すかさず戻り、守る。この姿勢こそアーセナルに欠けていたメンタルの部分だった気がして、それらを喚起する意味でもかなり良い働きだったんじゃないでしょうか。
空中戦や対人に関してはさすがという感じでしたし、今は無きベジェリン改の様な内側への侵入、そしてチェンバースよろしくな、抜群のサイド駆け上がりからのクロスも見事でした。
そもそも、代表ウィーク明け、かつ練習日一日足らずでここまでプレミアにフィットしていること自体奇跡的な気がします。
ホワイトとマガリャンのCBコンビも安定感が見られ、久々に守備時にゴール前での不安が払しょくされていたかと。ホワイトは判断やキック精度が予想以上でしたし、マガリャンは対人、空中戦が強い。連携のところで何度か危険もありましたが、それは今後改善されてくることでしょう。
さらに言うと、中盤二枚が安定すれば必然的に改善されるところもあるわけでして。ロコンガとナイルズだとやはり安定感という意味では少々不安が残った試合となりました。
その点、パーティが入ってからは俄然落ち着き、何本か良い縦パスも入り、期待と安堵が復活。
前節がまさにそうでしたが、一人孤軍奮闘していたスミスロウ。彼も途中交代ながら、抜群の存在感とキレのあるプレーで、判断が本当に素晴らしかった。相手キーパーのナイスセーブで阻まれたシュートは実に惜しかった。ただ縦横無尽に顔を出し、体調の不安を抱えながらあのプレーは恐れ入ります。
ティアニーはいつも通り良かったんですが、正直なところサカとの関係がいまいちに見えました。というか今回の様な布陣ならば右のインサイドでプレーし、内側にカットインできた方が、内側と外側の両側からの脅威が一層増した気がします。
まあスミスロウ交代前は仕方ないですが、入ってからはそれが出来たかと思うので。何かしらこちらでわからない事情があったんでしょうか。まあそれは追々の使われ方でわかるかと思いますので、今後の試合で確認できればと思います。
そして今回個人的MOMは『ウーデゴール』。
こんだけ頭使ったプレスを最後まで行い、運動量も落ちず、見えている視野も広い。気が利くプレーも出来て、危機察知能力も高いとなれば、あとはどれだけ得点に絡めるかどうかな気がします。いずれにせよまだ数試合なので、今後どうなのかということですが、スミスロウやサカとの連携も良い気がするので、本当に楽しみな選手です。まずは来てくれて有難うと言いたい。
他の選手も軽く触れると、オーバメヤンは失われたスピード感が戻ってきた気がしますし、ラムズデールも先発ながら落ち着いたプレーでした。ロコンガは粗削りではありますが、片鱗はあり、今後の成長次第、ナイルズはSBで使われてギリギリ交代要員な気がしてしまいますが、まあ今回は勝てたのでなによりでした。
今回は勝てましたが、むしろここからが正念場、今後の強豪とのマッチアップに備えてどこまでチームのクオリティを上げていけるか。アルテタの手腕が試されるラストチャンスかもしれません。