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新聞記者

正義とは何なのか。

『新聞記者』

ポスター画像

「怪しい彼女」などで知られる韓国の演技派女優シム・ウンギョンと松坂桃李がダブル主演を務める社会派サスペンス。

東京新聞記者・望月衣塑子の同名ベストセラーを原案に、若き新聞記者とエリート官僚の対峙と葛藤をオリジナルストーリーで描き出す。

東都新聞の記者・吉岡エリカのもとに、医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届く。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、強い思いを秘めて日本の新聞社で働く彼女は、真相を突き止めるべく調査に乗り出す。

一方、内閣情報調査室の官僚・杉原は、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務に葛藤していた。そんなある日、杉原は尊敬するかつての上司・神崎と久々に再会するが、神崎はその数日後に投身自殺をしてしまう。

真実に迫ろうともがく吉岡と、政権の暗部に気づき選択を迫られる杉原。そんな2人の人生が交差し、ある事実が明らかになる。

監督は「デイアンドナイト」の藤井道人。第43回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀主演男優賞(松坂桃李)、最優秀主演女優賞(シム・ウンギョン)の3冠に輝いた。


映画『新聞記者』6.28(金)公開/予告編[内調 ver.]

映画公開時から気になっていたんですが、観に行けずでした。

まず、観終わった後の虚無感が半端ない。これは確かに話題になるなといった脚本と演技、核心をついてくるような結末にも考えさせられました。

本作で問われている正義について。

正義の価値観って一見すると皆が思っているものは同義で、一般的に言われる正しい行いーすることでしょ、と思いがちですが、この映画を観るとそれは確実に改めさせられます。

もちろん1人の人間としての行いで言えば、正しい判断や行動ができるかもしれない。でも、社会に生きている以上は集団の中でそれらをしなければならない。

この2つが同一の正しさを持っている場合はいいけど、相反する正しさがあった場合はどうなるのか。それが複数ある場合には。そう考えると怖さがあるし、単純にどちらが正しいとも思えない気がしてくる。

それとプラスして状況やタイミング、年齢や性別などといった別の要因も加わって正しさが異なってくるわけだから更に複雑化し、より一層判断しにくくなる。

そんな中でも、一般的な正しさを貫くとどうなるのか。それが劇中で描かれ、もどかしい現実を見せられることになる。自分だったらどういう風に行動するんだろうなとか思いながら観ていて、未だに答えが出ていない。

扱うテーマや脚本もさることながら、本作での役者の演技は素晴らしいと思う。

特に松坂桃李とシムウンギョン。この2人の演技あっての作品なのは間違いない。個人的に松坂桃李に関しては孤狼の血での演技が衝撃的に良かったので、そこから気にしていたんですが、その後も役者としての幅が素晴らしく、本作でもその悩ましく揺れ動く姿と優しさを持ち合わせた人物像にやられました。特にラストでの引きのショットの顔は忘れられず、あんな虚無感に満ちた表情ができるのかと驚きました。

シムウンギョンはSUNNYとは全く異なるキャラで、ソリッドに切り込む感じと佇まい、追求するシーンのクールな受け答えが記者っぽさを彷彿させ、よくハマっていたように思います。社会派なテーマなだけに、敬遠する方もいるかもしれませんが、この作品は映画としての完成度も高く、見せ方や演出なんかも楽しめますし、何より、純粋な物語として楽しめる作品かと思います。

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