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ディック・ロングはなぜ死んだのか?

しょうもないけど、それこそ人間なのかもしれない。

『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』

ポスター画像

謎めいたポスター、A24とくればどんな話の展開になるのかと思っていたんですが、話は思わぬ方向に。

前作のスイスアーミーマンもそうでしたが、ダニエルシャイナート監督はこういう不可思議で笑える作品を撮らせたら本当にピカイチな気がします。

映画館で思わず笑ってしまったし、周りにいた人もそんな感じで、とにかくゆるく観られました。やっぱり映画館で観る雰囲気の共有はいいですね。改めてそう思います。

絵作りや楽曲などはクラシカルな雰囲気もありつつ、所々に地雷のように仕掛けられているネタの数々。

この辺のバランスを崩す感じも見事で、特に主人公、ジークの娘の可愛さと文字通り純粋さにはやられました。

観るからにミステリー要素が強すぎる触れ込みだったので、どんな仕掛けが待っているかと思いきや、その結末を知ったときは笑いと張り詰めた空気の妙なバランスで、思考回路はショート寸前といったところでした。

伏線の張り方、間の使い方なんかは観終わった後に誰かと話したくなりますし、他作へのオマージュも豊富に含んでおり、下手すぎるバンド演奏からのピンクフロイトには笑いました。これこそ狂気だよとでも言いたげな演奏の下手さも相まってシュールな感じは好みでした。

保安官が登場し、あの小さな田舎町で繰り広げられる雰囲気はツインピークスのそれを思わせる謎に満ちた展開でした。あーゆー街でのゴタゴタ感というかローカルな雰囲気のオフビートな感じはやはり捨て難いものがあります。まぁ完全に個人的な趣味ですが。

ディックロングはなぜ死んだのかということを主題にしつつも、それすらも超越したようなしょうもなさ、バカさ加減を見ていると、みんな日夜真剣に色々なことに取り組んでいるけど、実際馬鹿げているかもしれないことを知らずに取り組まされているだけなのかもなと思わされたり。

とにかく観終わった後には、何だったんだ、どんだけアホなんだ、と思うだろうけど、くだらない映画こそ面白い、そんな映画の原点を思い出させてくれた気がします。