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Diggin LIFE 掘って掘って掘りまくれ!

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ガタカ

可能性を否定してるのは自分なのかもしれない。

ガタカ

 遺伝子が全てを決定する未来社会を舞台に人間の尊厳を問うサスペンスタッチのSFドラマ。

監督・脚本は本作がデビューとなるアンドリュー・ニコル。製作は「マチルダ」など俳優・監督として知られ、自身の製作会社ジャージー・フィルムズで「危険な動物たち」などを手掛けるダニー・デヴィート、同社の共同設立者であるマイケル・シャンバーグとステイシー・シェール。撮影は「トリコロール 青の愛」(共同脚本も)などクシシュトフ・キェシロフスキ監督とのコンビが有名で近年アメリカに進出したスワヴォミル・イジャック。音楽は「キャリントン」のマイケル・ナイマン。監督のレトロ・フューチャー的コンセプトを徹底的に視覚化した美術はピーター・グリーナウェイ監督の諸作で注目された「陪審員」のヤン・ロルフス。衣裳は「マーズ・アタック!」のコリーン・アトウッド。編集はリサ・ゼノ・チャーギンがそれぞれ担当。主演は「恋人までの距離」のイーサン・ホーク。共演は「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」のユマ・サーマン、「オスカー・ワイルド」のジュード・ロウ、「エンド・オブ・バイオレンス」のローレン・ディーン、ベストセラー作家で脚本家・映画出演も多数のゴア・ヴィダルほか。

 1998年に公開されたとは思えない近未来感。当時のSFって今のSFのそれとは違う、レトロフューチャー観が非常に好みで、観ているだけでわくわくします。

本作はとにかく全ての人間に人間味が欠けていて、どことなく虚無感に満ちている気がする。というか、演出や美術がそう見えさせるのかもしれないけど。

今でも少しずつ浸食している社会での様々な管理体制。これが行き過ぎるとどうなるのか、何のために考え生きるのか、人間とは、そういった人間の根源的な本質に迫る作品だった気がする。

個人的に主演のイーサンホークカッコ良過ぎだし、ファッションも近未来感がありつつ、現代にも通じるところがかなりツボ。こういうのを観るとスーツ着がたくなるし、ビシッと決めたくなる。この冬は私服にテイラーリングを取り入れようかななんて思ったり思わなかったり。

色々な場所が出てくるわけでも、人物が出てくるわけでもないんだけど世界観に統一性があるし、観ていて引き込まれるわけで、そういう体験こそが素晴らしく感じる映画でした。

正直、色々と無理があるところもあるけれど、それはそれでSFだしという一言で片づけていいと思うわけで。それ以上に本作の映像美、本質的問いといった部分にフォーカスした方が良い映画の気がした。

可能性を信じ、諦めない姿勢。100%でない限り、不可能はないのかもしれないし、そもそも100%の事柄なんてこの世に存在しないのかもしれないと思わされる作品でした。