リアルな緊張感と景観美がちょうどいいバランス
「激流」
正直、久々のジャケ借りでした。
今では考えられないジャケット。やっぱり昔は色々とエッジが効いてて好きなんですよね。
ということでストーリーはこんな感じ。
夫との離婚を考えていたゲイルは、息子ロークの誕生日に故郷でのリバー・ツーリングを計画。夫のトムも加わり、ゲイルのガイドで川下りが始まる。
一方、彼らと同行した青年ウェイドがやがて本性を現していく。ウェイドは強盗と殺人を犯した逃亡犯だったのだ。ウェイド一味は一家を人質にして危険な急流を下ろうとするが……。
家族に襲いかかる恐怖、そしてそのサバイバルを描いたアクション・アドベンチャー。
もっとヤラセに近いようなチェイシングを予想していたんですが、全然そんなことなく、自然な感じで展開していき、テンポも良い感じ。
とにかく出てくる自然が綺麗で雄大、音楽の壮大さも相まって、ちょっとしたトリップ感を味わえる。オープニングロールを観ていたらジェリーゴールドスミスの名前があったので期待はしていたが、予想以上にマッチしていた。
映像に関しても終盤の川下りシーンは迫力が凄く、それまでとの対比効果、冒頭のボートシーンも残っていたせいか、スリリングさに磨きがかかった感じ。カメラワークも煽るような感じで良かった。
ケヴィンベーコンは好きな俳優の一人ですが、本作でもその不気味さが際立っていました。出てくるたびに何となく違和感が残る演技、さすがの一言。
個人的には息子役のロークが結構好きで、序盤のウェイドの被っているロラパルーザの帽子を欲しがるところで持ってかれました。それ以外にも好奇心旺盛なくせに、単純でちょっとしたことから態度が変わるところ等、上手いなと思いました。
後は父親トムは前半のポンコツぶりが半端ないし、メリルストリープ演じるゲイルの存在感は相変わらずだったり、観ていて飽きない俳優が多かったように思います。
この季節にあえてのアドベンチャー感、意外にありですよ。