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アーセナルvsリヴァプール~カラバオカップ準決勝ファーストleg編~

流石にさすがだろ。

アーセナルvsリヴァプールカラバオカップ準決勝ファーストleg編~』

Arsenal's cultural reset evidenced in 0-0 Anfield draw

初めてリヴァプールTV観ましたが、これは羨ましいですね。アーセナル版も是非お願いしたい。

そんなカラバオだったんですが、予想外の落とし穴、というか盲点にハマることになろうとは。

サラーとマネが抜けたリヴァプールに対し、こちらも主力級が半分近くいない状況。なので状況としては似たり寄ったり。魔物の巣窟アンフィールドということを考えるとむしろアドバンテージはリヴァプールにあったわけですが、序盤はよく戦った。

これといった決定機も与え無かったですし、何より中央の守備が固かった。アーノルドとロバートソンがいるので、サイドからの中長距離弾は相変わらず健在でしたし、その精度も相変わらず恐ろしい。それでもしっかりと際は押さえられていた。

ですが、ジャカの飛び蹴りが炸裂し、一発KO。ストII張りの蹴りにより一発レッドでそこから10人での篭城戦へ。

これはこれでリヴァプールも俄然崩しにくくなったんでしょう。かなり苦戦していましたし、アーセナルは本当によく守ったと思う。

ただ、楽しく無かった。そこが何よりのポイント。

勝っても負けても楽しい試合が観たい身としては、この試合はなんとも言えない後味となってしまいました。エンケティアも中々調子良いような中出しや駆け引きをしていましたし、ロコンガも前回ほど悪いところが出ていなかった。負傷交代でスアレスに変わり入ったチェンバースも無難に仕事をこなしていましたし、そういったことを考えると10人になってからが悔やまれます。

それにしてもボール支配率20%程度で、パス成功率50%足らずってエグイですね。とにかく守りに振って、死ぬ気で守った感を感じます。

まぁ何度か惜しいカウンターもあり、その辺は成長を感じましたね。あそこまでソリッドにリヴァプール相手に最短距離で詰めれるようになったのは組織力の賜物じゃないでしょうか。以前なら後手後手だったものを、鍛錬で乗り越えた感がありました。とはいえ個々の選手の成長や力も当然ありますが。あと一点あるとすればこういった状況での得点力、決め切ることができればなお良しかと。まあそこは期待値高過ぎな気もするので、今後に期待しましょう。

最悪の負けを阻止し、ドローに持ち込んだのでとりあえずは難を逃れましたが、少し前の行動を考えるとジャカのプレーは軽率に感じてしまうところもあります。

何にしても波瀾万丈。これこそアーセナルな試合を観たとも言えるのかもしれません。ノーロンダービーも延期になってしまいましたがコロナ等含めスカッドの薄さが心配なところです。誰か来るのか、来ないのか。とりあえず一旦クールダウンしたいと思います。

では。

青い春

松本大洋作品ってそこまで真剣に観てこなかったんだけど、やっぱりなんか惹かれるものはあるなと思う。

『青い春』

ワードセンスとか、ちょっとした仕草だったりとかコマの割り方だったりとか。

映像を観ているわけでは無いのに、流れるように入ってくるダイレクト感というか、なんともいえない独特の感覚が病みつきになるなと最近、思う。

画の好き嫌いが別れると思うし、モチーフ的にも嫌いな人は嫌いだと思う。

個人的にも別に本作がテーマにするような露骨な青春というか悪みたいなものへの情景は特段湧かない。

年齢のせいもあるのか、そこまで刺さるものがないんだけど、作中の『夏でポン!』だけはかなり刺さった。

青春の熱さや友情、夢、努力、希望、学校、その場にいないのに臨場感が圧倒的だし、匂いや気温、雰囲気まで伝わってくる圧倒的作画力が素晴らしい。

コマの割り方やテンポなんかも影響していると思うんですが、とにかくサクッと読めてしまうのに、メチャクチャ印象深く、引き込まれる。

短編であそこまで引き込まれるのも珍しいなと思いつつ、松本大洋作品の凄さも感じた。

他の作品もちょっと読み直してみようと思う今日この頃である。

余談ですが漫画自体も文庫などで出ているツルっとした紙ではなくワイド版のざらっとした質感で読んでほしい。

クロノス

未完全ではあるけど確実なデルトロ感。

『クロノス』

ポスター画像

生ける機械によって吸血鬼となってしまった老人の姿を描くダーク・ファンタジー

監督・脚本は「ミミック」でハリウッドに進出したギレルモ・デル・トロで、彼のメキシコ時代の処女作。

脚本はデル・トロ。撮影は「スポーン」のギレルモ・ナバロ。音楽はジャヴィア・アルバレズ。出演はアルゼンチンのベテラン俳優フェデリコ・ルッピ、「ロスト・チルドレン」のロン・パールマンほか。

93年カンヌ映画祭批評家週間グランプリ、93年メキシコ・アカデミー賞9部門受賞。

初期作ということでそこまで期待はしていなかったんですが、仕上がりはほぼデルトロ。

よく初期作には監督のやりたいことが全部乗せされていると言いますが、本作もまさにそれ。

映像的であったり、作品的なディティールは、やはり初期といったところですが、造形物や美術などのディティールに関してはデルトロの十八番とするところで、相変わらずグロい。

冒頭のゴキブリシーンもですし、肉に刺さっていく針の感じや時計の中で動く謎なクリーチャーもそう。剥がれ落ちていく皮膚の感じなんかも気持ち悪くて、嫌いな人には絶対にオススメ出来ない。

デルトロの作家性ってそういったリアルでグロテスクな描写に対し、少女であるとかファンタジーの要素を取り入れるところが醍醐味なんじゃないかと思っているので、個人的にはむしろこう評価ポイント。

本作も物語の構成なんかはイマイチですし、全体的な面白さもイマイチ、それでも観終わった後には独特の余韻があるといいますか、人間が持つべき本質みたいなものに気付かせてくれるところはあるかと思います。

とりわけ本作では音楽がその一助に寄与していると思っていて、RPGなんかで使われるような牧歌的サウンドにどぎつい映像、そのアンバランス加減が中々良い。

まあ万人受けする監督では無いと思いますが、デルトロ作品が好きな方なら観ておいて損はない作品かと思います。

ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき~箱根ポーラ美術館編~

以前から気になっていて年末年始の機会に行ってきました。

年末だったんですがコロナの影響下もあってか箱根はそこまで混んでいない感じ。まあ観光地としては混んでいる方なんでしょうけど、箱根の混みを知っている身としては全然空いている印象。

一方でポーラ美術館は初だったんですが、着いてみると意外に混んでいる。

『ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき~箱根ポーラ美術館編~』

現代美術家ロニ・ホーン、国内初の大規模個展がポーラ美術館で - ガラス彫刻などの代表作を紹介 - ファッションプレス

www.polamuseum.or.jp

駐車場はそれなりに空いていたことからバスなどで来る人が多いんですかね。

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そんな感じで中を観ていたんですが、この『水』というものをテーマにしているのが面白くて、以前から写真を撮る際にも気になるモチーフとしてあったのが水。そして、サーフィンをやりだし、関わりが深くなったのも水。

面白いのがその状態によって形状も変えるし、個体として認識することも出来ないもの。なのに容器だったりに入れたり固体化することでは個体として認識できる。

最初の展示が↓のものなんですが、これがまた不思議。

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ガラスの器に水が入っているのか、どういった状況なのかがいまいちわからない。この器が7,8個あるんですが、ものによって色も異なる。水だとするなら蒸発はどう防いでいるのか、水面に見えるところに明らかに人工物の様なものが浮いてるようにも見えるから謎。

ただその存在感含め、水というものの不確かさを感じ取ることができる。

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タイトルにもあるように水の中にあなたを見るっていうのも人間の半数以上を水が占める中で、知性というものがあるから成り立つこの個体性。水と人なんて連続性を感じないのに実際は深く関係しているところとかも含めて非常に興味深い。

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他にも透明なのに透過することで色があるように見えるし、見た目からは味もわからない。匂いもわからないし、どこのものかもわからない。

極めて不明瞭なのに、時として明瞭になるというこのアンバランスさ。

もう考えれば考えるほど謎は深まるばかり。

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野原での座談会の様なフィルムが流れていたんですが、そこで語られていたことが面白くて、一番興味が湧いたのが『水の連続性について』。

「どこどこの川で人が死んだ」、「ここの海の水に物を落とした」そういったことって説明上は出来るけど、そこの水はもう別の場所に流れていて、もう当初の場所には留まっていない。そう考えた時に水を捉えることに意味があるのかという話があって、それは非常に考えさせられたし、面白い観点だなと思った。

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とにかく動と静、捉えどころのない水というモチーフを起点に捉えられる視点の数々が面白く、日本で初個展ということもあるので、興味がある方は行ってみることをオススメします。

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立地的な旅行感もありますし、箱根という場所とこのテーマ性の相性もいいと思うので。

ちなみに我々が鑑賞後出る時には雪が降っており、それがまた水の変化した形として、単純な光景として、かなり良かったです。

では。

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ミミック

嫌悪感満載。

ミミック

ミミック - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

遺伝子操作によって生み出された新生物の恐怖をSFサスペンス。

監督は、メキシコ・アカデミー賞で9部門を受賞した長編第1作「クロノス」で注目を集めた新鋭ギレルモ・デル・トーロ。

ドナルド・A・ウォルハイムの短編小説を基にデル・トーロと「ニューヨーク東8番街の軌跡」の監督マシュー・ロビンスが映画用ストーリーを作成、さらにふたりで脚本化した(ノン・クレジットでジョン・セイルズスティーヴン・ソダーバーグも加わっているという)。

製作は「ハッピィブルー」のボブ・ワインステイン、「ターミネーター2」のB・J・ラック、オーレ・ボールネダル、製作総指揮は「未知との遭遇」のマイケル・フィリップス。

撮影はダン・ラウストセン、音楽はマルコ・ベルトラミミ、美術は「クラッシュ」のキャロル・スピアー、編集はパトリック・ラッサー。

視覚効果監修は「ジュラシック・バーク」「ロング・キス・グッドナイト」のブライアン・ジェニングス、クリーチャー・デザインは「セブン」ロブ・ボッティン

スタイリッシュなタイトルバックのデザインは「セブン」カイル・クーパーが担当。なお、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の監督ロバート・ロドリゲスが第二班監督として参加している。

主演は「ノーマ・ジーンとマリリン」のミラ・ソルヴィーノ。共演は「Emma エマ」のジェレミー・ノーザム、「雲の中で散歩」のジャンカルロ・ジャンニーニ、「評決のとき」のチャールズ・S・ダットン、「アメリカの災難」のジョシュ・ブローリン、「モブスターズ」のF・マーレイ・エイブラハム、「ノーバディーズ・フール」の子役アレクサンダー・グッドウィンほか。

これはグロかった。

初期作のデルトロ作品は物語性以上にクリーチャーの造形やホラー的演出に寄った作品が多い気がしていて、本作もその感は存分に発揮されている感じ。

まず冒頭の羊たちの沈黙宜しくなオープニングに始まり、この時点で不吉かつグロテスクな雰囲気満載。

デヴィッドリンチのブルーベルベットとかもそうですが、なぜ虫にフォーカスするとグロテスクに見えるのか。そんなことを思いながら開始早々に怒涛の虫攻め。これは虫やグロ表現が苦手な方は絶対に見るべきではないでしょうね。

ストーリーはというと、エイリアンなどに似た印象。これといった展開があるわけでも無く、ただただクリーチャーとしての物体と対峙していく。

まあこういう映画はそうした未知なる生物とのやり取りか面白いわけで、そういった意味ではかなり楽しめます。

そしてデルトロの真骨頂である造形は初期作でもやはり凄い。とはいえデルトロの本当の凄さを知るにはある程度の予算と技術も必要なことは感じつつ、おどろおどろしさMAXな生命体に心底ビビりました。

この手のジャンルを観ていて思うのは『生命体としての人間の地位』というのがあって、知識があり、考えることができる人間が狩られる世界に来た時、どう感じるのか。

昆虫や他の動物などはそういったこと無しに本能的にサバイブするわけで、それが出来ない人間は何を思うんだろうなと思うと、怖さしかない。

人間が操作する側からされる側になった時、どう考え生きるのか、意外に深いテーマかもしれません。

では。

アーセナルvsノッテインガム・フォレスト(FAカップ3次ラウンド編)

森に迷い込みました。

アーセナルvsノッテインガム・フォレスト(FAカップ3次ラウンド編)』

Should Arsenal apologise to Idris Elba afer FA Cup disaster against  Nottingham Forest? - The Warm-Up - Eurosport

2017-18シーズンにも嫌な思い出があったチームですが、まさかまたとは。むしろFAカップには強いイメージがあっただけに、ガッカリ感が半端無い。

ノッティンガムのスタジアムの雰囲気がイケイケだったのはテレビ越しにも伝わってきましたし、選手たちの士気も相当なものだったはず。90分超をあの強度でプレーできるのは並大抵のことではありません。

とはいえ、とはいえですよ、このスコアで負けるにはあまりに不甲斐ないですよ。

負けは負けで仕方が無いですが、もう少し期待感くらい持たせてほしかった。

気概を見せていたのはホールディングとウーデくらい。まあ守備の部分も含めるとレノも間違いなく貢献していたでしょう。

ただ、パティーノであったりエンケティア、タヴァレス、君達はもっとできるでしょ。そう思ってしまうのは彼らのポテンシャルを知っていればこそ。

特にパティーノに関してはフルで観れる初めての試合かと思っていたのに・・・。

リーグ戦でもそうですが、引かれた相手に滅法弱いという恒例行事も披露し、今まで好調だっただけに今月からのリーグ戦にも不安が残ります。

なぜならアフリカネイションズカップでパーティ、エルネニー、ペペといった選手が不在。オーバメヤンは別件のようですが。

そんな中でも、俺たちはやれる、そういう気概だけでも見せて欲しかった。

個人的に今回一番目についたのが中盤、ロコンガとパティーノのポジショニングと距離感。

これがあまりよろしくなかったような。

良く無い時に現れるチームの不調、分断と孤立といういつもの兆候がお馴染みの様に出ていた様子。

まあまだ若いチーム、その中でもさらに成長中の彼らを責めることは出来ませんが、スカッドの層の薄さはちょっと気になるかもしれません。

何度も言いますが、それでも気概だけでも見せて欲しかった。

ただそれだけです。

まあこの後はカラバオリヴァプールと控えているわけですし、そちらでこの鬱憤含め是非爆発を期待します。

では。

クリムゾン・ピーク

本当は怖いグリム童話実写版のような雰囲気。

クリムゾン・ピーク

ポスター画像


www.youtube.com

パシフィック・リム」「パンズ・ラビリンス」の鬼才ギレルモ・デル・トロ監督が、「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカ、「アベンジャーズ」のトム・ヒドルストン、「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャスティンら注目俳優共演で描くダークミステリー。

10歳の時に死んだはずの母親を目撃して以来、幽霊を見るようになった女性イーディス。父親の謎の死をきっかけに恋人トーマスと結婚することになった彼女は、トーマスや彼の姉ルシールと一緒に屋敷で暮らしはじめる。

その屋敷は、冬になると地表の赤粘土が雪を赤く染めることから「クリムゾン・ピーク」と呼ばれる山頂にあった。ある日、イーディスの前に深紅の亡霊が現われ、「クリムゾン・ピークに気をつけろ」と警告する。

学生時代に流行った本当は怖いグリム童話

授業中に漫画では無く、小説を読み漁ったのはこれが最初で最後だったかもしれません。思い返すとその時からこういった実はおどろおどろしいような話が好きだったようで、そういった意味でデルトロ作品に惹かれる素地は整っていたのかもしれません。

そんな本作ですが、正直作品自体の完成度は高いとは言えないかもしれない。それは全体的な話としてはそうなんですが、やっぱりギリアム、観てるだけで、その世界観だけで浸れてしまうんですよね。

特に本作では他の作品以上に美術の作り込みが素晴らしく、衣装や舞台、そういった出てくるもの出てくるものがいちいち美しい。

音楽の当て方も童話っぽいところがあって、そのファンタジー感と現実の世界観が見事に調和している。

十八番であるクリーチャーの造形も素晴らしいですし、これはこれで怖い。ホラー映画の体を成しているだけにその恐怖演出もデルトロらしいですし、観終わった後はやっぱりデルトロ作品なんですよね。

この作品の美術意外に好きなところが、抜けのいい構図。

城もそうですし、町もそうですし、景色もそう、とにかく抜けの良い構図が出てくるとそのダークファンタジー感に圧倒されると言いますか、観る目を離せなくなってしまうんですよね。

特に城の中の抜けの良さはピカイチでしたし、あれは大画面で観るべきカット。そういった積み上げで生じるディズニー以上のディズニー的世界観。まあそれ以上にグロくてハードな部分はありますが、そこも含めて魅力的に見えるテイストは、やっぱりデルトロだからこそ出来る芸当なんでしょう。

実際作品自体の物語性であったりというのはパンズラビリンスやシェイプオブウォーターと比べると、もう少し欲しい部分ではあるんですが、まあそれ以上に美しい、そしてグロい。

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御託を並べるよりもただ感じることが良いのか悪いのか、そういった映画はやっぱりフィットするかどうかだと思うので、それはそれでいいのかなと。

まあ雪一面に広がる赤土と城。

その情景を観れば観て後悔が残る作品ではないかと思います。それで合わなければ相性の問題なわけでして。