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ブラインドスポッティング

ラップの迫力を体感せよ。

「ブラインドスポッティング」 

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オークランドで生まれ育った親友同士の2人の青年の姿を通し、人種の違う者や貧富の差がある者が混在することによって起こる問題を描いたドラマ。

保護観察期間の残り3日間を無事に乗り切らなければならない黒人青年コリンと、幼なじみで問題児の白人青年マイルズ。ある日、コリンは黒人男性が白人警官に追われ、背後から撃たれる場面を目撃する。この事件をきっかけに、コリンとマイルズは互いのアイデンティティや急激に高級化していく地元の変化といった現実を突きつけられる。

あと3日を切り抜ければ晴れて自由の身となるコリンだったが、マイルズの予期せぬ行動がそのチャンスを脅かし、2人の間にあった見えない壁が浮き彫りになっていく。

スポークン・ワード・アーティスト、教育者、舞台脚本家と幅広く活躍するラファエル・カザルと、ラッパーとしても活躍する俳優ダビード・ディグスが脚本・主演を務めた。

2018年製作/95分/G/アメリ

友人との鑑賞だったんですが久々に良い議論が出来た気がします。

やはり良い映画体験には良い余韻とそれを共有したいと思わせるものがあるなと改めて感じた映画となりました。

物語の序盤はある種淡々と過ぎていく日常、そこにスパイス的な出来事が重層的に重なっていき・・・。

本作が内包する問題は本当に根源的だし、当事者以外は追体験することすら不可能なことばかり。それでも、自分自身に置き換えて考えることができる普遍的な内容も多分に含んでいるし、目を背けられない人生という過程において、考える必要がある気がした。

細かい内容は抜きにして、とにかく主演の二人の演技が最高でした。

内容的には重くなりすぎてしまうようなところを、少しのユーモアと二人の関係性で中和する。

過ごしてきた時間、抱えている問題、様々なものを真の意味で共有している二人だからこそ、ラストの場面でグッときます。

それを支える形での脚本も最高で、主演の二人が脚本に関わっているというのが更に驚きでした。伏線の張り方、回収の仕方、テンポ感、ラストまでのもっていき方も無理が無く、心地良い。久々に自分の中で持っていかれた脚本だった気がします。

そして何といっても、終盤でのコリンのラップシーン。

そこまでの映画で視聴者と共有してきた余韻を一気にエモーショナルに昇華し、黒人文化の「主張を語るツールとしてのラップ」という真髄を観た気がします。

あれには驚いたし、心底震えました。

音楽の偉大さ、リリックの重要性、バイブスの力、コリンの口から発せられる全てがパンチラインに感じられる程で、本当に良い体験でした。

細かい点を挙げるとキリがない程、色々とあるのでそれは劇場で体感下さい。