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SOMEWHERE

 表面に見えているものが全てとは限らない。

「SOMEWHERE」

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今まではおしゃれ感というか雰囲気先行で映画を撮る監督といったイメージだったんでしたが本作を観て、その考えが一変しました。

冒頭の長回し、映るのはフェラーリと荒野、そこを車が滑走するだけの光景。

その高級車と荒野という無味乾燥な場所の空虚感が全てを表していたというかそこに集約されているというか、とにかく悲壮感にも似た虚無感が漂います。それと相まってオープニングから流れるフェラーリのエンジン音が無性に心地良く、何とも言えない空気を纏っていました。

そこから展開されるのは一変して、成功したハリウッドスターの表向きのゴージャスな生活。一見すると美女とヤレて、好きな物を食べて、好きなことをする。そんな羨ましいと思われる生活の中にあって、主人公マルコの眼はどこか寂し気に感じた。

着ているTシャツはハードコアなものであったりと趣味嗜好は至って普通だし、そこだけ見ていると普通の一般人と何ら変わらない気もする。それなのに立場がスターとなると、中身と表面が乖離していってしまう。

そんな緩衝材として子供が登場します。

実子というのは可愛いものですが、本当の意味でも可愛いエルファニングが登場することでマルコの瞳は一変します。眼の生き死にでそこまで演技できるのかと思うほどスティーブンドーフの演技は素晴らしく、子供と会っている時に楽しそうに過ごす時間は本当に良いシーンでした。

本作で効果的だなと思ったのがワイドのロングショット。

これが入るシーンは空気感が手に取るように感じられるのが凄く心地よくて、親子の雰囲気や街との調和といったことも手に取るように感じられました。

音楽の使い方はさすがソフィアといった感じで、ロック好きな私としてはグッときました。ストロークスの抜け感のあるメロディラインとボーカルも映画の雰囲気と合っていて実にグッド。

映像の写実性も自分が好きなトーンで、この辺はソフィアらしい綺麗な画作りだと思いますし、白の使い方が本当に上手い。透明感というか瑞々しさすら感じさせる表現に癒されました。

とにかく他のソフィアコッポラ映画の中で群を抜いて好きな作品になり、生涯ベスト級の作品になることも間違いなさそうです。 

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