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ウィーアーリトルゾンビーズ

デジタルなのにアナログっぽい。それでいて抱える問題は完全にデジタル世代のそれ。

「ウィーアーリトルゾンビーズ

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映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』予告編(2019年6月14日全国公開)

「そうして私たちはプールに金魚を、」が第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門でグランプリを受賞した新鋭・長久允監督の長編デビュー作。

音楽を通して成長していく子どもたちの物語を、ギミック満載の映像表現や独特のセリフ回しで描く。火葬場で出会ったヒカリ、イシ、タケムラ、イクコは、両親を亡くしても泣けなかった。

ゾンビのように感情を失った彼らは自分たちの心を取り戻すため、もう誰もいなくなってしまったそれぞれの家を巡りはじめる。

やがて彼らは、冒険の途中でたどり着いたゴミ捨て場で「LITTLE ZOMBIES」というバンドを結成。そこで撮影した映像が話題を呼び社会現象まで巻き起こす大ヒットとなるが、4人は思いがけない運命に翻弄されていく。

そして父になる」の二宮慶多、「クソ野郎と美しき世界」の中島セナらが主人公の子どもたちを演じ、佐々木蔵之介永瀬正敏菊地凛子池松壮亮村上淳ら豪華キャストが脇を固める。

第69回ベルリン国際映画祭ジェネレーション(14plus)部門でスペシャル・メンション賞(準グランプリ)、第35回サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドラマティック・コンペティション部門で審査員特別賞オリジナリティ賞を受賞。

8bitのサウンドとグラフィック、これ自体が最高なのは別として、ストーリー的にも深く抉ってくる仕上がりになっていると思う。

死というものにフォーカスを当てた作品は数あれど、ここまで子供達に身近で残酷な死を与えた作品はそう無いと思う。併せて、デジタル時代特有の他人との距離感、モノへの執着、そういったものが皮肉を織り交ぜて、絶妙に合わさり、独特の雰囲気を成り立たせているように感じた。

感情が希薄でゾンビのよう。自分も思い当たる節があるのでわかるんだけど、それって感情が無いんじゃなくて、世界を客観的に捉えすぎて、自分のことすら客観的に捉え過ぎた結果な気がしていて。ある種世界を悲観的に見ているとも言えると思うけど、一方でそれなりに何かを達成したいみたいな願望も持っていて、みたいな感覚。

作品内でヒカリが教室で現実を語るシーンの壁面には夢と希望と書かれた習字の紙があって、それらが無いと思い、語りつつも、音楽という形で創作を行っていく。これって矛盾してるわけだけど、凄くわかる感覚だし、それこそがリアル。

ただ、それも流行りに乗れば、形を変えて、自分達が本来意図してないモノへと昇華され、熱狂されていってしまう。そうすると結局はそこから離れ、また振り出しに戻っていく。そんな現代の虚無感みたいなものが上手い感じで具現化されていて、凄く腑に落ちた気がした。

正直主演の子供4人は観るまでは知らず、そんな期待もしていなかったんだけど、抜群に良くて、特に中島セナ。あの子は作中でも無差別恋愛と言われる理由がわかるくらい、秘めた魅力がまだまだある気がしました。

脇を固める演者も錚々たるメンバーで、衣装もwrittenafterwardsの山縣良和と豪華。曲はLOVE SPREADなんですが、中毒性がハンパない。


【公式MV】WE ARE LITTLE ZOMBIES (映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』テーマ曲)

エモくない人達でもエモい曲は作れる。それが本作で一番グッときたところなのかもしれませんね。とにかく異色のRPG映画なので、今の空気感で観ることをお勧めします。

ウィーアーリトルゾンビーズ

ウィーアーリトルゾンビーズ