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斬、

とにかく重々しい。

「斬、」

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「野火」「六月の蛇」の塚本晋也監督が、池松壮亮蒼井優を迎えて描いた自身初の時代劇。

250年にわたって続いてきた平和が、開国か否かで大きく揺れ動いた江戸時代末期。江戸近郊の農村を舞台に、時代の波に翻弄される浪人の男と周囲の人々の姿を通し、生と死の問題に迫る。

文武両道で才気あふれる主人公の浪人を池松、隣人である農家の娘を蒼井が演じ、「野火」の中村達也、オーディションで抜擢された新人・前田隆成らが共演。「沈黙 サイレンス」など俳優としても活躍する塚本監督自身も出演する。

2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

内容的にもそうですが、全てが重々しく感じる重厚感を纏った作品。

冒頭の刀を打つシーンに始まり、生死を掛けていることがひしひしと伝わる決闘シーン、人々の暮らし自体もそうだし、音楽もそう。画作りも濃密で、ショットのぬるりとした表現すらも重々しく感じるほどの存在感。

一般的に想像される侍映画とは一線を画す感じもするし、そうだよな、と思わされる。侍と言えば格好良く、凛々しい。そんなイメージが多勢を占めると思うけど、本作はそれを真っ向から否定し、現実を突き付けてくる感じ。

種類は違うけど、時代ごとの悩みや葛藤はあるわけで、それを正面から描いている所が珍しいと思った。

メインの登場人物は4~5人であるにもかかわらず、ここまで重厚感を演出できているところが脚本であり、演者の器量だと思う。配役もかなり適役で、時代劇を描くと出てしまう現代性みたいなものが一切出ておらず、その辺込みで良くハマっていた。蒼井優は言わずもがなだけど、池松壮亮は眼が良い。あとあの独特な気怠い雰囲気というか悲壮感というか、そういった感じが妙にああいう役にはハマる気がした。

塚本監督は相変わらず一から十まで素晴らしく、それをやり切れてしまうところもさすがの一言。

オープニングのタイトルクレジットが出るまでの数分間の熱量で、この作品の重厚感と凄味が推し量れるところだと思うのでそこを出来るだけ良い音質環境で体験してほしいと思います。

ちなみに私は本厚木の新しくできた映画館「kiki」さん

atsuginoeigakan-kiki.com

の驚音上映というので観たのですが、素晴らしい低音でした。その為に隣のスクリーンを上映せずに行うという心意気も含めて、再訪したいところです。