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ビフォア・サンライズ

きっかけなんて何だっていいんだ。

「ビフォア・サンライズ


ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス) (プレビュー)(字幕版)

1995年ベルリン映画祭銀熊賞(最優秀監督賞)受賞!

アメリカ人青年ジェシー(イーサン・ホーク)と、ソルボンヌ大学に通うセリーヌ(ジュリー・デルピー)は、ユーロートレインの車内で出会った瞬間から心が通い合うのを感じる。ウィーンで途中下車した2人は、それから14時間、街を歩きながら語り合い…そんな自然な会話の中から、彼らの人生観、価値観、そして心の奥の微妙な揺れ動きが見え隠れする。でも別れのときはもう迫ってきていた…

セリーヌソルボンヌ大学で文学を専攻するパリジェンヌ。祖母の見舞いの帰り、ブダペストからパリに向かうユーロトレインの中で若いアメリカ人の新聞記者ジェシーに出会う。ドイツ人夫婦の喧嘩を逃れて列車のレストランに逃げ込んだ2人の間で、自分のこと、仕事のこと、幼い日の思い出のことなど果てしない会話が続いた。ジェシーの降りるウィーンの駅に着いても、2人の会話はまだ終わらなかった。別れたくない。もっと話していたい。そんな気持ちをジェシーは素直に言う。「明日の朝まで14時間。一緒にウィーンの街を歩かないか?」同じ気持ちだったセリーヌは荷物を持ってジェシーと一緒に列車を降りた。石畳の街路、教会、レコード店、公園の大観覧車、水上レストラン、古いバー、不思議な占い師、川辺の詩人・・・。街で出会う小さな出来事は、セリーヌジェシーの心にある感情を芽生えさせていた。2人はなお歩きながら、終わったばかりの互いの恋愛について語り、カフェに入って、今どんなに素敵な出会いをしているか、お互いに告白しあった。だが、14時間の終わりはもうすぐそこに来ている。ホテルに泊まる金のない2人は公園で抱き合って夜明けを迎えた。朝、別れの時間がやってきた。だが、2人は「さよなら」が言えない。「半年後にここで会おう」2人はついに本心を明かした。14時間を経て恋人たちの距離はようやく重なった。

リンクレイターの作品は何気ない日常を描いた作品が多いけど、それを普遍的な形に落とし込むのが実に上手いと思う。

恋愛という誰にでも必ず訪れる瞬間。恋に落ちる瞬間はまちまちだけど、何で好きになったのかとか、どこが好きなのかとか、相手はどう思っているのかとかといった色々なことを考えがちな恋愛初期のもどかしさを見事に描いていると思う。

それに加えてこの映画の凄いところは、ほとんど会話のみで、ストーリーといったストーリーが無く進行していくところ。

その会話の中でも男女の普遍的な差であったり、その年齢特有の考え方、行く場所、すること、雰囲気、それら全てが自然と盛り込まれていて、追体験している気分にすらなる。

その点にこそこの映画の魅力があると思う。

話を冒頭に戻すと、恋愛のきっかけって何でもいいんだと思わされたということ。当たり前のことなんだけど、年々忘れていく感覚だったりして、それをシンプルに突き付けられている気がした。

別に話が合う人と恋に落ちるわけでも無いし、容姿がタイプな人と恋に落ちるわけでもない。これらも要素の一つではあるだろうけど、あくまでも一要素であって、本当に重要なのは純粋に一緒にいたいのかという問題。

それって他の事全てにも言えることだと思うけど、友達であったり趣味であったりも突き詰めると本当に一緒にいたいのか、本当にやりたいのか、その一点に尽きると思った。

イーサンホークとジュリーデルピーの会話の中で感慨深いメッセージも多々出てくるが何度も観返してその都度気になるところをキャッチアップしたい気持ちにさせられた。

それにしてもリンクレイター作品の映像って、単調なんだけど引き込まれるような映像美も兼ね備えているのは何故なんだろうと毎回思わされる。

ここから本作はサンセット、ミッドナイトと続いていくわけだが、その追体験が本当に楽しみだ。

学生時代に観た時には全く良さがわからなかった作品だが、改めて観ると自分の中で思いがけない作品になってたりするから映画体験はやめられない。