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アメリカンビューティー

狂気的でいて普遍的。意外に日常はこんな感じなのかもしれない。

「アメリカンビューティー」

40歳を過ぎた広告マンのレスター・バーナムと上昇志向たっぷりの妻キャロリン。彼らの家庭生活に潜む歪んだ真実が徐々に暴かれていく。妻は夫を憎み、娘のジェーンは父親を軽蔑している。そして会社の上司はレスターにリストラによる解雇を告げる。そんな毎日に嫌気が差したレスターは、人生の方向転換を図る。しかし、自由と幸せを求めるレスターを待ち受けていたのは、あまりにも高価な代償だった。

これでコメディっていうんだから恐れ入りました。実際画作りが重厚なだけで、内容はコメディ要素多くて笑えるシーンも多々あります。

ストーリー自体に凄い魅力があって、「人生とは?」といったことを様々な観点から考えさせられました。

主人公は娘の同級生を好きになるというクズっぷりなんですけど、そこから始まる人生への問い、行動、こういうことってあるよな、そう思わせてくれるような感じに惹かれていきます。

周囲の登場人物からもそうした人生への問いを考えさせられます。現状に甘んじるのか、変わる努力をするのか、普通がいいのか、変わっていたいのか、やりたいのか、やりたくないのか、こういったあらゆる感情に対しての自分自身の向き合い方みたいなものを考えながら観ていました。

主演のケヴィンスペイシーはとにかく演技が上手い。私が最初にそれを感じたのは「ハウスオブカード」という海外ドラマだったんですけど、やっぱり凄かった。目力があります。絶妙な掛け合いや表情なんかも個人的にはかなりツボでした。 

 アメリカンビューティーという本作のタイトルはバラの品種の名前のようですが、純粋なアメリカの美という観点からみても面白かったです。表面上の取り繕いを美と呼ぶなら本質的な美は見い出せない。そう思いました。

ちなみにサントラも最高でした。70年代のロックが要所要所でかかりますが、それもテンションあがります。あの時代独特の良さがサウンドからも滲み出てまして。個人的にはエリオットスミスのビートルズカバー「because」が良過ぎましたが。やっぱりエリオットスミス最高です。


American Beauty, Soundtrack - Elliott Smith - Because

とにかくジャケットを観ても敷居の高そうな映画に見えますが、そんな気なしに気軽に観ることをおススメします。 

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