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自分を紡ぐ物語

野火

ホラーであるとか描写的にもっとエグイ作品もある中で本作はそれ以上に観ていたくないと思える作品。


野火 -特報- Fires on the plain News flash

前者はどことなく現実感がないというか、客観的に見れる側面があって一歩引いて観れる点に救いがある。一方本作はその余地が無く、主観的かつリアリティをもって迫ってくる。

この一点が他の映画と違っており、非常に心地悪い。

こういう戦争映画を観て思うのが「人は極限状態になると、本当にあそこまで残虐になれるのか」ということ。

極限状態に置かれたことが無いので知る由もないのだけれど、あそこまで変われるのかという点に疑問が残る。逆に主人公が無抵抗な女性を撃ってしまうシーンなどはその後の展開を観ていても、「やられたらやり返す」といった報復的な発想は良い結果を生まないことも改めて実感した。

人が生活している環境って必ず階層化ないしコミュニティ化されていて、その中での良し悪しを判断している気がする。だからこそ、こういった戦争のような状況を心から悪だと言えなかったり、大金持ちを心から羨ましいと思えなかったりするのだと思う。

それぞれが生きている環境に順応し、その中で良いことも悪いことも必ず経験し、悩んでいるものなのだろうと思ったりしました。

だとすると今の自分が抱えている悩みってちっぽけなことのような気がしてきませんか。そんなことを考えさせられる作品でした。

話は逸れましたが本作の全体に漂う不気味さ、重々しさは映画館で体験してこそだと思いました。今となっては上映されていないので静かな夜にでも視覚、聴覚を研ぎ澄まして観てみてはどうでしょうか。ただし決して楽しい映画では無いのでその辺は悪しからず。

ただ塚本晋也監督らしいエッジの効いた演出であったりカメラワーク。今の日本には珍しい監督じゃないでしょうか。 

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野火

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塚本晋也「野火」全記録

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