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舟を編む

お久しぶりです。

本日は映画についてのお話を。邦画を見たのは久々でしたが「舟を編む」良かったです。

ストーリーとしては辞書を作る過程で起こる出来事を綴ったもの。そう言ってしまえば単純な構造だが、内容は大変感慨深い。

個人的に気になった点は日常生活におけるアナログとデジタルの逆転現象に対する投げかけ。この映画の冒頭の舞台は1990年代初頭、デジタル製品がまだ普及しておらず、圧倒的にアナログが大多数を占めている時代。

そんな中でも、パソコンやPHSといったデジタル製品も台頭してきており、着実にデジタル化が進むことが予想されうる時代。

そんな中、紙媒体のアナログな辞書を作るということ、コスト面からいっても時間的な制約からいっても割に合わない、それでも一つのことに没頭し完成させるということ、デジタルでは補えない何か、そんな問いかけが胸に響いた。

作中で辞書が完成したのは2009年、現代とそれほど変わらない時代背景。感じるのは物事に向かう姿勢とスピード感の変化。以前は情報も限られた媒体からしか得ることが出来ず、人から人へ伝えられる事もしばしば、物事のスピードに関しても、即時性のあるものと言えば新聞やテレビ、ラジオといったメディア媒体のみ。

一方で現代においてはスマホやWEBなどといったものを中心に即時性、希少性を伴った情報が誰でも手に入り、デジタル製品の普及により、圧倒的に全てのスピード感が増した。

裏を返せば物事をじっくりと自らの頭で考え、工夫し、作る、そんな機会が減った気がしてならない。

川のようにただ流れ、自分というフィルターを通過していくだけでなく、海のように自分自身の中で受け止め、結果としての広がりを持ったものが今の時代に必要なのかもしれない。本作で完成される辞書「大渡海(だいとかい)」のように。 

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そういった感じで、自分自身の最近感じている、もやっとした気持ちに一つの回答を貰えた気がする、そんな映画でした。

邦画もいいですね。

では。

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