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極道の妻たち

マフィアもいいが極道もいい。芯があるスタイルは確信に迫るという事か。

極道の妻たち

暴力抗争下で、様々な境遇を生きる極道の妻たちの姿を描く。

週刊文春』に連載された家田荘子原作の同名ルポタージュの映画化で、脚本は「春の鐘」の高田宏治、監督は「十手舞」の五社英雄、撮影は同作の森田富士郎がそれぞれ担当。

 女でも男でもスタイルがあればそれが生き様として醸し出される。

本作も名前だけは知っていたもののしっかりと観たことが無かった為、観てみることに。

昔の日本映画ってタイトルクレジットであったり色使いであったりがエッジが効いたものが多く、そこにまずグッときます。

やっぱり今の時代にありがちな同質平均化へ嫌気がさしているところもあってか、「俺は俺」「私は私」的なものへの興味が止まりません。

ストーリーのテンポも良く、事件に次ぐ事件で最後も呆気なく終わります。場面が暗転して「完」で終わるところなんかも潔くて良い気がします。

展開や描写に疑問符が付く箇所もありますが、極道の「活き」な部分が本作の見どころであって、その表現としては完璧な気がします。

今の時代に必要な感覚としてはテンポよく観やすいので最適なんじゃないでしょうか。

極道の妻たち [DVD]

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アーセナルvsハダースフィールド

最後は「らしく」やれた気がする。

アーセナルvsハダースフィールド

改めてヴェンゲルの人間味、アーセナルというクラブの雰囲気に惹かれた試合になった。

序盤から相変わらずの不安定さが残るDFは変わらないものの、アーセナルらしいつなぐサッカーも見られた。

後方からのフィードも頼りないし、中盤での創造性も欠ける。それでもつながれば強いし、たまには超絶プレーもある。

本戦もその要素を存分に含んだ試合だった気がする。

クラブのらしさを残しつつ、改革していくことに意味があるし、それができなければただ強い、面白味に欠けるチームになってしまうんだと思う。

そういった意味ではヴェンゲルの残した功績は大きいし、今後もその軸の部分は受け継いでいってほしいものだ。

対するハダースフィールドは粗削りながらも、速攻からのフィジカルで押し切る感じ、貪欲な「らしさ」を見せていたおかげで、1得点と不本意ながら試合自体は楽しめるものになっていた気がした。

誰が来るのか、そして誰が去るのか、現時点では憶測以外はなにもわからないが、クラブの歴史と良さは継承してほしいと思う。

とりあえずヴェンゲル監督お疲れ様です。

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犬神家の一族

スタイリッシュかつミステリアス。衝撃に次ぐ衝撃が次から次へと当たり前のように押し寄せる。

犬神家の一族

名探偵金田一耕肋を主人公にした横溝正史の同名小説の映画化で、湖畔にそびえる犬神邸に次々と発生する怪奇な連続殺人事件に挑む金田一耕肋の活躍を描く。

脚本は「反逆の旅」の長田紀生日高真也市川崑の共同、監督は「妻と女の間」の市川崑、撮影は同じ「妻と女の間」の長谷川清がそれぞれ担当。

誰もがお馴染みの映画であって、観たことがあり、内容を知る人はその馴染みほどはいないはず。

自分もそのうちの一人だったのですが、日本映画名作ブームが来ている今の自分にはぴったりのタイミングでした。

正直映像の古臭さなどから敬遠しておりましたが、すぐに大きな間違いだったことに気付かされます。

現代に通じる映像手法であったり巧みなミステリーの構成であったりと身につまされる箇所が多々あり、市川昂という監督の凄さを思い知らされました。

冒頭のクレジットなどは完全に庵野監督に影響を与えているであろうスタイリッシュかつ無秩序、それでいて力強いフォントでのクレジットだったし。

各シーンを観ても非常に写真的な構図が綺麗に計算されたものが多く、色の濃淡も見事で、どれだけこだわったらこんな映像を2時間以上も撮り続けることが出来るんだといった印象でした。

セリフのテンポも今でいうラップに近しく、心地よいBPMを刻んでいるかのようなやり取りで、とても1970年代の映画とは思えないテンポ感。それに呼応するようにカットが切り替わっていく様子なんかも相まってミステリーなのにとにかく軽い仕上がりに。

そんなミステリー要素は露骨すぎる部分と伏せてある部分の割合が絶妙で、最後まで結論には至らない際の状況を保っているところが凄く、こいつが犯人かと思っては違いの繰り返し。

時折流れるサントラなどはイタリアのマフィア映画を彷彿とさせますし、出てくる描写も日本であって日本に非ず的に見える部分もあったりします。

とにかく細かいところまで作り込まれていることが観れば明らかで、それ故に何度も観返したくなる作品なのかもしれません。

映画として、映像として観ておく作品なのは間違いないです。ちなみに観るなら間違いなくオリジナルの1976年版を観ることをおススメします

犬神家の一族  ブルーレイ [Blu-ray]

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犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

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「犬神家の一族」オリジナルサウンドトラック

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市川崑と『犬神家の一族』 (新潮新書)

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鬼龍院花子の生涯

次は日本映画の名作へ。ハマる流れは止められない。

「鬼龍院花子の生涯」


なめたらいかんぜよ! 『鬼龍院花子の生涯』宮尾登美子

 宮尾登美子の同名小説を五社英雄が映画化。

夏目雅子のセリフ「なめたらいかんぜよ」は流行語となった。

土佐の侠客である鬼龍院政五郎は、大正10年に松恵という養女を取った。松恵は政五郎の身の回りの世話をしながら成長する。政五郎は末長という男と対立していたが、末長の妻が経営する料亭からさらった娘つるを妾にした。つるは翌年、政五郎の娘を出産。娘は花子と名付けられた。花子が女学生になったころ、政五郎は高校教師の田辺と知り合い意気投合、十六歳になった花子の婿にしようとする。しかし田辺は松恵と愛し合うようになっていた。

 時代劇なんて全く興味無かったし観ることも無いと思っていた。春日太一に出会うまでは。


ゴロウ・デラックス 2017年2月2日 170202 【春日太一がゲストで登場!】

WOWWOWプラストであるとか宇多丸のラジオだとかで話を聴くうちに興味だけは募っておりました時代劇。

タイミングよくGYAOで「鬼龍院花子の生涯」が公開されており、何となく観てみると面白い。「なめたらいかんぜよ」これが時代劇に対しての私の偏見に充てられたセリフかと思うほど圧倒的な凄味でした。ホントすいませんでした。

出ている演者もとにかく素晴らしく、今の日本映画には無い迫力や存在感に観入ってしまいました。

目を覆いたくなる場面、鳥肌が立つ場面、ここまでスクリーン越しに訴えてくる作品は初めてだった気がします。

以前は時代劇なんて年配の方が観るものと思っていましたが、実際観てみると全く違い、自らの考えを反省した次第です。

直会話の内容や時代背景など知識不足で理解できないところも多々ありましたが、そんなこと抜きで面白いしカッコいい。そういうところが重要な気がします。

特に美術のこだわりを凄く感じたし、家紋がとにかくかっこいい。印鑑であるとか家紋であるとかそういった昔の家柄を表すアイコンとしてのマークに強く惹かれた次第です。

夏目雅子も名前だけは知っていましたが、綺麗過ぎる。昔の女優は艶のある綺麗さがあって、存在感と共に凄く惹かれました。

やっていることも起きていることも今の時代とは異なりますが、通じるところはあるし、「人」が出ている時点で変わらぬモノ。とにかく時代劇を中心に日本の名作を掘っていく日々が始まりそうです。

そしてタイトルにもある花子は、思っていた花子ではありませんでした。その驚きから映画はスタートします。

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新装版 鬼龍院花子の生涯 (文春文庫)

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限りなく水の色に近いブルー~ユーシン渓谷編Ⅰ~

今回は神奈川の秘境と言われている「ユーシン渓谷」に行ってきました。

正直巷で話題になっている秘境というのはあまり秘境感も無く、がっかりすることが多いんですが、ここも思っていた通りでした。

しかも新松田駅に着き、バスを探していると、添乗員の方から「ユーシン渓谷は4か月前から崩落で通行止めになっていますよ」とのこと。ただここまで来て引き返すわけには行かず、鋸山同様突撃します。

新松田駅からバスで40分ほどで到着。普段は混んでいるようですが、通行止めのせいか無料駐車場もガラガラでした。

到着してすぐ見える湖?が意外に深い青で綺麗。結果的にここが一番綺麗だったというオチなんですがそれはさておき。

序盤からこの有様。

そして通行止めへ。

さらにそのまま歩いていくと完全なる通行止めへ。

ここに来るまでの道中に遭遇した人と話しており、脇に立てかけてある木の棒と看板を使用すれば越えられるとのことで越えていきます。

正直自分以外の2人はこの状況から引き返すことを提案されましたが、まだまだ行けます。これくらいは。

塩化カルシウムが不穏な感じで置かれていたり。

反射する水たまりが一番きれいだったり。

とりあえず前進あるのみ。

その後先ほどと同じような門で反対から来る青年2人と遭遇し衝撃の事実が判明します。

どうやら目的地ユーシン渓谷はとうに過ぎており、この先に行っても何もないとのこと。そこで、この立入禁止看板の下にユーシン渓谷位置が書かれていることに気付きます。

それによるとここから洞窟三つ分戻った所にあるのがユーシン渓谷。

ということでそこまで引き返し見に行くことに。

それにしてもそんなところはあったか?遭遇した二人の青年と話しても誰も気付いておらず、我々も同様に気付かず。

嫌な予感しかしない中、目的地を目指します。

果たしてユーシンブルーはあるのか。

アーセナルvsバーンリー

試合以上に感動した。

アーセナルvsバーンリー」

Wenger spent 22 years in charge of Arsenal

 ELにも敗れ、ヴェンゲル監督のホームゲーム最後となった本戦。

エジル不在ながらもほぼほぼベストメンバーで久々のプレミアに挑みます。

序盤からアーセナルらしいサッカーを展開し、得点は時間の問題かと思っていたところにオーバメヤンが得点します。

その後も再三ゴールに迫り、完全にアーセナルペースでした。正直対戦相手のバーンリーに良い点が無かったと言えばそれまでですが、ラストのホームゲームに賭ける選手たちの思いがそうさせた気もします。

本戦でも若手の起用、ブレない戦術にヴェンゲルの偉大さを感じました。

最近では賛否両論あったヴェンゲルですが、若手の登用、インビジブル期、超攻撃的サッカーなど築いてきたものの大きさは計り知れません。

あと2戦ですが楽しみたいと思います。

PS.日本代表監督の声も挙がっていますが、最適な解の様な気がしてなりません。

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シン・ゴジラ

やっぱり庵野さんは凄い。

シン・ゴジラ


シン・ゴジラ 劇場限定予告

ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりに東宝が製作したオリジナルの「ゴジラ」映画。

総監督・脚本は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀明が務め、「のぼうの城」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の樋口真嗣が監督、同じく「のぼうの城」「進撃の巨人」などで特撮監督を務めた尾上克郎が准監督。

14年のハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」に登場したゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴジラをフルCGでスクリーンに描き出し、リピーターが続出するなど社会現象とも呼べる大ヒットを記録。興行収入は81.5億円に上り、第40回日本アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか7部門で最優秀賞を受賞した。

ある時、東京湾アクアトンネルで崩落事故が発生。首相官邸で開かれた緊急会議では、地震や海底火山の噴火など事故原因をめぐって議論が紛糾する。そんな中、内閣官房副長官矢口蘭堂は、海底に正体不明の巨大生物が生息し、それが事故の原因ではないかと推測するが……。矢口役の長谷川博己内閣総理大臣補佐官赤坂秀樹役の竹野内豊、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン役の石原さとみをメインに総勢328人のキャストが出演し、狂言師野村萬斎ゴジラモーションキャプチャーアクターとして参加した。

庵野監督と言えばエヴァンゲリオンが真っ先に挙がりますが、本作もその影響は多分に残しています。良いか悪いかは個々人の感じ方ですが、私自身は最高でした。

とにかくテンポが速く、あっという間に時間が過ぎていきます。心地良いビートを刻んでいる感じでそれが映画への没入感を高めます。というかシンクロ率を高めてしっかり観ていないと置いて行かれます。このセリフ量だとまともに撮れば倍近い作品になるらしいということも納得の単語量です。

更に驚いたのが登場直後のゴジラがとにかく気持ち悪い。途中までゴジラとは別の生き物だと思っていたくらいです。フルCGだからこそできたのかもしれませんが、禍々しさと使徒感が半端なく、街中で出会いたく無さ全開です。出会った時には死を覚悟しましょう。

ストーリーに関しても実在の街で、実在しないと信じきっているモノが現れ、慌てふためき、効果的な策は打てない。これが日本ひいては全国民が潜在的に内包している感覚。危機的状況は起きないし、起きても誰かが解決してくれるといった人任せな楽観論を浮き彫りにしていて、ホント身につまされます。決めることには責任が伴うけど、決めなければいけない時は誰にでも訪れ、それを蔑にするとツケは自分に返ってくる。返ってくるならまだいい方で、へたしたらそれにすら気づけず、そのまま終わる。そんなことをひしひしと感じさせてくれる作品でもありました。

庵野監督はそういった自分自身との対話を持たせる作品を創るのに長けてるなと改めて思ったり。

その他にも庵野監督らしい仕掛けが随所に仕掛けられていてとにかくわくわくさせてくれる作品でした。在来線爆弾、ゴジラのビーム、サントラ選曲の冥利、挙げるときりがないほどです。

ゴジラや特撮に興味が無い方でも娯楽映画として間違いなく楽しめる一本じゃないでしょうか。

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